似た意味を持つ「触れる」(読み方:ふれる)と「触る」(読み方:さわる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「触れる」と「触る」という言葉は、どちらも別々の物の表面が軽く接触することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「触れる」と「触る」の違い
「触れる」と「触る」の意味の違い
「触れる」と「触る」の違いを分かりやすく言うと、「触れる」とは無意識で接触が短い場合に使う、「触る」とは意図的で接触が長い場合に使うという違いです。
「触れる」と「触る」の使い方の違い
一つ目の「触れる」を使った分かりやすい例としては、「すれ違い様に肩が触れる」「人の目に触れるのが少し怖いです」「髪の毛に手を触れる」「噂好きのおばさんは近所の人に触れて回る」などがあります。
二つ目の「触る」を使った分かりやすい例としては、「汚い手で私の物を触らないでください」「彼女は緊張すると髪の毛を触る癖がある」「犬のお腹を触るのがとても好きです」「触ると温かいです」などがあります。
「触れる」と「触る」の使い分け方
「触れる」と「触る」はどちらも似た意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「触れる」は無意識で行なわれる短い接触に対して使うことが多いです。一方、「触る」は意図的で長い接触に対して使うことが多いのが違いになります。あくまで多いだけなので、意識的な場合に「触れる」を使うこともできますし、無意識の場合でも「触る」を使っても問題ありません。
また、「触れる」はあることを話題にすること、怒りなどの感情を身に受けること、規則や法律などに反すること、ちょっと耳にしたり見たりすることの意味でも使うのに対して、「触る」は関わりを持つことや感情を害することの意味でも使うというのが違いの一つです。
「触れる」と「触る」の英語表記の違い
「触れる」も「触る」も英語にすると「touch」「feel」となり、例えば上記の「触ると温かいです」を英語にすると「It feels is warm to the touch」となります。
「触れる」の意味
「触れる」とは
「触れる」とは、ある物が他の物に瞬間的に軽くくっつくことを意味しています。
その他にも、あることを話題にすること、怒りなどの感情を身に受けること、規則や法律などに反すること、ちょっと耳にしたり見たりすることの意味も持っています。
表現方法は「軽く触れる」「話題に触れる」「触れる機会」
「軽く触れる」「話題に触れる」「触れる機会」「気持ちに触れる」などが、「触れる」を使った一般的な言い回しになります。
「触れる」の使い方
「好きな人と手が触れて心臓がバクバク鳴っている」「彼の発言は核心に触れている」などの文中で使われている「触れる」は、「ある物が他の物に瞬間的に軽くくっつくことや、あることを話題にすること」の意味で使われています。
一方、「同じミスを何度も繰り返したので上司の逆鱗に触れてしまいました」「学則に触れるようなことは辞めよう」などの文中で使われている「触れる」は、「怒りなどの感情を身に受けることや、規則や法律などに反すること」の意味で使われています。
「触れる」は複数の意味を持っており、様々な場面で使える言葉です。前後の言葉によってどの意味で使われているか判断できるようにしましょう。
「触れる」の中でも最も一番使われている意味は、ある物が他の物に瞬間的に軽くくっつくことの意味です。「飾っている作品に手を触れる」のように意志動詞として使うこともあれば、「手と手が触れる」のように無意志動詞として使うこともできます。
上記のように「触れる」は意志動詞と無意志動詞どちらでも使うことができますが、無意識で接触が短い場合に使うことが多いのが特徴です。
「触れる」の類語
「触れる」の類語・類義語としては、別々の物の表面が軽く接触することを意味する「接する」、互いに相手に触れることを意味する「触れ合う」、物事や人が接触することを意味する「当たる」などがあります。
「触る」の意味
「触る」とは
「触る」とは、手などをそのものに軽くつけることを意味しています。その他にも、関わりを持つことや感情を害することの意味も持っています。
表現方法は「手で触る」「癇に触る」「触る心理」
「手で触る」「癇に触る」「触る心理」などが、「触る」を使った一般的な言い回しになります。
「触る」の使い方
「焼いたトウモロコシを触ってみたが、まだ熱いので食べれそうにない」「何かひんやりとしたものが顔に触る」などの文中で使われている「触る」は、「手などをそのものに軽くつけること」の意味で使われています。
一方、「宗教的な問題には触らないように気をつけています」「彼の言う事はいちいち癇に障る」などの文中で使われている「触る」は、「関わりを持つことや感情を害すること」の意味で使われています。
「触る」は複数の意味を持っており、様々な場面で使える言葉です。前後の言葉によってどの意味で使われているか判断できるようにしましょう。
「触れる」の中でも最も一番使われている意味は、手などをそのものに軽くつけることの意味です。「子供が犬を触る」のように意志動詞として使うこともあれば、「足に冷たいものが触った」のように無意志動詞として使うこともできます。
上記のように「触る」は意志動詞と無意志動詞どちらでも使うことができますが、意図的で接触が長い場合に使うことが多いというのが特徴です。
「触る」の類語
「触る」の類語・類義語としては、 重大な繋がりを持つことを意味する「関わる」、物事の力や作用が他のものにまで及ぶことを意味する「影響」、及んだ状態にすることを意味する「及ぼす」などがあります。
「触れる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、ある物が他の物に瞬間的に軽くくっつくことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、あることを話題にすること、怒りなどの感情を身に受けること、規則や法律などに反すること、ちょっと耳にしたり見たりすることの意味も持っています。
例文1の「触れる」はある物が他の物に瞬間的に軽くくっつくこと、例文2の「触れる」はあることを話題にすることの意味で使っています。
また、例文3の「触れる」は怒りなどの感情を身に受けること、例文4の「触れる」は規則や法律などに反すること、例文5の「触れる」は、ちょっと耳にしたり見たりすることの意味で使っています。
「触る」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、手などをそのものに軽くつけることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、関わりを持つことや感情を害することを表現したい時にも使います。
例文1と例文2の「触る」は手などをそのものに軽くつけること、例文3と例文4の「触る」は関わりを持つこと、例文5の「触る」は感情を害することの意味で使っています。
「触れる」と「触る」はどちらも別々の物の表面が軽く接触することを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「触れる」偶然性や瞬間性の接触で多く使うのに対して、「触る」は意図的で接触が長い場合に使うことが多いと覚えておきましょう。