似た意味を持つ「ご高覧」(読み方:ごこうらん)と「ご清覧」(読み方:ごせいらん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ご高覧」と「ご清覧」という言葉は、どちらも相手を敬ってその人が見ることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「ご高覧」と「ご清覧」の違い
「ご高覧」と「ご清覧」の意味の違い
「ご高覧」と「ご清覧」の違いを分かりやすく言うと、「ご高覧」は使う範囲が広い、「ご清覧」は使う範囲が狭いという違いです。
「ご高覧」と「ご清覧」の使い方の違い
一つ目の「ご高覧」を使った分かりやすい例としては、「同封した資料をご高覧いただければ幸いです」「ぜひご高覧賜りたく存じます」「今回の旅の写真集を作りましたのでご高覧ください」「こちらの資料をご高覧ください」などがあります。
二つ目の「ご清覧」を使った分かりやすい例としては、「手紙をお送りいたしましたのでご清覧いただければ幸いです」「私が描いた作品をぜひご清覧いただきたくお願い申し上げます」などがあります。
「ご高覧」と「ご清覧」の使い分け方
「ご高覧」と「ご清覧」はどちらも相手を敬ってその人が見ることという同じ意味を持つ言葉で、大きな違いはありません。
あえて違いを挙げるならば、「ご高覧」は書類、資料、展覧会などの幅広いものに対して見て欲しいというニュアンスで使うことができます。一方、「ご清覧」は自分が書いた物をみてくださいというニュアンスが強いので、使う範囲は狭いという点です。
したがって、「ご高覧」の方が「ご清覧」よりも広く一般的に使われています。また、そういうニュアンスがあるといだけなので、書類や資料などに「ご清覧」を使っても間違いではありません。
「ご高覧」と「ご清覧」の英語表記の違い
「ご高覧」も「ご清覧」も英語にすると「look」「view」となり、例えば上記の「こちらの資料をご高覧ください」を英語にすると「Please take a look at these documents」となります。
「ご高覧」の意味
「ご高覧」とは
「ご高覧」とは、相手を敬ってその人が見ることを意味しています。
表現方法は「ご高覧いただければ幸いです」「ご高覧のほど」
「ご高覧いただければ幸いです」「ご高覧のほど」「何卒ご高覧」「ご高覧いただきありがとうございます」などが、「ご高覧」を使った一般的な言い回しになります。
「ご高覧」の使い方
「ご高覧」を使った分かりやすい例としては、「メールをお送りいたしましたのでご高覧いただければ幸いです」「私の職歴につきましては同封の履歴書をご高覧ください」「会議の資料を送付しましたので、ご高覧賜りますようお願い申し上げます」などがあります。
「ご高覧」は他人が見ることの尊敬語の「高覧」に接頭語の「ご」をつけた、とても丁寧な敬語表現です。したがって、上司や取引先などの目上の人に対して使うこともできます。
「ご高覧」はビジネスシーンにおいてよく使われている言葉で、目上の人に対して資料や書類などを見てほしい場合に使うのが一般的です。また、「ご高覧」は書き言葉として使うのがほとんどなため、メールや手紙などの一文に組み込むのが相応しいと覚えておきましょう。
「ご高覧ください」「ご高覧いただければ」は二重敬語ではない
「ご高覧ください」「ご高覧いただければ」という言い回しが二重敬語ではないかと考える方もいると思いますが、二重敬語ではありません。二重敬語はあくまで一つの言葉に対して敬語を二重で使ったものを指すので、「ご高覧ください」は二重敬語には当てはまらないと覚えておきましょう。
「ご高覧」の類語
「ご高覧」の類語・類義語としては、金銭や書類などをよく調べて受け取ることを意味する「ご査収」、相手が見ることを敬っていうことを意味する「ご賢覧」、見物することを意味する「ご観覧」などがあります。
「ご清覧」の意味
「ご清覧」とは
「ご清覧」とは、相手を敬ってその人が見ることを意味しています。
表現方法は「ご清覧ありがとうございました」「ご清覧いただければ幸いです」
「ご清覧ありがとうございました」「ご清覧いただければ幸いです」「ご清覧のほど」などが、「ご清覧」を使った一般的な言い回しになります。
「ご清覧」の使い方
「ご清覧」を使った分かりやすい例としては、「私が執筆した小説をぜひご清覧いただきたく、お願い申し上げます」「こちらが会議の資料になりますのでご清覧くださいませ」「先ほど日程についてメールをお送りしましたのでご清覧のほどよろしく願いします」などがあります。
「ご清覧」は他人が見ることの尊敬語の「清覧」に接頭語の「ご」をつけた、とても丁寧な敬語表現です。したがって、上司や取引先などの目上の人に対して使うこともできます。
「ご清覧」はビジネスシーンにおいてよく使われている言葉で、目上の人に対して自分が書いた物を見てくださいという場合に使うのが一般的です。また、「ご清覧」は書き言葉として使うのがほとんどなため、メールや手紙などの一文に組み込むのが相応しいと覚えておきましょう。
「ご清覧ください」「ご清覧いただければ」は二重敬語ではない
「ご清覧ください」「ご清覧いただければ」という言い回しが二重敬語ではないかと考える方もいると思いますが、二重敬語ではありません。二重敬語はあくまで一つの言葉に対して敬語を二重で使ったものを指すので、「ご清覧ください」は二重敬語には当てはまらないと覚えておきましょう。
「ご清覧」の類語
「ご清覧」の類語・類義語としては、見ることを謙っていうことを意味する「拝見」、一通り読むことを意味する「ご一読」、相手が文書に目を通したり調べたりするのを敬っていうことを意味する「ご高閲」などがあります。
「ご高覧」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手を敬ってその人が見ることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「ご高覧」は相手を敬って使う言葉なので、目上の人に対して使うことができます。
「ご清覧」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手を敬ってその人が見ることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「ご清覧」は相手を敬って使う言葉なので、目上の人に対して使うことができます。
「ご高覧」と「ご清覧」はどちらも相手を敬ってその人が見ることを表します。どちらの言葉を使う迷った場合、様々なものに使えるかつ広く一般的に使われている「ご高覧」を使っておけば間違いないでしょう。