【ご理解】と【ご了承】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ご理解」(読み方:ごりかい)と「ご了承」(読み方:ごりょうしょう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ご理解」と「ご了承」という言葉は、どちらも納得することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「ご理解」と「ご了承」の違い

「ご理解」と「ご了承」の意味の違い

「ご理解」と「ご了承」の違いを分かりやすく言うと、「ご理解」はすでに始まっていることに対して使う、「ご了承」はこれから行われることに対して使うという違いです。

「ご理解」と「ご了承」の使い方の違い

一つ目の「ご理解」を使った分かりやすい例としては、「この件に関してどうかご理解いただけますと幸いです」「下記の日時をお盆休暇とさせていただきます。何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます」「休業いたしますことをどうぞご理解ください」などがあります。

二つ目の「ご了承」を使った分かりやすい例としては、「急な申し出にもかかわらずご了承くださりありがとうございました」「本日は休館日となっています、何卒ご了承くださいませ」「この件は落着したとご了承いただきたいです」などがあります。

「ご理解」と「ご了承」の使い分け方

「ご理解」と「ご了承」はどちらも同じ意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「ご理解」は「ご理解ください」の言い回しで使われることが多く、すでに始まっていることに対して、許してもらう場合や納得してもらう場合に使います。

一方、「ご了承」は「ご了承ください」の言い回しで使われることが多く、これから行われることに対して許してもらう場合や納得してもらう場合に使うというのが違いです。

「ご理解」と「ご了承」の英語表記の違い

「ご理解」を英語にすると「understanding」「grasp」となり、例えば上記の「どうぞご理解ください」を英語にすると「Thank you for understanding」となります。

一方、「ご了承」を英語にすると「understand」「approve」「consent」となり、例えば上記の「この件は落着したとご了承いただきたいです」を英語にすると「Please understand that this matter has been settled」となります。

「ご理解」の意味

「ご理解」とは

「ご理解」とは、内容を飲み込むことや相手の気持ちや立場を察することを意味しています。

表現方法は「ご理解賜りますよう」「ご理解いただけますと幸いです」

「ご理解賜りますよう」「ご理解いただけますと幸いです」「ご理解ください」「ご理解申し上げます」「ご理解のほど」「ご理解いただき」などが、「ご理解」を使った一般的な言い回しになります。

「ご理解」の使い方

「ご理解」を使った分かりやすい例としては、「発売日の延期に関してご理解いただければ幸いです」「何卒ご理解とご協力のほどお願い申し上げます」「当店と致しましては一切の責任を追いかねますので何卒ご理解ください」などがあります。

「ご理解」は内容を飲み込むことや相手の気持ちや立場を察することを意味する「理解」に接頭語の「ご」を付けた言葉です。

「ご理解」はビジネスシーンにおいてよく使われている言葉で、前後の文章を丁寧な表現にすることによって上司や取引先などの目上の人対して使うことができます。また、口語として会話だけではなく、ビジネスメールや書類などの文章でもよく使われている表現です。

「ご理解ください」の意味

よく使われている言い回しの「ご理解ください」は自分の事情や立場などを察して、許してもらう場合や納得してもらう場合に使う言葉になります。

「ご理解」の類語

「ご理解」の類語・類義語としては、寛大な心で罪を許してもらうことを意味する「ご寛恕」(読み方:ごかんじょ)、相手の失敗を許すことを意味する「ご容赦」(読み方:ごようしゃ)などがあります。

「ご了承」の意味

「ご了承」とは

「ご了承」とは、事情を汲んで納得することや承知することを意味しています。

表現方法は「ご了承いただきますよう」「ご了承願います」「ご了承ください」

「ご了承いただきますよう」「ご了承願います」「ご了承ください」「何卒ご了承」「ご了承のもと」「予めご了承」「ご了承いただけますよう」などが、「ご了承」を使った一般的な言い回しになります。

「ご了承」の使い方

「ご了承」を使った分かりやすい例としては、「来月から休業させていただきます、何卒ご了承ください」「放送されない地域もあるのでご了承ください」「天候によっては中止もありますのでご了承願います」などがあります。

「ご了承」は事情を汲んで納得することや承知することを意味する「承知」に接頭語の「ご」を付けた言葉です。また、ビジネスシーンにおいてよく使われています。

ただし、「ご了承」は強制的という意味が含まれているため、ビジネスシーンで目上の人に対して使う場合は失礼に当たることがあります。

したがって、目上の人に対して使う場合には「ご了承願います」「ご了承くださいますようお願い申し上げます」「お含みおき願います」

「ご了承」の類語

「ご了承」の類語・類義語としては、相手の立場や事情を思いやって許すことを意味する「ご諒恕」(読み方:ごりょうじょ)、相手の事情などを理解して許してもらうことを意味する「ご承知」などがあります。

「ご理解」の例文

1.休業中、お客様には大変ご不便をお掛け致しますが、どうかご理解いただきますようお願い申し上げます。
2.地震の影響により商品の到着が遅れる可能性があります。ご理解のほど何卒よろしくお願いいたします。
3.こちらの商品の発売を延期することとなりました。多大なるご迷惑をお掛けいたしますこと、深くお詫び申し上げますとともに、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
4.来月の第4週に休暇をいだくこととなりました。ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解賜りますようお願いいたします。
5.お返事にお時間をいただく場合がございますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
6.会場内の密な状態を避けるため、保護者の皆さまのご列席をご遠慮いただくこととなりました。何とぞご理解ご協力賜りますようお願いいたします。
7.ご飲食時以外は、マスクのご着用をお願いしております。みなさま、ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。
8.駐車場のトラブルにつきましては、当店は一切の責任を負いかねますので、何卒ご理解の程お願いいたします。
9.本日は棚卸作業のために17時閉店となります。お客様にはご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。
10.諸事情につき誠に勝手ながら、公開の日程を8日から10日に変更させていただきました。ご理解賜りますと幸いです。

この言葉がよく使われる場面としては、内容を飲み込むことや相手の気持ちや立場を察することを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「ご理解」はビジネスシーンにおいてよく使わている言葉です。

「ご了承」の例文

1.12月30日から1月3日までお正月休みとさせていただきます。何卒ご了承ください。
2.こちらの商品はご予約のみの販売となっております。ご了承ください。
3.数に限りがありますので、無くなり次第終了となります。予めご了承ください。
4.忘年会の日程ですが、下記の理由により変更いたします。ご了承いただけますか。
5.ご応募いただいたハガキ、バーコード等はご返却できませんので、ご了承願います。
6.この度のイベントのライブ配信は、悪天候等諸事情で時間が変更になる場合がございますのであらかじめご了承ください。
7.来月から長期休業に入らせていただきますので、何卒ご了承ください。休業中の諸連絡については電話ではなく、メールでお願いします。
8.後になって何か間違いが発生することがないように、会話はすべて録音させていただきますのでどうぞご了承ください。
9.これはあくまでフィクションなので、一部の時代背景の描写が実際と異なっている場合がありますのでどうかご了承くださいませ。
10.キャンペーン終了後にポイント申請いただいても無効となりますので、どうかご了承いただけますようよろしくお願いいたします。

この言葉がよく使われる場面としては、事情を汲んで納得することや承知することを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「ご了承」はビジネスシーンにおいてよく使わている言葉です。

「ご理解」と「ご了承」はどちらも納得することを表しています。どちらの言葉を使うか迷った場合、すでに始まっていることに対して使うのが「ご理解」、これから行われることに対して使うのが「ご了承」と覚えておきましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター