【八百長】と【出来レース】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「八百長」(読み方:やおちょう)と「出来レース」(読み方:できれーす)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「八百長」と「出来レース」という言葉は、どちらも勝負事で前もって勝敗を打ち合わせておいて上辺だけ真剣に勝負することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「八百長」と「出来レース」の違い

「八百長」と「出来レース」の意味の違い

「八百長」と「出来レース」の違いを分かりやすく言うと、「八百長」とは賭博が絡んでいる、「出来レース」とは賭博が絡んでいないという違いです。

「八百長」と「出来レース」の使い方の違い

一つ目の「八百長」を使った分かりやすい例としては、「八百長がバレて会長が辞任しました」「八百長疑惑がが原因で日本代表監督を解任されました」「八百長は決して行っていないと誓います」などがあります。

二つ目の「出来レース」を使った分かりやすい例としては、「今回行われるオーディションは出来レースとも言われている」「この大会は出来レースと言われているので出場する意味がありません」「今日の試合はとんだ出来レースだった」などがあります。

「八百長」と「出来レース」の使い分け方

「八百長」と「出来レース」は、どちらも勝負事で前もって勝敗を打ち合わせておいて上辺だけ真剣に勝負することを意味していますが、使い方に少し違いがあります。

「八百長」は賭博行為が絡んでおり利益が発生するのに対して、「出来レース」は賭博行為が絡んでおらず、必ずしも利益が発生するわけではありません。また、「出来レース」は人間関係を大事にした行動故に行われるとも言われています。

また、「八百長」は当事者同士の申し合わせで行われるのに対して、「出来レース」は主催者側の意志で行われているというのも違いの一つです。

「八百長」と「出来レース」の英語表記の違い

「八百長」を英語にすると「rigged」「fixed」となり、例えば上記の「今日の野球の試合は八百長だと思っています」を英語にすると「I think today’s baseball game was rigged」となります。

一方、「出来レース」を英語にすると「fixed」「farce」「setup」となり、例えば上記の「今日の試合はとんだ出来レースだった」を英語にすると「Today’s game was an awful farce」となります。

「八百長」の意味

「八百長」とは

「八百長」とは、勝負事で前もって勝敗を打ち合わせておいて上辺だけ真剣に勝負することを意味しています。

表現方法は「八百長事件」「八百長試合」「八百長力士」

「八百長事件」「八百長試合」「八百長力士」などが、「八百長」を使った一般的な言い回しになります。

「八百長」の使い方

「八百長」を使った分かりやすい例としては、「スポーツ選手は八百長をしてはいけません」「八百長疑惑の操作が始まりました」「昨日行われた試合には八百長の噂があります」「八百長であることを認めて会長を辞任しました」などがあります。

「八百長」は勝負事で前もって勝敗を打ち合わせておいて上辺だけ真剣に勝負することを意味しており、主に利益が発生する場合に使います。そのため、刑事罰に繋がることもあります。

「八百長」の由来

「八百長」の由来は、明治時代の八百屋の店主の長兵衛(読み方:ちょうべえ)です。八百屋の長兵衛は通称を八百長(読み方:やおちょう)といい、大相撲の伊勢ノ海(読み方:いせのうみ)と囲碁仲間でした。

囲碁の実力は長兵衛が優っていたが、わざと負けたりして伊勢ノ海の機嫌をとっていたました。しかし、その後、囲碁のプロである本因坊秀元(読み方:ほんいんぼうしゅうげん)と互角の勝負をしたため、周囲に長兵衛の本当の実力が知れ渡ります。

このことが転じて、真剣に争っているようにみせながら、事前に示し合わせた通りに勝負をつけることを八百長と呼ぶようになりました。

「八百長」の類語

「八百長」の類語・類義語としては、示し合わせてぐるになることを意味する「結託」(読み方:けったく)、味方の中にいてこっそり敵に通じること意味する「内通」などがあります。

「出来レース」の意味

「出来レース」とは

「出来レース」とは、始める前から結果が分かっている勝負や競争のことを意味しています。

「出来レース」の使い方

「出来レース」を使った分かりやすい例としては、「今回の大賞受賞に関しては出来レースの疑いが出ている」「これは出来レースに違いありません」「今回のコンペディションが出来レースだった可能性を主張しています」などがあります。

