似た意味を持つ「以上」(読み方:いじょう)と「より大きい」(読み方:より大きい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「以上」と「より大きい」という言葉は、どちらも対象よりも大きいことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「以上」と「より大きい」の違い
「以上」と「より大きい」の意味の違い
「以上」と「より大きい」の違いを分かりやすく言うと、「以上」とは対象を含む、「より大きい」とは対象を含まないという違いです。
「以上」と「より大きい」の使い方の違い
一つ目の「以上」を使った分かりやすい例としては、「このジェットコースターは60歳以上の方はご利用できません」「私からは以上になります」「約束した以上駅まで行かなければならない」「このお店は20歳以上の人が入場することができます」などがあります。
二つ目の「より大きい」を使った分かりやすい例としては、「横浜市は川崎市よりも大きい」「彼の車は私のより大きい」「これより大きい犬は見たことがありません」「中国は日本より大きいです」「19は17より大きいです」などがあります。
「以上」と「より大きい」の使い分け方
「以上」と「より大きい」は似た意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「以上」は対象を含んで大きいことを表すのに対して、「より大きい」は対象を含まず大きいことを表すというのが違いになります。
分かりやすい例を挙げると、「このお店は20歳以上の人が入場することができます」「このジェットコースターは150cm以上の人がご利用できます」などがあります。どちらも「以上」を使っているので、20歳と150cmを含むことが可能です。
一方、「このお店は20歳より大きい人が入場することができます」「このジェットコースターは150cmより大きい人がご利用できます」とすると、「より大きい」を使っているので、20歳と150cmの人は含みません。そのため、21歳と151cmからが対象になります。
「以上」と「より大きい」の英語表記の違い
「以上」を英語にすると「or more」「or higher」「and over」となり、例えば上記の「このお店は20歳以上の人が入場することができます」を英語にすると「This store is allowed to be accessed by people twenty years old or more」となります。
一方、「より大きい」を英語にすると「more than」「greater than」「over」「above」となり、例えば上記の「19は17より大きいです」を英語にすると「Nineteen is greater than seventeen」となります。
「以上」の意味
「以上」とは
「以上」とは、数量や程度などの比較でそれより上の範囲であることを意味しています。その他にも、それより前に述べたこと、合計のこと、手紙や箇条書きなどの末尾に記して終わりを表すこと、からにはのことの意味も持っています。
表現方法は「以上です」「以上となります」「以上が私の意見です」
「以上です」「以上となります」「以上が私の意見です」などが、以上を使った一般的な言い回しです。
「以上」の使い方
「60歳以上の方は優先して受診することができます」「以上の通り相違ありません」などの文中で使われている「以上」は、「数量や程度などの比較でそれより上の範囲であることやそれより前に述べたこと」の意味で使われています。
一方、「今回の内容は以上になります」「決定した以上は変更できません」などの文中で使われている「以上」は、「手紙や箇条書きなどの末尾に記して終わりを表すことやからにはのこと」の意味で使われています。
「以上」は複数の意味を持つ言葉なので、日常生活やビジネスシーンなど様々な場面で使われている言葉です。
「以上」は対象を含む
「以上」の数量や程度などの比較でそれより上の範囲であることの意味を解説すると、その対象も含んでいるというのが特徴になります。
例えば「お酒は20歳以上から飲むことができます」は20歳も含んでいるので、20歳の人も飲むことが可能です。また、「このアトラクションは140cm以上の人が利用することができます」とすると、140cmの人も利用することができます。
「以上」の対義語
「以上」の対義語・反対語としては、数量や程度などの比較でそれより下の範囲であることを意味する「以下」、時間や距離などである基準を含んでそれよりも小さい範囲のことを意味する「以内」、ある数に達していないことを意味する「未満」などがあります。
「以上」の類語
「以上」の類語・類義語としては、ある範囲の外側のことを意味する「以外」、数量や時間が一定の限度をこえることを意味する「超過」などがあります。
「より大きい」の意味
「より大きい」とは
「より大きい」とは、対象よりもさらに大きいことを意味しています。
「より大きい」の使い方
「より大きい」を使った分かりやすい例としては、「これより大きいサイズのものをください」「北海道の面積は関東地方より大きい」「彼女の住んでいる家は私の家より大きい」などがあります。
「より大きい」は対象を含まない
「より大きい」は対象よりもさらに大きいことを表す言葉で、様々な場面で使われています。一番の特徴としては、その対象を含まないという点です。
分かりやすく解説すると、「こちらの乗り物は12歳より大きい方がご利用できます」は12歳は含まれず、13歳から利用することができるという意味になります。
また、「彼の住んでいる家は私の家より大きい」は私の家の大きさは含まれないので、私の家よりも確実に大きいことを表しています。
「より大きい」の類語
「より大きい」の類語・類義語としては、大きいことを意味する「でかい」、数や量が多いことを意味する「大きな」などがあります。
「以上」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、数量や程度などの比較でそれより上の範囲であることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、それより前に述べたこと、合計のこと、手紙や箇条書きなどの末尾に記して終わりを表すこと、からにはのことを表現したい時にも使います。
例文1の「以上」は数量や程度などの比較でそれより上の範囲であること、例文2の「以上」はそれより前に述べたこと、例文3の「以上」は合計のこと例文4の「以上」は紙や箇条書きなどの末尾に記して終わりを表すこと、例文5の「以上」はからにはのことの意味で使っています。
「より大きい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、対象よりもさらに大きいことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「より大きい」は様々な場面で使うことができる言葉です。
「以上」と「より大きい」はどちらも対象より大きいことを表します。どちらの言葉を使うか迷うか迷った場合、対象を含むのが「以上」、対象を含まないのが「より大きい」と覚えておきましょう。