【食指を伸ばす】と【触手を伸ばす】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た日本語の「食指を伸ばす」(読み方:しょくしをのばす)と「触手を伸ばす」(読み方:しょくしゅをのばす)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「食指を伸ばす」と「触手を伸ばす」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。




「食指を伸ばす」と「触手を伸ばす」の違い

「食指を伸ばす」と「触手を伸ばす」の意味の違い

「食指を伸ばす」と「触手を伸ばす」の違いを分かりやすく言うと、「食指を伸ばす」とは「触手を伸ばす」の間違った使い方、「触手を伸ばす」とは欲しいものを得ようとして働きかけることです。

「食指を伸ばす」は誤字

一般的には「食指を伸ばす」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、「触手を伸ばす」のことを間違えて「食指を伸ばす」を使っている人がほとんどです。

「触手を伸ばす」は正しい日本語

正しい言葉である「触手を伸ばす」を使った分かりやすい例としては、「事業拡大のために東南アジアまで触手を伸ばす」「彼女は誰もが触手を伸ばしたくなるような素敵な女性です」「彼女はその会社を乗っ取ろうと触手を伸ばす」などがあります。

「触手を伸ばす」という言葉はあっても、「食指を伸ばす」という言葉は存在しません。同時に「触手を伸ばす」という単語の意味について「欲しいものを得ようとして働きかけること」と覚えておきましょう。

「触手を伸ばす」の英語表記

「触手を伸ばす」を英語にすると「try to get」「plotted to」となり、例えば上記の「彼女はその会社を乗っ取ろうと触手を伸ばす」を英語にすると「She plotted to take over the company」となります。

「食指を伸ばす」の意味

「食指を伸ばす」とは

「食指を伸ばす」とは、「触手を伸ばす」の間違った使われ方です。

「食指を伸ばす」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「触手を伸ばす」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「食指を伸ばす」と間違えやすい理由

「食指を伸ばす」と「触手を伸ばす」を間違えてしまう理由としては、「食指」(読み方:しょくし)と「触手」(読み方:しょくしゅ)の発音が似ているからです。「食指」と「触手」は発音が似ているものの、意味は全く異なっているので間違えないように注意しましょう。

「食指」は人さし指のことを意味しており、「触手」は無脊椎動物の口の周囲にある小突起のことを意味しています。

「食指が動く」は正しい日本語

「食指を伸ばす」という言葉は存在しないのですが、「食指」を使った有名な言葉として「食指が動く」があります。

「食指が動く」とは、ある物事に対し欲望や興味が生じることを意味しており、「条件を聞いて思わず食指が動いた」「美味しそうなお肉の写真を観て食指が動く」などのような使い方をします。

「触手を伸ばす」の意味

「触手を伸ばす」とは

「触手を伸ばす」とは、欲しいものを得ようとして働きかけることを意味しています。

「触手を伸ばす」の使い方

「触手を伸ばす」を使った分かりやすい例としては、「輸出業に触手を伸ばす」「弊社は新規事業に触手を伸ばそうとしている」「彼は若い女性に触手を伸ばすことばかりしている」「事業拡大のため海外へ触手を伸ばす」などがあります。

「触手を伸ばす」はただ単純に欲しいものを得ようとして働きかけることではなく、下心持っている時などマイナスなイメージで使うことが多いです。

ただし、上記の「輸出業に触手を伸ばす」「弊社は新規事業に触手を伸ばそうとしている」などのように、必ずしも悪いイメージで使うとは限りません。

「触手を伸ばす」の語源

「触手を伸ばす」の語源は「触手」です。「触手」とは無脊椎動物の口の周囲にある小突起のことで、感覚細胞が多く分布し触覚や捕食の働きをします。そして、獲物を捕らえる際に「触手」を伸ばして使います。

このことが転じて、欲しいものを得ようとして働きかけることを「触手を伸ばす」と言うようになりました。

「触手を伸ばす」の類語

「触手を伸ばす」の類語・類義語としては、悪いことをしようとしていることを意味する「魔の手を伸ばす」、進んでその物事に関係することを意味する「乗り出す」、自分の物にしようとすることを意味する「我が物にしようとする」などがあります。

「食指を伸ばす」の例文

1.「食指を伸ばす」という言葉は存在しないので、おそらく「触手を伸ばす」の言い間違いだろう。
2.「触手を伸ばす」という言葉は欲しいものを得ようとして働きかけることで、「食指を伸ばす」という言葉はない。
3.「食指を伸ばす」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.社長は物流業界に食指を伸ばそうとしているという言葉を使う人はいるが、正しくは社長は物流業界に触手を伸ばそうとしているです。
5.大物選手の獲得に触手を伸ばすという言葉はあるが、大物選手の獲得に食指を伸ばすという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「触手を伸ばす」という言葉を間違えて「食指を伸ばす」と表現している時などが挙げられます。

「食指を伸ばす」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「触手を伸ばす」を間違えて使っている可能性が高いです。

「食指を伸ばす」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「食指を伸ばす」ではなく、「触手を伸ばす」と表現するのが正しい使い方になります。

「触手を伸ばす」の例文

1.大手スーパーが私の住んでいる街にも触手を伸ばし始めたようで、建設工事を行っています。
2.マッチングアプリで出会った男性は、誰でも触手を伸ばしたくなるような、イケメン弁護士でした。
3.昨シーズン大ブレイクした大型新人に、有名クラブらが触手を伸ばす。
4.彼は豊富な資金を元に、医療機器業界にも触手を伸ばすつもりらしいです。
5.いくら生活が苦しいからと言って、消費者金融に触手を伸ばすことだけはしないようにしよう。

この言葉がよく使われる場面としては、欲しいものを得ようとして働きかけることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「触手を伸ばす」はややマイナスなイメージを持って使われることが多いです。

「食指を伸ばす」と「触手を伸ばす」どちらを使うか迷った場合は、「食指を伸ばす」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「触手を伸ばす」を使うようにしましょう。

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