似た意味を持つ「堂々巡り」(読み方:どうどうめぐり)と「いたちごっこ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「堂々巡り」と「いたちごっこ」という言葉は、どちらも繰り返して決着がつかないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「堂々巡り」と「いたちごっこ」の違い
「堂々巡り」と「いたちごっこ」の意味の違い
「堂々巡り」と「いたちごっこ」の違いを分かりやすく言うと、「堂々巡り」とは一人でも使える言葉、「いたちごっこ」とは複数人いないと使えない言葉という違いです。
「堂々巡り」と「いたちごっこ」の使い方の違い
一つ目の「堂々巡り」を使った分かりやすい例としては、「議論が堂々巡りする」「一人で考えていても堂々巡りになることは分かっている」「堂々巡りの議論にうんざりしてしまいました」「考えや議論が堂々巡りする」などがあります。
二つ目の「いたちごっこ」を使った分かりやすい例としては、「いたちごっこの愚かしい議論が行われている」「警察と犯罪者はいたちごっこを繰り返している」「いい加減いたちごっこをするのは辞めよう」「彼らは永遠にいたちごっこを続けている」などがあります。
「堂々巡り」と「いたちごっこ」の使い分け方
「堂々巡り」と「いたちごっこ」はどちらも繰り返して決着がつかないことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあります。
「堂々巡り」は複数だけでなく一人の場合でも使うことができる、「いたちごっこ」は複数人の場合にしか使えないというのが一番の違いです。
例えば「堂々巡り」は「議論が堂々巡りする」「堂々巡りの議論にうんざりしてしまいました」のように複数人で使う場合もあれば、「一人で考えていても堂々巡りになることは分かっている」のように一人の場合でも使うことができます。
一方、「いたちごっこ」は「いたちごっこの愚かしい議論が行われている」「警察と犯罪者はいたちごっこを繰り返している」のように複数の人がいないと使うことができません。
また、「堂々巡り」と「いたちごっこ」は語源が違うというのも違いの一つになります。
「堂々巡り」と「いたちごっこ」の英語表記の違い
「堂々巡り」を英語にすると「going round in circles」「being lost」となり、例えば上記の「考えや議論が堂々巡りする」を英語にすると「Of a thought or a discussion, to go around in circles」となります。
一方、「いたちごっこ」を英語にすると「a cat and mouse game」となり、例えば上記の「彼らは永遠にいたちごっこを続けている」を英語にすると「They are forever in a cat and mouse game」となります。
「堂々巡り」の意味
「堂々巡り」とは
「堂々巡り」とは、同じようなことが何度も繰り返されて進行しないことを意味しています。その他にも、祈願のために仏堂などの周りをぐるぐるまわることや国会で投票によって議決するとき議員が順次投票することの意味も持っています。
表現方法は「堂々巡りを繰り返す」「堂々巡りに陥る」
「堂々巡りを繰り返す」「堂々巡りに陥る」などが、「堂々巡り」を使った一般的な言い回しになります。
「堂々巡り」の使い方
「堂々巡り」を使った分かりやすい例としては、「ここで議論しても堂々巡りになってしまう」「堂々巡りする思考に嫌気がさしてきました」「いつまでも堂々巡りの会議をしている場合ではない」「一人で悶々と堂々巡りすることに疲れてしまった」などがあります。
「堂々巡り」は複数の意味を持つ言葉ですが一般的に使われているのは、同じようなことが何度も繰り返されて進行しないことの意味になります。
「堂々巡り」の由来
「堂々巡り」の由来は、祈願のために仏堂などの周りをぐるぐるまわることの意味が転じたことです。「堂々巡り」とは元々信徒や僧侶が願い事を叶えるために、神社や寺のお堂の周りを何度も回る儀式のことを指していました。
これが転じて、同じことを繰り返し続けることを「堂々巡り」と言うようになりました。
「堂々巡り」は「堂々回り」の漢字表記も可能
「堂々巡り」は「堂々回り」と別の漢字で表記することも可能です。
「堂々巡り」の類語
「堂々巡り」の類語・類義語としては、物事が先へ進まなくなることを意味する「行き詰まり」、ある状態が固定してほとんど動きがなくなることを意味する「膠着」(読み方:こうちゃく)、物事が順調に進まないことを意味する「停滞」などがあります。
「いたちごっこ」の意味
「いたちごっこ」とは
「いたちごっこ」とは、互いに同じようなことをいつまでも繰り返すだけで決着がつかないことを意味しています。その他にも、子供の遊びのことの意味も持っています。
「いたちごっこ」の使い方
「いたちごっこ」を使った分かりやすい例としては、「生活指導の先生と不良の生徒はいたちごっこだ」「いたちごっこを辞めて折れることにしました」「弟との言い争いはいたちごっこで決着がつきません」などがあります。
「いたちごっこ」は複数の意味を持つ言葉ですが、一般的に使われているのは物事が先へ進まなくなることの意味になります。
「いたちごっこ」の由来
「いたちごっこ」の由来は子供の手遊びです。「いたちごっこ」は二人が「いたちごっこ、ねずみごっこ」と唱えながら、互いに相手の手の甲をつねって自分の手をその上にのせ、それを交互に繰り返す遊びのことを指しています。
この遊びはきりがなく終わりがないので、これが転じて、互いに同じようなことをいつまでも繰り返すだけで決着がつかないことの意味で使われるようになりました。
また、「いたちごっこ」はどちらこと言うと、マイナスなイメージで使われることが多い言葉です。
「いたちごっこ」の漢字表記
「いたちごっこ」を漢字にすると「鼬ごっこ」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、平仮名で「いたちごっこ」とするのが無難でしょう。
「いたちごっこ」の類語
「いたちごっこ」の類語・類義語としては、両者が互いに自説にこだわっていつまでも争うことを意味する「水掛け論」、互いに自分の見解を主張してあとに引かず言い争うことを意味する「押し問答」などがあります。
「堂々巡り」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、同じようなことが何度も繰り返されて進行しないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、祈願のために仏堂などの周りをぐるぐるまわることや国会で投票によって議決するとき議員が順次投票することを表現したい時にも使います。
上記の例文の「堂々巡り」は、同じようなことが何度も繰り返されて進行しないことの意味で使っています。
「いたちごっこ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、互いに同じようなことをいつまでも繰り返すだけで決着がつかないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、子供の遊びのことを意味しています。
上記の例文の「いたちごっこ」は、互いに同じようなことをいつまでも繰り返すだけで決着がつかないことの意味で使っています。
「堂々巡り」と「いたちごっこは」はどちらも繰り返して決着がつかないことを意味しています。どちらの言葉を使うか迷った場合は、一人でも使えるのが「堂々巡り」、複数人いないければ使えないのが「いたちごっこ」と覚えておきましょう。