似た意味を持つ「更新」(読み方:こうしん)と「変更」(読み方:へんこう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「更新」と「変更」という言葉は、どちらも以前と違った状態や内容にすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
更新と変更の違い
更新と変更の意味の違い
更新と変更の違いを分かりやすく言うと、更新とは新しくする意味合いが強く、変更とは変えるという意味合いが強いという違いです。
更新と変更の使い方の違い
一つ目の更新を使った分かりやすい例としては、「そろそろ運転免許の更新しなくては」「更新事務手数料の支払いが必要です」「機械設備の更新投資を検討する」「最新の更新プログラムを入手する」「クレジットカードを更新する」などがあります。
二つ目の変更を使った分かりやすい例としては、「オフィスのレイアウト変更を検討する」「登録情報を変更する」「ジェネリック医薬品へ変更調剤する」「委託変更契約書を作成する」「予定変更を余儀なくされた」「車の名義変更に必要な書類を取り寄せる」などがあります。
クレジットカードの更新と変更の違い
更新と変更という言葉は、物事を以前と違った状態や内容にすることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
更新とは、新しく改めることを意味します。上記の例文の「クレジットカードを更新する」とは、クレジットカードの有効期限が来た時に、同じクレジットカード会社から新しいカードが届き、カードは新しくなったものの同じクレジットカード会社を継続して利用することを表します。
変更とは、物事を変えることを意味します。「クレジットカードを変更する」とは、それまで使っていたクレジットカードではない、別のクレジットカード会社と契約することや、別のクレジットカードを使用することを表します。
つまり、更新とは新しくすることに重きをおいた表現であり、変更とは変えることに重きを置いた表現なのです。
更新と変更の英語表記の違い
更新を英語にすると「renewal」「update」「innovation」となり、例えば上記の「運転免許の更新」を英語にすると「renewal of a driver’s license」となります。
一方、変更を英語にすると「change」「modification」「alteration」となり、例えば上記の「レイアウト変更」を英語にすると「layout changes」となります。
更新の意味
更新とは
更新とは、新しく改めることを意味しています。
その他にも、ある契約の期間が満了した時その契約をさらに継続させることの意味も持っています。
表現方法は「更新する」「更新される」「更新ができない」
「更新する」「更新される」「更新ができない」などが、更新を使った一般的な言い回しです。
更新の使い方
「大会記録を更新する圧巻の走りでした」「天然更新で樹木を育成させる」「OSの更新プログラムをインストールした」「更新プログラムを構成しています」などの文中で使われている更新は、「新しく改めること」の意味で使われています。
一方、「更新料が家賃の2ヶ月分という物件だ」「更新料の勘定科目は何になりますか」「雇用契約を更新してもらえた」「契約更新で更新ありがとうポイントがもらえる」などの文中で使われている更新は、「契約をさらに継続させること」の意味で使われています。
更新とは、「新しく改めること、新しく変えること」が原義となる言葉です。昨今はコンピュータ用語として、データの内容や表示内容などを最新の状態にすることを表すことが多くあります。また、契約用語として、契約期間が満了したときに、その法律関係を更に継続することを意味します。
「天然更新」の意味
上記の例文にある「天然更新」とは、天然の力を利用して仕立てる造林法を意味します。自然に落下した種子から稚樹を発生させ林の更新をはかる「天然下種更新」と、切り株や地下茎などから萌芽や伏条を発生させる「萌芽更新」とに大別されます。
「法定更新」の意味
更新という言葉を用いた日本語には「法定更新」があります。借地や借家の契約において、貸し主の正当な事由がない限り契約の更新を拒絶できず、自動的に契約が更新されるという借地借家法の規定を意味します。
更新の対義語
更新の対義語・反対語としては、物事が完全に終わることを意味する「完了」、物事がすっかり終わることを意味する「終了」、再びもとの場所や状態に戻ることを意味する「逆戻り」などがあります。
更新の類語
更新の類語・類義語としては、古いきまりやしきたりなどを新しいものに変えることを意味する「更改」、すっかり新しくすることを意味する「一新」、弊害を除き去って全く新しいものにすることを意味する「刷新」、書き改めることを意味する「書替え」などがあります。
変更の意味
変更とは
変更とは、決められた物事などを変えることを意味しています。
表現方法は「変更する」「変更される」「変更された」
「変更する」「変更される」「変更された」などが、変更を使った一般的な言い回しです。
変更の使い方
変更を使った分かりやすい例としては、「スマホの機種変更を考えている」「2020年の変更調剤ルールをまとめました」「決済情報を変更する」「変更管理に関する手順書を作成する」「変更契約書に貼る印紙はいくらですか」などがあります。
その他にも、「ワード文書の変更履歴を削除したい」「プロファイルの設定を変更する」「アカウント名を変更したい」「変更を元に戻しています」「投書の計画を変更する」「変更管理フローを示した資料です」などがあります。
変更という言葉の「変」は従来とは別の状態になることを表し、「更」は新しいものと入れかわることを表します。変更とは、変え改めることや、決められた物事などを変えることを意味する言葉です。
「日付変更線」の意味
変更という言葉を用いた日本語には「日付変更線」があります。日付を調整するため、ほぼ180度の経線に沿って太平洋の中央に引かれた仮想の線のことです。これを西から東に越えるときは日付を1日遅らせ、東から西に越えるときは日付を1日進ます。
変更の対義語
変更の対義語・反対語としては、物事の状態をそのまま保ちつづけることを意味する「維持」、前から行っていることをそのまま続けることを意味する「継続」などがあります。
変更の類語
変更の類語・類義語としては、法律や制度など以前のものを改めて新しく定めることを意味する「改定」、不適当なところや不備な点を改めることを意味する「改正」、入れ変わることや変えることを意味する「変換」、不十分や不適当なところを改め直すことを意味する「修正」などがあります。
更新の例文
この言葉がよく使われる場面としては、新しく変えること、存続期間を定めている契約で期間が満了したときに、その法律関係を更に継続することを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文3にある更新は、新しく変えることの意味で使われています。これらの例文のように、更新という言葉は、コンピュータ関連のデータやバージョンを最新の状態にする時に用いられることが多くなっています。
例文4や例文5の更新は、契約の期間が満了した時に更に継続させることを意味します。例文4の「更新料」とは、更新契約を締結する際に、契約当事者の一方から契約の相手方に対して支払われる一時金のことです。
変更の例文
この言葉がよく使われる場面としては、変え改めること、変わり改まることを表現したい時などが挙げられます。
例文1にある「機種変更」とは、電話番号はそのままで携帯電話機やスマートフォンを新しい機種に変更することです。「機種変」と省略されることが多くあります。例文5にある変更契約書とは、一度締結した契約書の内容の全部または一部を変更する合意書のことです。
更新と変更という言葉は、どちら物事の状態や内容が以前と違うことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、新しくすることを表現したい時は「更新」を、変えることを表現したい時は「変更」を使うようにしましょう。