似た意味を持つ「テロ」と「ゲリラ」と「クーデター」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「テロ」と「ゲリラ」と「クーデター」という言葉は、反社会的な戦闘や攻撃に関する言葉であるという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
テロとゲリラとクーデターの違い
テロとゲリラとクーデターの意味の違い
テロとゲリラとクーデターの違いを分かりやすく言うと、テロは個人への攻撃を表現する時に使い、ゲリラは施設への攻撃を表現する時に使い、クーデターは国家への攻撃を表現する時に使うという違いです。
テロとゲリラとクーデターの使い方の違い
テロという言葉は、「平和な社会が続いているからかテロといったものに縁がない」「バイトテロを行った従業員が捕まったらしい」などの使い方で、目的達成のために暴行や破壊活動などに訴える考え方を意味します。
ゲリラという言葉は、「ゲリラ雨に降られてしまったため帰宅後すぐに浴室へ向かった」「ゲリラ戦にも対応できるための軍事力を備えている」などの使い方で、時々で攻撃する相手を決め、奇襲や攪乱、攻撃を行う集団を意味します。
クーデターという言葉は、「クーデターが行われたと聞いても平和な私たちからすると現実味があまりない」「そのクーデターは多くの子どもたちに影響を及ぼした」などの使い方で、武力行使によって非合法的に政権を奪うことを意味します。
テロとゲリラとクーデターの使い分け方
テロとゲリラはどちらも反社会的な攻撃を指す言葉ですが、前者は個人を攻撃対象とする場合に使い、後者は施設を攻撃対象とする場合に使います。また、テロは考え方を指し、ゲリラは戦法や攻撃を行う集団を指す言葉としても使われるという違いもあります。
一方のクーデターは、国家に対して攻撃を行うことで政治的な変化を狙う行為を指すため、テロやゲリラとは攻撃対象が異なります。
これが、テロ、ゲリラ、クーデターの明確な違いです。
テロの意味
テロとは
テロとは、目的達成のために暴行や破壊活動などに訴える考え方を意味しています。
テロは「テロリズム」の略称語
テロは「テロリズム」の略称として使われていますが、暴力行為などによって敵対者を威嚇することや恐怖政治を表す「テロル」という言葉の略称としても使われています。
表現方法は「テロを防ぐ」「テロが起こる」「テロに巻き込まれる」
「テロを防ぐ」「テロが起こる」「テロに巻き込まれる」などが、テロを使った一般的な言い回しです。
テロを使った言葉として、「サイバーテロ」「バイトテロ」があります。
「サイバーテロ」の意味
一つ目の「サイバーテロ」とは、ネットワーク上で行われるテロリズムを指す言葉です。コンピュータウイルスを大量に発信したり、ネットワークへ不正にアクセスしてシステムの破壊行為を行うなどの行為が該当します。
「バイトテロ」の意味
二つ目の「バイトテロ」とは、飲食店や小売店の店員が、商品や店内の備品などを使っていたずらや悪ふざけをする様子を撮影してSNSや動画投稿サイトなどに掲載し多くの批判を浴びる現象を指す言葉です。
商品や店内の機器類、備品、店自体に被害が出るのはもちろん、その企業イメージが低下することにも繋がります。2013年に、バイトによるテロ行為と表現されたことから、これが省略されバイトテロという言葉が使われることになりました。
テロの類語
テロの類語・類義語としては、権威や権力などに従わないことを意味する「反抗」、性質や動作が荒々しいことを意味する「粗暴」、騒動を起こして社会の安寧を乱すことを意味する「暴動」、入り乱れて騒ぐことを意味する「擾乱」などがあります。
ゲリラの意味
ゲリラとは
ゲリラとは、時々で攻撃する相手を決め、奇襲や攪乱、攻撃を行う集団を意味しています。
この意味が転じて、正面から正攻法で戦うのではなく、相手の隙を狙うようなやり方を指す言葉として使われるようになりました。
ゲリラを使った言葉として、「ゲリラ豪雨」「ゲリラライブ」があります。
「ゲリラ豪雨」の意味
一つ目の「ゲリラ豪雨」とは、正確な予測が難しい局地的な大雨を指す言葉ですが、これは正式な気象用語ではありませんが、テレビなどでは多く使われています。局地豪雨という呼び方もあり、雨だけではなく雷も伴う場合は「ゲリラ雷雨」と呼ばれます。
「ゲリラライブ」の意味
二つ目の「ゲリラライブ」とは、事前の宣伝や告知を全くしないまま、ある時突然路上や広場、街中などで歌手などが生演奏を披露することを指す言葉です。
今日では、スマートフォンが普及してSNSも発達したことで、ライブが行われる数分前などに開催する旨が投稿されることもあります。
ゲリラの類語
ゲリラの類語・類義語としては、権力や侵略者などに対する抵抗運動を意味する「レジスタンス」、体制に逆らう人を意味する「造反者」、権力などに背いて武力行動を起こす人たちを意味する「反乱軍」などがあります。
クーデターの意味
クーデターとは
クーデターとは、武力行使によって非合法的に政権を奪うことを意味しています。
クーデターの語源
クーデターはフランス語で、英語では「coup」で表記されることが多い言葉です。日本では「クーデタ」や「クー・デ・タ」と表記されることもあります。
表現方法は「クーデターを起こす」「クーデターが起きた」「クーデターをはかる」
「クーデターを起こす」「クーデターが起きた」「クーデターをはかる」などが、クーデターを使った一般的な言い回しです。
クーデターを使った言葉として、「自主クーデター」「カウンタークーデター」があります。
「自主クーデター」の意味
一つ目の「自主クーデター」とは、大統領など国のトップが法的な手段で権力を得たものの、その法や立法機関を無視して、機能しなくなるようにすることで起こされるクーデターです。
スペインで「アウトゴルペ」と呼ばれており、世界大戦以降は多くの国で、国家元首ら独裁者となるために自主クーデターが行われていました。
「カウンタークーデター」の意味
二つ目の「カウンタークーデター」とは、クーデターで成立した政権に対して、さらに起きるクーデターを指す言葉です。先に発生したクーデターによって邪魔な勢力が抑えられていたりすることから、オスマン帝国や大韓民国などで行われました。
クーデターの類語
クーデターの類語・類義語としては、世の中が動揺して乱れることを意味する「動乱」、物事が急激に発展や変革することを意味する「革命」、国家などに背いて兵をあげることを意味する「謀反」(読み方:むほん)などがあります。
テロの例文
この言葉がよく使われる場面としては、目的達成のために暴行や破壊活動などに訴える考え方を意味する時などが挙げられます。
例文2の「メシテロ」は、飯のテロを省略した言葉で、SNS上で誰かが投稿した料理の写真を見た際に使います。
ゲリラの例文
この言葉がよく使われる場面としては、時々で攻撃する相手を決め、奇襲や攪乱、攻撃を行う集団を意味する時などが挙げられます。
本来は不意をついた行動を指す言葉ですが、例文3の「ゲリラ放送」のように直前に簡単な告知をする場合にもゲリラという言葉が使われるようになりました。
クーデターの例文
この言葉がよく使われる場面としては、武力行使によって非合法的に政権を奪うことを意味する時などが挙げられます。
どの例文のクーデターも、国家政権に対して行われているためテロという言葉に置き換えて使うことができません。
テロとゲリラとクーデターどれを使うか迷った場合は、個人への攻撃を表す場合は「テロ」を、施設への攻撃を表す場合は「ゲリラ」を、国家への攻撃を表す場合は「クーデター」を使うと覚えておけば間違いありません。