似た意味を持つ「あながち」と「必ずしも」(読み方:必ずしも)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「あながち」と「必ずしも」という言葉は、どちらも婉曲的に否定または肯定することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「あながち」と「必ずしも」の違い
「あながち」と「必ずしも」の意味の違い
「あながち」と「必ずしも」の違いを分かりやすく言うと、「あながち」とは強く否定する場合には使えない、「必ずしも」とは強く否定する場合でも使えるという違いです。
「あながち」と「必ずしも」の使い方の違い
一つ目の「あながち」を使った分かりやすい例としては、「彼の言ってることはあながち嘘とは言い切れません」「彼女が言っていたことはあながち冗談ではなかった」「今までの努力はあながち無駄ではなかった」「彼女の論理には難点もあるがあながち間違いとは言えない」などがあります。
二つ目の「必ずしも」を使った分かりやすい例としては、「必ずしもそうとは言えません」「金持ちが必ずしも幸せとは限りません」「必ずしも有名なお店が高いというわけではない」などがあります。
「あながち」と「必ずしも」の使い分け方
「あながち」と「必ずしも」は同じ意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「彼はあながち嘘はついていない」「彼は必ずしも嘘はついていない」のように婉曲的に否定または肯定する場合は、「あながち」と「必ずしも」はお互いに置き換えることができます。
一方、お金持ちだからと言って必ずしも幸せではない」のように、断定できないとして強く否定する場合は「必ずしも」しか使えません。
これが「あながち」と「必ずしも」の違いになります。強く否定する場合には使えないのが「あながち」、強く否定する場合でも使えるのが「必ずしも」と覚えておきましょう。
上記に出てきた婉曲的とは、言いまわしが穏やかでかど立たないことを意味しています。
「あながち」と「必ずしも」の英語表記の違い
「あながち」も「必ずしも」も英語にすると「necessarily」「always」「altogether」「wholly」「exactly」となり、例えば上記の「彼女の論理には難点もあるがあながち間違いとは言えない」を英語にすると「Her reasoning is flawed but not exactly wrong, either」となります。
「あながち」の意味
「あながち」とは
「あながち」とは、断定しきれない気持ちを表すことを意味しています。
表現方法は「あながち間違いではない」「あながち悪くない」「あながち嘘ではない」
「あながち間違いではない」「あながち悪くない」「あながち嘘ではない」「あながち無理ではない」などが、「あながち」を使った一般的な言い回しになります。
「あながち」の使い方
「あながち」を使った分かりやすい例としては、「あなたの言うことはあながち間違いではありません」「彼が茶道に興味あるというのもあながち嘘ではないらしい」「色々下調べした時間あながち無駄ではなかった」などがあります。
「あながち」は断定しきれない気持ちを表しており、「あながち○○ない」のように打消しの語を伴って使います。
「彼がサッカーに興味があるというのはあながち嘘ではない」のように「あながち」を使うことによって、まだ可能性があるというニュアンスになります。そのため、強く否定する場合には「あながち」は使えないと覚えておきましょう。
あくまで、婉曲的に否定あるいは肯定するのが「あながち」の特徴です。
「あながち」の漢字表記
「あながち」を漢字にすると「強ち」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、平仮名の「あながち」を使うようにしましょう。
「あながち」の類語
「あながち」の類語・類義語としては、否定的な意味合いを和らげたりむしろ逆に肯定したりする気持ちのことを意味する「まんざら」があります。
「必ずしも」の意味
「必ずしも」とは
「必ずしも」とは、必ずというわけではない気持ちを表すことを意味しています。
表現方法は「必ずしも間違いではない」「必ずしも嘘ではない」「必ずしも言い切れない」
「必ずしも間違いではない」「必ずしも嘘ではない」「必ずしも言い切れない」などが、「必ずしも」を使った一般的な言い回しになります。
「必ずしも」の使い方
「必ずしも」を使った分かりやすい例としては、「今回の実験は必ずしも正確とは限りません」「アメリカ人が必ずしも金髪とは限りません」「虫が苦手だからキャンプが嫌いとは必ずしも言い切れない」「必ずしも高い物が良いわけではない」などがあります。
「必ずしも」は必ずというわけではない気持ちを表しており、「必ずしも○○ない」のように打消しの語を伴って使います。
また、「必ずしも」は「彼が言ってることは必ずしも嘘ではない」のように、婉曲的に否定あるいは肯定する場合だけでなく、「お金持ちだからといって必ずしも偉くはない」のように、強く否定する場合にも使えるのが特徴です。
「必ずしも」の類語
「必ずしも」の類語・類義語としては、すべて同じようには扱えないことを意味する「一概に」があります。
「あながち」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、断定しきれない気持ちを表すことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「あながち」は否定でも肯定でも使える言葉です。
「必ずしも」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、必ずというわけではない気持ちを表すことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「必ずしも」は否定でも肯定でも使える言葉です。
「あながち」と「必ずしも」はどちらも婉曲的に否定または肯定することを荒らします。どちらの言葉を使うか迷った場合、強く否定する場合には使えないのが「あながち」、強く否定する場合でも使えるのが「必ずしも」と覚えておきましょう。