似た意味を持つ「その節は」(読み方:そのせつは)と「その折は」(読み方:そのおりは)と「その際は」(読み方:そのさいは)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「その節は」と「その折は」と「その際は」という言葉は、その時の一瞬を表すという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「その節は」と「その折は」と「その際は」の違い
「その節は」と「その折は」と「その際は」の意味の違い
「その節は」と「その折は」と「その際は」の違いを分かりやすく言うと、「その節は」は過去の出来事を表現する時に使い、「その折は」はちょうどその機会を表現する時に使い、「その際は」は未来の出来事を表現する時に使うという違いです。
「その節は」と「その折は」と「その際は」の使い方の違い
「その節は」という言葉は、「その節は美味しい食事をごちそうさまでした」「その節は大変申し訳ございませんでした」などの使い方で、過去の出来事や状況、期間を意味します。
「その折は」という言葉は、「友人がやってくるその折にはどんなもてなしをしようか考えている」「その折はどうもお世話になりました」などの使い方で、過去や未来における機会を意味します。
「その際は」という言葉は、「その際は改めて声を掛けさせてほしいと一言添えておいた」「万全を期してはいるが、その際抜けがあったらサポートをお願いしたい」などの使い方で、未来の出来事や状況、期間を意味します。
「その節は」と「その折は」と「その際は」の使い分け方
「その節は」と「その際は」はどちらも「その時」を表しますが、前者は過去の出来事や期間に対して使い、後者は未来の出来事や期間に対して使われる言葉です。
一方の「その折は」という表現も「その時」を意味しますが、「その節は」や「その際は」よりも具体的な機会を指す場合に使われる言葉です。チャンスを指し示すようであれば過去であれ未来であれ使うことができます。
これが、「その節は」、「その折は」、「その際は」の明確な違いです。
「その節は」の意味
「その節は」とは
「その節は」とは、過去の出来事や状況、期間を意味しています。
「その節は」の読み方
「その節は」は「そのせつは」という読み方をしますが、「そのふしは」などの読み方をすることはできません。節という漢字には、他にも「せち」という読み方がありますが、祝日を意味する漢字として使われるため意味が異なります。
表現方法は「その節はありがとうございました」「その節はお世話になりました」
「その節は」を使った言葉として、「その節はありがとうございました」「その節はお世話になりました」「その節は誠に申し訳ございませんでした」「その節はお手数をおかけしました」などがあります。
「その節はお世話になります」「その節はお手数おかけします」は誤り
過去に関する表現でしか使うことができないため、「その節はお世話になります」「その節はお手数おかけします」など現在や未来を表す文章では使うことができません。
「その節は」の類語
「その節は」の類語・類義語としては、過去のある時点を意味する「当時」、過ぎ去ったある日を意味する「過日」があります。
「その折は」の意味
「その折は」とは
「その折は」とは、過去や未来における機会を意味しています。
「その折は」の読み方
「その折は」は「そのおりは」という読み方をしますが、「そのせつは」という読み方をすることはできません。「そのせつは」という読み方をすると、「その節は」という言葉と間違えて捉えられることに繋がります。
表現方法は「その折はよろしくお願いします」「その折はまたご連絡差し上げます」
「その折は」を使った表現として、「その折はよろしくお願いします」「その折はまたご連絡差し上げます」「その折はありがとうございます」「その折は大変お世話になりました」などがあります。
また、「その折は」という言葉は目上の人にも使うことができますが、未来の出来事に対して使うのであれば「そのような折は」という表現に変えることで、更に丁寧な言い回しとなります。
「その折は」の類語
「その折は」の類語・類義語としては、ちょうどその時を意味する「折しも」(読み方:おりしも)、何かが行われたちょうどその時を意味する「拍子」、物事が始まろうとするちょうどその時を意味する「矢先」などがあります。
「その際は」の意味
「その際は」とは
「その際は」とは、未来の出来事や状況、期間を意味しています。
「その際は」の読み方
「その際は」は「そのさいは」という読み方をしますが、「そのきわは」という読み方をすることはできません。また、「きわ」という読み方の場合は、ある物のすぐ近くを指す言葉になるため意味が異なります。
際という漢字を「その際は」と同様に「さい」と読む場合でも、物と物が接する部分を意味することがありますが、会話で使われる時には時間、場合や機会を表すことがほとんどです。
表現方法は「その際は何卒宜しくお願い致します」「その際はお知らせいたします」
「その際は」を使った表現として、「その際は何卒宜しくお願い致します」「その際はお知らせいたします」「その際はご相談頂ければと思います」「その際は改めて内容をお伝えいたします」「その際はご案内いたします」などがあります。
日常会話はもちろん、ビジネスシーンにおける会話や書類などでも使うことができる表現ですが、「そのような際」などの言い方はほとんどなされません。
「その際は」の類語
「その際は」の類語・類義語としては、物事が行われているときの状態や事情「その場合」があります。
「その節は」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、過去の出来事や状況、期間を意味する時などが挙げられます。
例文3のように「その節は」という言葉は、お礼文だけでなく謝罪文でも使うことができる言葉です。
「その折は」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、過去や未来における機会を意味する時などが挙げられます。
どの例文の「その折は」も、未来の出来事に関して使われているため、「その際は」という言葉に置き換えて使うことができます。
「その際は」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、未来の出来事や状況、期間を意味する時などが挙げられます。
どの例文も具体的なタイミングについて触れているため、「その際は」を「その折は」という言葉に置き換えて使うことができます。
「その節は」と「その折は」と「その際は」どれを使うか迷った場合は、過去の出来事を表す場合は「その節は」を、ちょうどその機会を表す場合は「その折は」を、未来の出来事を表す場合は「その際は」を使うと覚えておけば間違いありません。