「出来レース」の語源

「出来レース」の語源は「出来合いのレース」が省略されたものになります。「出来合いのレース」とはやる前からすでに勝敗が決まっていることを意味しています。

「出来レース」はスポーツ・政治・オーディションなどで使われる

「出来レース」はスポーツの試合だけではなく、政治、オーディション、賞の授賞式などの選考に対しても使うことが可能で、最初から結果が決まっているものの、周囲に公平と思わせるためのパフォーマンスに過ぎません。

「出来レース」の類語

「出来レース」の類語・類義語としては、複数の競争者があらかじめ入札価格や落札者などを話し合って決めることを意味する「談合」、ある目的を達するために前もって他に働きかけることを意味する「工作する」などがあります。

「八百長」の例文

1.昨日行われた世界大会の1回戦で、八百長があった疑いがあるとして、捜査が開始されました。
2.八百長が発覚したため、八百長に関わった選手をこの界隈から永久追放しました。
3.個人スポーツは団体スポーツよりも八百長がしやすいと言われています。
4.八百長に関わった選手が、違法賭博の容疑逮捕されることになりました。
5.昨日行われた試合が八百長だったことを関係者が暴露したことにより、ネット上で大炎上しています。
6.八百長がバレて選手生命を絶たれた彼は後に、勝てない自分が家族を養い生きていく為には八百長で稼ぐしか無かったと話している。
7.メディアで報じられていた八百長疑惑について選手たちは沈黙を守っていたが、ある選手が匿名での取材ならとワイドショーのインタビューでその全容を語っていた。
8.試合はいつも同じチームしか勝たない状況だったので、八百長をしかけることも考えたが、それでは観ている人たちを裏切ることになると思いとどまった。
9.党内派閥の争いは引っ込みがつかなくなってしまっていたので、そのトップらが八百長芝居のごとく罵りあいをすることで、派閥としての体裁を保とうとしていた。
10.男はチームの有力な選手であったが、暴力団組織の仲介役から試合での八百長を依頼されていたことがわかり、野球賭博の疑いで球界から追放されてしまった。

この言葉がよく使われる場面としては、勝負事で前もって勝敗を打ち合わせておいて上辺だけ真剣に勝負することを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように「八百長」はマイナスなイメージで使う言葉になります。

「出来レース」の例文

1.このオーディションは出来レースではなかったのかと、世間から批判を浴びている。
2.政界は芸能界は出来レースが蔓延っていると、私は思っています。
3.今年の授賞式が出来レースではなかったのかと、各地で話題になっています。
4.主演女優を決める公開オーディションがあまりにも出来レース過ぎて、一生懸命演じている子が可哀想でした。
5.彼が出世しているのは親が支援金を支払ってるかららしい。この会社の出来レースにはうんざりだ。
6.次期社長を立候補で決めようなど出来レースもいいところだ。現社長に取り入っている鈴木部長が次の社長だと誰もが知っている。
7.皆が皆出来レースをしたくなるのは、不確定要素を排除したいとか、すべてを丸く収めたいという人間のこころの弱さに起因するものだと思うのだ。
8.子息をそのまま受からせるのは体裁が悪いとする会社側が、わざわざ合格前提の就職面接を行い出来レースを行っていたというのだからあきれてしまった。
9.わたしとしては有力な新人とのガチンコの戦いをしてみたかったのに、保守的な上層部が出来レースにしてしまったものだから非常に残念であった。
10.ドラマのオーディションでは大手事務所に忖度して出来レースの様相を帯びており、ものの見事に大手事務所のタレントしか受からないようになっていた。

この言葉がよく使われる場面としては、始める前から結果が分かっている勝負や競争のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように「出来レース」はマイナスなイメージで使う言葉になります。

「八百長」と「出来レース」という言葉は、どちらも勝負事で前もって勝敗を打ち合わせておいて上辺だけ真剣に勝負することを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、賭博が絡んでいる時は「八百長」を、賭博が絡んでいない時には「出来レース」を使うようにしましょう。

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