【休職】と【休業】と【休暇】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「休職」(読み方:きゅうしょく)と「休業」(読み方:きゅうぎょう)と「休暇」(読み方:きゅうか)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「休職」と「休業」と「休暇」という言葉は、休むことという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




休職と休業と休暇の違い

休職と休業と休暇の意味の違い

休職と休業と休暇の違いを分かりやすく言うと、休職は会社が休ませる権利を表現する時に使い、休業は長期的な休みを表現する時に使い、休暇は短期的な休みを表現する時に使うという違いです。

休職と休業と休暇の使い方の違い

休職という言葉は、「休職する学校教員の数は著しく増加した」「休職診断書を同期が提出したと耳にした」などの使い方で、身分を保証されたまま一定期間職務を休むことを意味します。

休業という言葉は、「しばらく休業するという張り紙がされていた」「休業手当の申請を行わなければならない」などの使い方で、営業や業務などを休むことを意味します。

休暇という言葉は、「ゴールデンウイークは貴重な休暇だが仕事に戻りたくなくなる」「休暇には給料が発生するものとしないものがある」などの使い方で、会社や官庁、学校などで認められた休日以外の休みを意味します。

休職と休業と休暇の使い分け方

休暇と休業は、どちらも労働者の申請で休むことができる権利ですが、前者は半日や1日から取得が出来る短い期間の休みを指し、後者は連続した長い期間の休みを指します。

一方の休職は、一定の期間就労を禁止することで、会社が持っている労働者を休ませる権利を指します。

これが、休職、休業、休暇の明確な違いです。

休職の意味

休職とは

休職とは、身分を保証されたまま一定期間職務を休むことを意味しています。

表現方法は「休職する」「休職を繰り返す」「休職を認めない」

「休職する」「休職を繰り返す」「休職を認めない」などが、休職を使った一般的な言い回しです。

休職を使った言葉として、「待命休職」「病気休職」があります。

「待命休職」の意味

一つ目の「待命休職」とは、公務員の人員整理の一手段として、退職を前提に一定の待命期間を設けて、給与を支給しながら休職させることを指す言葉です。

育児や介護のための休職もありますが、待命休職は会社経営における都合で命じることができる休職です。

「病気休職」の意味

二つ目の「病気休職」とは、病気の治療を行うために取る休暇を指し、「傷病休職」とも言われます。定められた期間内に復職することを条件に、長期の欠勤を認める制度が存在しますが、万が一、回復しなかった場合は自然退職や解雇となります。

また、この休職が危害を加えられたわけではなく、本人の都合によるものであれば、賃金が支払われることは少なく、健康保険で手当を受給するなどの方法を取る必要があります。

休職の対義語

休職の対義語・反対語としては、一度離れた職に再び戻ることを意味する「復職」があります。

休職の類語

休職の類語・類義語としては、今まで就いていた職を失うことを意味する「失職」、職員としての身分を保有させながら、一定期間職務に就かせないことを意味する「停職」、今まで就いていた重要な地位から身に引くことを意味する「退陣」などがあります。

休業の意味

休業とは

休業とは、営業や業務などを休むことを意味しています。

表現方法は「休業を余儀なくされる」「休業を要請する」「休業のお知らせ」

「休業を余儀なくされる」「休業を要請する」「休業のお知らせ」などが、休業を使った一般的な言い回しです。

休業を使った言葉として、「休業手当」「休業損害」があります。

「休業手当」の意味

一つ目の「休業手当」とは、企業の責任で労働者を休ませた時に、その労働者に対して支給する手当を指す言葉で、「休業補償」などとも言い換えることができます。

土日祝日など元々労働義務がない日や、感染症などによって労働能力がない場合には休業手当が支給されることはありません。

「休業損害」の意味

二つ目の「休業損害」とは、交通事故の被害者としてケガをした時、働くことができないために収入が減少してしまう場合に支払われる金銭を指す言葉です。

休業損害を請求して受け取ることができる金額は、実際の収入を基準とする計算方法や、性別ごとの平均年収から割り出す計算方法などで決まります。

休業の対義語

休業の対義語・反対語としては、利益を得る目的で継続的に事業を営むことを意味する「営業」があります。

休業の類語

休業の類語・類義語としては、商店や会社などで日を決めて業務を休むことを意味する「定休」、病気や疲労の回復などのために心身をゆったりと休めることを意味する「静養」、業務や授業などを休む日を意味する「休日」などがあります。

休暇の意味

休暇とは

休暇とは、会社や官庁、学校などで認められた休日以外の休みを意味しています。

表現方法は「休暇を取る」「休暇を与える」「休暇を取らせていただきます」

「休暇を取る」「休暇を与える」「休暇を取らせていただきます」などが、休暇を使った一般的な言い回しです。

休暇を使った言葉として、「休暇村」「有給休暇」があります。

「休暇村」の意味

一つ目の「休暇村」とは、国民が安い費用で心身を休ませることができるような宿泊設備を持つレクリエーション施設を指し、国立公園や国定公園の敷地内に存在しています。

全国に37施設運営されており、スキーやテニスといったスポーツ、合宿や研修などに使われています。

「有給休暇」の意味

二つ目の「有給休暇」とは、労働者が人間らしく生きるため、休日以外に休暇を取得した日を指し、その日は働いたのと同じように給料が発生します。「年次有給休暇」とも呼ばれており、労働基準法によって付与日数などの規定がなされています。

