似た意味を持つ「高みの見物」(読み方:たかみのけんぶつ)と「低みの見物」(読み方:ひくみのけんぶつ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「高みの見物」と「低みの見物」という言葉は、どちらも傍観することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「高みの見物」と「低みの見物」の違い
「高みの見物」と「低みの見物」の意味の違い
「高みの見物」と「低みの見物」の違いを分かりやすく言うと、「高みの見物」とは自分より下のレベルの物事に対して傍観すること、「低みの見物」とは自分より上のレベルの物事に対して傍観することという違いです。
「高みの見物」と「低みの見物」の使い方の違い
一つ目の「高みの見物」を使った分かりやすい例としては、「無事就職が決まったワイ、高みの見物」「匿名で正義を気取って高みの見物している人を引きずり下ろしたい」「彼がどうするか高みの見物といこうじゃないか」「少年たちの喧嘩に高みの見物を決め込む」などがあります。
二つ目の「低みの見物」を使った分かりやすい例としては、「無課金のニートのワイ、低みの見物」「免許持っていない私、低みの見物」「低所得のワイ、低みの見物」などがあります。
「高みの見物」と「低みの見物」の使い分け方
「高みの見物」と「低みの見物」はどちらも傍観するという共通の意味を持っていますが、対義語なので間違えないように注意しましょう。
「高みの見物」は一般的に自分とは何も関係のない場所から傍観すること、つまり自分より下のレベルの物事に対して使うことが多いです。
一方、「低みの見物」は、物事の成り行きに対して関与したくてもできないので傍観すること、つまり自分より上のレベルの物事に対して使う言葉になります。
したがって、自分より下のレベルの物事に対して使うか、自分より上のレベルの物事に対して使うかというのが違いです。
「高みの見物」と「低みの見物」の英語表記の違い
「高みの見物」を英語にすると「look on」「sit on」「stand by」となり、例えば上記の「少年たちの喧嘩に高みの見物を決め込む」を英語にすると「We just looked on as boys fight」となります。
一方、「低みの見物」はネットで作られた造語なので英語表記はありません。
「高みの見物」の意味
「高みの見物」とは
「高みの見物」とは、自分とは直接関係のない物事を傍観することを意味しています。
表現方法は「高みの見物を決め込む」「高みの見物といこう」「高みの見物をする」
「高みの見物を決め込む」「高みの見物といこう」「高みの見物をする」などが、「高みの見物」を使った一般的な言い回しになります。
「高みの見物」の使い方
「高みの見物」を使った分かりやすい例としては、「滋賀県民のワイ、高みの見物」「彼はいつも高みの見物をしているので嫌いです」「この件は高みの見物を決め込むことにしました」「面倒な事が嫌いなので、基本高みの見物をしている」などがあります。
「高みの見物」は自分とは直接関係のない物事を傍観することを意味することわざです。一般的に、高い場所から下で起こっている騒ぎを見物する場合に使います。
「高みの見物」の由来
「高みの見物」は周囲より高い場所を意味する「高み」と催し物や名所旧跡などを見て楽しむことを意味する「見物」が合わさり、元々は、高い場所から興味本位に物事の成り行きを傍観することの意味で使われていました。
また、高い所から見て楽しむということは、当事者ではないということになります。このことが転じて、自分とは直接関係のない物事を傍観することを「高みの見物」というようになりました。
「ワイ、高みの見物」のようにネットスラングで使われる
「高みの見物」は辞書にも載っている日常生活で使われていた言葉ですが、近年ではネットスラングとして、SNSや電子掲示板などでよく使われています。その場合は「ワイ、高みの見物」のように「一人称+高みの見物」の形で使われていることが多いです。
「高みの見物」の類語
「高みの見物」の類語・類義語としては、自分に関係のないことに興味本位で騒ぎ立てて見物することを意味する「野次馬」、その物事に関係のない立場で見ていることを意味する「傍観」などがあります。
「低みの見物」の意味
「低みの見物」とは
「低みの見物」とは、物事の成り行きに対して関与したくてもできないので傍観することを意味しています。
「低みの見物」の使い方
「低みの見物」を使った分かりやすい例としては、「フリーターのワイ、低みの見物」「20年間彼女なしのワイ、低みの見物」「免許を持っていない私、低みの見物」「万年平社員のワシ、低みの見物」などがあります。
「低くみの見物」は物事の成り行きに対して関与したくてもできないので傍観すること、つまり、自分より上のレベルの物事に対して傍観する場合に使う言葉です。
「ワイ、低みの見物」のようにネットスラングで使われる
「低みの見物」は「高みの見物」の対義語として作られたインターネットスラングになります。インターネットスラングとはインターネット上で使用されている俗語の総称のことで、主に電子掲示板、チャット、SNSといったコミュニティ上で使われています。
「低みの見物」は「ワイ、低みの見物」のように、「一人称+低みの見物」という形で使われることが多いのが特徴です。
「低みの見物」はインターネットスラングなので、類語・類義語などはありません。
「高みの見物」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、自分とは直接関係のない物事を傍観することを表現したい時などが挙げられます。
例文5のような、「一人称+高みの見物」という言い回しは、ネット用語としてよく使われています。
「低みの見物」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事の成り行きに対して関与したくてもできないので傍観することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のような、「一人称+低みの見物」という言い回しは、ネット用語としてよく使われています。
「高みの見物」と「低みの見物」はどちらも物事を傍観することを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、自分より下のレベルの物事に対して傍観する時は「高みの見物を」、自分より上のレベルの物事に対して傍観する時は「低みの見物」を使うと覚えておきましょう。