似た意味を持つ「共々」(読み方:ともども)と「一同」(読み方:いちどう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「共々」と「一同」という言葉は、どちらもそこにいるみんなのことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「共々」と「一同」の違い
「共々」と「一同」の意味の違い
「共々」と「一同」の違いを分かりやすく言うと、「共々」とはご祝儀やお香典などの送り手の名称として使えない、「一同」とはご祝儀やお香典などの送り手の名称として使えるという違いです。
「共々」と「一同」の使い方の違い
一つ目の「共々」を使った分かりやすい例としては、「親子共々お世話になります」「これからも二人共々変わらないお付き合いをよろしくお願いいたします」「企画部共々これからお世話になるのでよろしくお願いいたします」「私は彼女共々その企業に参加しました」などがあります。
二つ目の「一同」を使った分かりやすい例としては、「家族一同お変わりなく過ごしております」「ささやかながら有志一同から贈り物があります」「それでは開会式を始めます。一同礼」「一同を代表して心よりお礼申し上げます」などがあります。
「共々」と「一同」の使い分け方
「共々」と「一同」はどちらも似た意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「共々」はご祝儀やお香典などで「株式会社セラーバンク 社員共々」のように、送り手の名称として使うことはできません。一方、「一同」は「株式会社セラーバンク 社員一同」のように、送り手の名称として使うことができるというのが違いになります。
また、「共々」と「一同」は使う場面によっては置き換えることが可能です。分かりやすい例を挙げると、「家族共々よろしくお願いします」のように使う場合は、「家族一同よろしくお願いします」とすることができます。
「共々」と「一同」の英語表記の違い
「共々」を英語にすると「together」「both」となり、例えば上記の「私は彼女共々その企業に参加しました」を英語にすると「I share with her in the enterprise」となります。
一方、「一同」を英語にすると「all of us」「in a body」「the whole」となり、例えば上記の「一同を代表して心よりお礼申し上げます」を英語にすると「On behalf all of us, I would like to express our sincere gratitude」となります。
「共々」の意味
「共々」とは
「共々」とは、一緒にあることをすることを意味しています。
表現方法は「夫婦共々仲良く」「親子共々仲良く」「家族共々元気です」
「夫婦共々仲良く」「親子共々仲良く」「家族共々元気です」などが、「共々」を使った一般的な言い回しになります。
「共々」の使い方
「共々」を使った分かりやすい例としては、「今後とも親子共々よろしくお願いいたします」「母子共々元気に過ごしておりますのでご心配なさらないでください」「その節は助けていただき親子共々感謝しております」などがあります。
「共々」は2人以上の人が一緒にあることをすることや同じようであることを表現したい時に使います。2人以上なので、2人の場合もあれば、5人や10人でも使うことができます。
また、「共々」を使う場合は目上の人を含めないように注意しましょう。社長や部長などが「社員共々よろしくお願いいたします」のような挨拶を使っても問題ありませんが、この挨拶を新入社員や平社員などが使うのがあまり適していません。
「共々」はかしこまった場面で使われる言葉ですが、謙譲語ではないので前後の文章を敬語表現に変えて、丁寧な言い回しにする必要があると覚えておきましょう。
「共々」を相手に使うのは失礼
「共々」を使う上で注意しなければならないのは、相手に対して使うと失礼に当たるという点です。「社員共々お気軽にいらしてください」「ご夫婦共々遊びに来てください」などと使うのは間違った使い方なので気を付けましょう。
「共々」はあくまでも、家族や社内の人などの身内に対して使う言葉になります。
「共々」の類語
「共々」の類語・類義語としては、一緒に行くことを意味する「連れ立つ」、共に同じことをすることを意味する「一緒に」、一緒にあることをすることを意味する「共に」などがあります。
「一同」の意味
「一同」とは
「一同」とは、そこにいる人々全部のことを意味しています。
表現方法は「家族一同」「社員一同」「弊社一同」「我々一同」
「家族一同」「社員一同」「弊社一同」「我々一同」などが、「一同」を使った一般的な言い回しになります。
「一同」の使い方
「一同」を使った分かりやすい例としては、「お陰様で家族一同元気に過ごしております」「株式会社セラーバンク社員一同と書いたご祝儀を贈りました」「スタッフ一同適切な対応を心掛けて参ります」などがあります。
「一同」はそこにいる人々全部のことを意味する言葉です。「一同」は何人から使えるかと疑問にいる人も居ると思いますが、基本的に決まりはありません。そのため、3人で使うこともあれば50人を指して使うこともあります。
「一同」は口語として使うこともありますが、ご祝儀やお香典などの送り手の名称として使うのが一番多いです。
「一同」の類語
「一同」の類語・類義語としては、その団体などに属する全ての人員のことを意味する「全員」、そこにいる人全てのことを意味する「皆」(読み方:みな)、誰でものことを意味する「誰も」などがあります。
「共々」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、一緒にあることをすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「共々」はビジネスシーンにおいても使うことができます。
「一同」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、そこにいる人々全部のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「一同」はビジネスシーンにおいても使うことができます。
「共々」と「一同」はどちらもそこにいるみんなのことことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、ご祝儀やお香典などの送り手の名称として使えないのが「共々」、ご祝儀やお香典などの送り手の名称として使えるのが「一同」と覚えておきましょう。