休暇の対義語

休暇の対義語・反対語としては、会社などにつとめて仕事をすることを意味する「勤務」、賃金を貰って一定の仕事に従事することを意味する「勤労」、仕事につくことを意味する「就労」があります。

休暇の類語

休暇の類語・類義語としては、余った暇な時間を意味する「余暇」、仕事などを休んで気力や体力を養うことを意味する「休養」、旅行などのための比較的長い休暇を意味する「バカンス」などがあります。

休職の例文

1.事故に遭って傷病休職制度を使わせて貰っていたが、復職した後の仕事がてんで分からなくなっている。
2.休職期間として与えられていた期間を超えても後輩はなかなか出勤してこなかった。
3.休職したまま留学ができることはほとんどないが、そういった事例があるのは事実だ。
4.待命休職を言い渡された男は、新しい仕事を探すことになったが、これといって取り柄がなかったので職探しは難航していた。
5.会社には休職期間満了しても休職事由が消滅していない場合は、休職期間満了をもって退職するという規定があった。
6.事件を起こした男の会社に事情を聞くと男の勤務態度は悪く、休職と復職を繰り返していたので、社内でも問題になっていたようだった。
7.新しい仕事は楽しかったが、無理がたたって体を壊してしまったので、上司と相談の上やむなく休職することになった。
8.病気休職をしていた同僚は病気が思うように回復しないまま自然退職となってしまったため、会うことがなくなってしまった。

この言葉がよく使われる場面としては、一定の期間職務を休むことを意味する時などが挙げられます。

休業や休暇とは違って、企業側が労働者に対して与えるものであるため、置き換えて使うことには適していません。

休業の例文

1.かれこれ4月頃から休業をせざるを得ない状況に見舞われており、再度開店できたとしても残った傷跡が深すぎる。
2.国からの休業要請で多くの飲食店に加え、大型の商業施設も一時休業を決め、いよいよ買い物をする場所がなくなってきた。
3.一部の店舗が臨時休業となったことを受け、旅行先の候補に挙げていた箇所の再検討が必要となった。
4.ちかくの家電量販店が改装休業中だったので、半年後リニューアルオープンセールを見越して、今年こそ4Kテレビを買おうと画策しているところだ。
5.飲食業界の団体の代表らは、これ以上政府の休業を要請に応じていたら経営が成り立たないとして善処を求めていたが、状況は一向に改善されなかった。
6.友人は運の悪い男で、急いでいるときに限って鉄道が運転見合わせだったり、足を運んだお店が臨時休業だったりするのだ。
7.脱サラしてフリーランスになったはいいが、仕事が来ることはなく開店休業状態だったので、なんらかの営業活動をしなくてはならなくなった。
8.人気俳優の女性は闘病に専念するためにタレント活動を休業することになったが、ファンの人々からたくさんのエールが送られていた。

この言葉がよく使われる場面としては、営業や業務などを休むことを意味する時などが挙げられます。

基本的には1日だけの休みではなく、連続した何日かが休みとなるため、休暇という言葉に置き換えて使うことは適していません。

休暇の例文

1.次の長期休暇はどこに旅行に行くのかという計画を立てている時から楽しくてたまらない。
2.女性ばかりが育児休暇を取っている世の中ではあるが、男性でも取得しやすくなるようにする企業も増えてきた。
3.半日休暇を取得して金曜から日曜にかけて帰省をすることにしたため、急いで仕事を片付けた。
4.当初、アメリカ人の上司から君には長い休暇を取ってもらうといわれたことの意味が分からなかったが、ようするにわたしはクビになったのだ。
5.来月はゴールデンウイークに休暇をとる予定なので、ひさびさに子供たちと一緒にディズニーランドにでも行こうかという話になっている。
6.しばらく休暇を取ると言っていた同僚は休暇になる前にやっておかなくてはならないことがたくさんあったので、いつもよりも忙しく働いていた。
7.夫はわたしのために育児休暇を取ると言ってくれたのだが、その前に赤ん坊の世話を一通り教えなくてはならなくなったのでとても大変だった。
8.小学校の夏休みが始まると同時に1週間の休暇をもらうことができたと父が家族に報告したので、子ども達はうれしくてたまらない様子ではしゃいでいた。

この言葉がよく使われる場面としては、認められた休日以外の休みを意味する時などが挙げられます。

例文2の「育児休暇」とは、1歳に満たない子どもを育てる労働者が取得することができる休暇制度です。「育児休業」もほとんど同じではありますが、こちらは法律で様々な権利が認められています。

休職と休業と休暇どれを使うか迷った場合は、会社が休ませる権利を表す場合は「休職」を、長期的な休みを表す場合は「休業」を、短期的な休みを表す場合は「休暇」を使うと覚えておけば間違いありません。

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