似た意味を持つ「至極」(読み方:しごく)と「すごく」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「至極」と「すごく」という言葉は、どちらも程度が甚だしいことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「至極」と「すごく」の違い
「至極」と「すごく」の意味の違い
「至極」と「すごく」の違いを分かりやすく言うと、「至極」の方が「すごく」よりも程度が上という違いです。
「至極」と「すごく」の使い方の違い
一つ目の「至極」を使った分かりやすい例としては、「彼の意見は至極もっともです」「彼の作る料理は至極一品です」「彼女と結婚することができて至極幸せです」「迷惑至極な時間に電話がかかってくる」などがあります。
二つ目の「すごく」を使った分かりやすい例としては、「彼女は絵がすごく上手い」「彼の行動にすごく恐怖を感じた」「志望校に合格したのですごく嬉しい」「今日はすごく暑いので半袖にしよう」「今夜はすごく暑いです」などがあります。
「至極」と「すごく」の使い分け方
「至極」と「すごく」はどちらも程度が甚だしいことという似た意味を持つ言葉ですが、「至極」の方が「すごく」よりもその程度が上になっているというのが一番の違いになります。
「至極」は最上や最高というニュアンスで使いますが、「すごく」にはそういうニュアンスがないと覚えておけば覚えやすいでしょう。
「至極」と「すごく」の英語表記の違い
「至極」を英語にすると「extremely」「very」となり、例えば上記の「迷惑至極」を英語にすると「It is extremely annoying」となります。
一方、「すごく」を英語にすると「very」「really」「bitterly」「so」となり、例えば上記の「今夜はすごく暑いです」を英語にすると「It’s bitterly hot tonight」となります。
「至極」の意味
「至極」とは
「至極」とは、この上ないことを意味しています。
「至極」の使い方
「至極」を使った分かりやすい例としては、「お褒めに預かり恐悦至極でございます」「彼女の作る料理は至極おいしい」「私は人として至極当たり前のことをしただけです」「お褒め頂き至極光栄です」「優秀な彼が選ばれたのは至極当然だろう」などがあります。
「至極」はこの上ないことを意味する言葉ですが、名詞だけではなく副詞、接尾語としても使うことができます。
「至極の極み」は誤り
「至極」を使った間違った表現方法として「至極の極み」があります。「至極」と「極み」が同じ意味をしており、おかしな重複表現なので間違った使い方です。
四字熟語「恐悦至極」「至極当然」「残念至極」の意味
「至極」を使った四字熟語は多数存在しており、恐れ慎みながらも大喜びすることを意味する「恐悦至極」(読み方:きょうえつしごく)、どう考えても当たり前であることを意味する「至極当然」、非常に悔しくてたまらないことを意味する「残念至極」などがあります。
表現方法は「至極幸せ」「至極真っ当」「至極もっとも」
「至極幸せ」「至極真っ当」「至極もっとも」などが、「至極」を使った一般的な言い回しになります。
「至極」の類語
「至極」の類語・類義語としては、程度が甚だしいことを意味する「千万」(読み方:せんばん)、物事の程度の限界のことを意味する「極度」、比べてみて程度が他のどれよりも勝ることを意味する「最も」、程度や分量が甚だしいことを意味する「大層」などがあります。
「すごく」の意味
「すごく」とは
「すごく」とは、程度が甚だしいことを意味しています。
「すごく」の使い方
「すごく」を使った分かりやすい例としては、「彼女の作る料理はすごく美味しい」「彼はすごく若いです」「このお店の電化製品はすごく安い」「今日入ってきたアルバイトの子がすごく可愛い」「彼氏が全く連絡してこないのですごく寂しい」などがあります。
その他にも、「彼と二人きりはすごく気まずい」「昨日観たドラマはすごく面白かった」「彼女と一緒にいるとすごく安心する」「このお店は接客がすごく丁寧ななので何度も通ってしまう」などがあります。
「すごく」は程度が甚だしいことを意味しており、普通ではない場合に使う言葉になります。また、「すごく」は前後に使う言葉によってプラスのイメージでもマイナスのイメージでも使える言葉です。
例えば「彼が作る料理はすごく美味しい」とするとプラスのイメージになりますが、「彼が作る料理はすごく不味い」とするとマイナスのイメージを持つ言葉になります。
「すごく」の漢字表記
「すごく」を漢字にすると「凄く」と表記することができます。
「すごく」の類語
「すごく」の類語・類義語としては、並の程度でないことを意味する「非常に」、非常に甚だしいことを意味する「大いに」、物事が重大であること意味する「大変」、並みが外れていることを意味する「並外れ」などがあります。
「至極」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、この上ないことを表現したい時などが挙げられます。
例文5で使われている「迷惑至極」とは、この上なく迷惑なことを意味しています。
「すごく」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、程度が甚だしいことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文様に様々な場面で使うことができます。
「至極」と「すごく」という言葉は、どちらも程度が甚だしいことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「至極」の方が「すごく」よりも程度が上になっている場合に使うと覚えておきましょう。