似た意味を持つ「変異種」(読み方:へんいしゅ)と「変異株」(読み方:へんいかぶ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「変異種」と「変異株」という言葉は、どちらも変化した生物のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
変異種と変異株の違い
変異種と変異株の意味の違い
変異種と変異株の違いを分かりやすく言うと、変異種とは遺伝子の組み換えが起きて新しい生物種が誕生すること、変異株とは性質が変化しているがもともとの生物の種類は変化していないことという違いです。
変異種と変異株の使い方の違い
一つ目の変異種を使った分かりやすい例としては、「新型コロナウイルスの変異種という報道は正しくない」「変異種についてもう一度意味の勉強することにした」「今まで見たことがないので変異種に違いない」などがあります。
二つ目の変異株を使った分かりやすい例としては、「新型コロナウイルスの変異株が世界で猛威を奮っている」「新型コロナウイルスの変異株は感染力が強いとされている」「様々な種類の変異株が発見された」「日本でコロナウイルスの変異株が発見されました」などがあります。
変異種と変異株の使い分け方
変異種と変異株はどちらも似た意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあります。
変異種は近縁の生物種の間で多くの遺伝子の交換が起きて、2つの生物種の特徴を併せ持った新しい生物種が誕生することで、変異株は変化した遺伝情報の影響を受けた一部の性質が変化していますが、もともとの生物の種類は変化していないことです。
簡単に言うならば、変異種は遺伝子変化により新たな生物種が誕生することなので名前が変わるが、変異株は一部性質が変化したが生物の名前自体は変わらないということです。
新型コロナイウイルスは感染力が強くなったという性質の変化がありますが、元来もっていた新型コロナウイルスの基本的特性はほとんど引き継がれてるので、変異種ではなく変異株と呼ぶのが正しいと日本感染症学会が述べています。
また、報道機関に対して変異種と呼ぶのは学術的には誤用であるため、変異株で統一していただくようにとお願いをしていました。
変異種と変異株の英語表記の違い
変異種も変異株も英語にすると「variant」「mutant」となり、例えば上記の「日本でコロナウイルスの変異株が発見されました」を英語にすると「A new variant of the coronavirus has been discovered in the japan」となります。
変異種の意味
変異種とは
変異種とは、近縁の生物種の間で多くの遺伝子の交換が起きて2つの生物種の特徴を併せ持った新しい生物種が誕生することを意味しています。
変異種の使い方
変異種を使った分かりやすい例としては、「私たちの目的は変異種の調査です」「変異種が原種よりも強い場合があります」「あれは見たことない生物だったので変異種に違いない」「変異種の柿が新品種に認定されました」などがあります。
その他にも、「変異種と変異株の使い分けをしっかり覚えよう」「この植物は変異種の可能性があります」「ここで新たな変異種が産まれた可能性がある」「変異種が原種よりも強いことがある」などがあります。
変異種とは近縁の生物種の間で多くの遺伝子の交換が起きて2つの生物種の特徴を併せ持った新しい生物種が誕生することを意味しています。また、変異種の場合は新型の生物が誕生する場合に使うので新しい名前が与えられるのが一般的です。
新型コロナウイルスの変異種は誤り
以上のことから、多くの報道機関で放送されている新型コロナウイルスの変異種は誤りであり、正しくは新型コロナウイルスの変異株とすると日本感染症学会が呼び掛けています。
変異種はウイルスだけではなく植物や動物などの生物に対しても使うことができると覚えておきましょう。
変異株の意味
変異株とは
変異株とは、変化した遺伝情報の影響を受けた一部の性質が変化していますがもともとの生物の種類は変化していないことを意味しています。
変異株の使い方
変異株を使った分かりやすい例としては、「ついに日本でも変異株と思われる新型コロナウイルスが発見された」「欧米では新型コロナウイルの変異株が大流行している」「我が国では新型コロナウイルス変異株の感染者が1000人を超えました」などがあります。
その他にも、「新型コロナウイルスの変異株は感染力が強まったと言われている」「新型コロナウイルスの変異株に対してワクチンはいつできるのだろうか」などがあります。
変異株とは変化した遺伝情報の影響を受けた一部の性質が変化していますがもともとの生物の種類は変化していないことを意味しています。また変異株は、生物複製バリエーションにすぎないので生物の名称が変化しないのが一般的です。
そのため、コロナウイルスの感染力が強くなったものは、変異種ではなく変異株と呼ぶのが適しています。
変異種はウイルスだけではなく植物や動物などの生物に対しても使うことができると覚えておきましょう。
変異種の例文
この言葉がよく使われる場面としては、近縁の生物種の間で多くの遺伝子の交換が起きて2つの生物種の特徴を併せ持った新しい生物種が誕生することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、変異種は新たな生物種に対して使う言葉です。
変異株の例文
この言葉がよく使われる場面としては、変化した遺伝情報の影響を受けた一部の性質が変化していますがもともとの生物の種類は変化していないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、新型コロナウイル関連で使われることが多いです。
変異種と変異株どちらの言葉を使うか迷った場合、遺伝子の組み換えが起きて新しい生物種が誕生することを表現したい時は「変異種」を、性質が変化しているがもともとの生物の種類は変化していないことを表現したい時は「変異株」を使うようにしましょう。