似た意味を持つ「グローバル」と「インターナショナル」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「グローバル」と「インターナショナル」という言葉は、「世界的な規模」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
グローバルとインターナショナルの違い
グローバルとインターナショナルの意味の違い
グローバルとインターナショナルの違いを分かりやすく言うと、グローバルは国という境界を意識しない時に使い、インターナショナルは国という境界を意識する時に使うという違いです。
グローバルとインターナショナルの使い方の違い
一つ目のグローバルを使った分かりやすい例としては、「グローバル戦略を成功させることができたと言えるだろう」「グローバルな仕事をしたいため英語を今から学んでいる」「ゲーム市場もグローバル化が進んできたと言える」などがあります。
二つ目のインターナショナルを使った分かりやすい例としては、「インターナショナルスクールが近くにあるのか外国人の小さい子たちが近くを歩いていることが多い」「インターナショナル経営は綿密に計画していかなければならない」などがあります。
グローバルとインターナショナルの使い分け方
グローバルとインターナショナルはどちらも、世界的な規模を表す言葉ですが、使い方が若干異なります。
グローバルは、世界的な規模である様子を表しますが、国単位ではなく地球単位が前提となる物事に使われるため、自国や他国と区別されることもなく、世界共通のものを表すという特徴があります。
一方のインターナショナルは、物事が多くの国と関係がある様子を表します。こちらも世界規模ではあるものの、他国とつながり寄り添うことを重視するという特徴があります。また、労働者組織を指す言葉としても使われています。
つまり、グローバルは国単位で分けることを意識しない場合に、インターナショナルは国単位で区別された上でつながりを持つことを意識する場合に使うという違いがあります。
グローバルとインターナショナルの英語表記の違い
グローバルを英語にすると「global」となり、例えば上記の「グローバル戦略」を英語にすると「the global strategy」となります。一方、インターナショナルを英語にすると「international」となり、例えば上記の「インターナショナルスクール」を英語にすると「an international school」となります。
グローバルの意味
グローバルとは
グローバルとは、世界的な規模である様子を意味しています。
表現方法は「グローバル化」「グローバルワーク」
「グローバル化」「グローバルワーク」などが、グローバルを使った一般的な言い回しです。
グローバルの使い方
グローバルを使った分かりやすい例としては、「グローバルサウスは主に東南アジアや中南米を対象として使われている」「海外旅行をするのにグローバルWiFiの申し込みをすることにした」「事業をグローバルに展開していく方針を詰めていく」などがあります。
その他にも、「グローバルスタンダードはボーダーレス化に伴い必ず必要となるルールだ」「グローバル化による良い影響を受けることができれば売り上げ増加も見込めるだろう」「少しでもグローバルな視点を身に付けられたらと思っている」などがあります。
グローバルは英語で「global」と表記され、「地球全体の」「包括的な」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われており、全体を覆う様子を表します。
「グローバルサウス」の意味
上記例文の「グローバルサウス」とは、第三世界や発展途上国を意味する言葉です。人口が多いために食糧が不足しながらも急成長を遂げているような国を指し、特に南半球の国々を指したり、先進国の南側に位置することに由来して「サウス」が用いられています。
「グローバルスタンダード」の意味
また、上記例文の「グローバルスタンダード」とは、世界標準や世界基準を意味する和製英語で、世界で共通しているルールを指します。例えば、三色で構成されている信号機や、航空機が右側通行であることなど該当します。
グローバルの対義語
グローバルの対義語・反対語としては、地方的である様子を意味する「ローカル」があります。
グローバルの類語
グローバルの類語・類義語としては、すべてに共通である様子を意味する「ユニバーサル」、世界全体に関係している様子を意味する「世界的」、分野や種類などを超えるようなつながりがあることを意味する「横断的」などがあります。
インターナショナルの意味
インターナショナルとは
インターナショナルとは、物事が多くの国と関係がある様子を意味しています。
その他にも、労働運動や社会主義運動を行う国際的な労働者組織を表す言葉です。
インターナショナルの使い方
「インターナショナルスクールには芸能人も多く通っているらしい」「インターナショナルな環境に身を置くならば諸外国語の学習は必要だ」などの文中で使われているインターナショナルは、「国家間でつながりのある様子」の意味で使われています。
一方、「ロンドンで結成された30年後に第二インターナショナルがパリで結成された」「インターナショナルは第四まで認知されているようだ」などの文中で使われているインターナショナルは、「国際的な労働者組織」の意味で使われています。
インターナショナルは英語で「international」と表記され、「国際の」「国際間の」「万国の」といった意味を持ち、日本語でも同じように使われています。
「インターナショナルスクール」の意味
上記例文の「インターナショナルスクール」とは、日本在住の児童の中でも英語を母国語とする児童が教育を受けるための施設を指す言葉ですが、英語力や国際的な感覚を身に付けるために日本人の生徒が通っている施設も存在します。
また、労働運動や社会主義運動を行う労働者組織を指す言葉としても使われており、1864年に第一インターナショナルと呼ばれる組織がロンドンで結成されました。1919年にモスクワ結成された第三インターナショナルは「コミンテルン」と呼ばれています。
インターナショナルの対義語
インターナショナルの対義語・反対語としては、個人的で公のものではない様子を意味する「プライベート」があります。
インターナショナルの類語
インターナショナルの類語・類義語としては、国家間に関係がある様子を意味する「国際的」、世界中に及んでいる様子を意味する「ワールドワイド」などがあります。
グローバルの例文
この言葉がよく使われる場面としては、世界的な規模である様子を意味する時などが挙げられます。
例文1の「グローバルスマートフォン」は海外版のスマートフォンと呼ばれているスマートフォンで、「グローバル版」「海外版」とも呼ばれています。
インターナショナルの例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事が多くの国と関係がある様子を意味する時などが挙げられます。
例文4と例文5のインターナショナルは、国際的な労働者組織を表す言葉として使われています。
グローバルとインターナショナルは、どちらも「世界的な規模」を表します。どちらを使うか迷った場合は、国という境界を意識しない場合は「グローバル」を、国という境界を意識する場合は「インターナショナル」を使うと覚えておけば間違いありません。