似た意味を持つ「愚問」(読み方:ぐもん)と「愚問愚答」(読み方:ぐもんぐとう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「愚問」と「愚問愚答」という言葉は、どちらも「つまらない質問」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
愚問と愚問愚答の違い
愚問と愚問愚答の意味の違い
愚問と愚問愚答の違いを分かりやすく言うと、愚問とは馬鹿らしい質問を投げかけること、愚問愚答とは馬鹿らしい質問と答えのやり取りという違いです。
愚問と愚問愚答の使い方の違い
一つ目の愚問を使った分かりやすい例としては、「家庭と仕事どちらを優先するかなんて、それは愚問だよ」「そんな愚問には答えたくない」「愚問で恐縮ですが、この打ち合わせの目的は何ですか」などがあります。
二つ目の愚問愚答を使った分かりやすい例としては、「いつまで愚問愚答を続けるつもりですか」「与党と野党の愚問愚答の繰り返しに呆れてしまう」「話がくい違い、愚問愚答となってしまった」などがあります。
愚問と愚問愚答の使い分け方
愚問と愚問愚答という言葉は、どちらも「つまらない質問、馬鹿げた質問」を表しますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。
愚問とは、愚かな質問を意味します。いちいち聞く必要がない問いかけであったり、誰でも当然のように答えられる質問や、無益な馬鹿げた質問などを指す言葉です。また、「愚問で恐縮ですが」のように、自分の質問をへりくだって表現する時にも用いられています。
愚問愚答とは、愚かな質問と答え、程度の低い問答を意味します。質問する内容も、それに答える内容も程度が低くて馬鹿らしいやり取りを表す四字熟語です。
つまり、愚問は馬鹿らしい質問を一方的に投げかけることを表しますが、愚問愚答は馬鹿らしい内容を互いにやり取りする様子を表します。また、愚問には謙遜の意味もありますが、愚問愚答はそのような意味合いを持ちません。これらが、愚問と愚問愚答という言葉の明確な違いになります。
愚問と愚問愚答の英語表記の違い
愚問を英語にすると「foolish question」「silly question」となり、例えば上記の「それは愚問だね」を英語にすると「It’s a silly question」となります。
一方、愚問愚答を英語にすると「silly questions and silly answers」「a silly dialogue」となり、例えば上記の「愚問愚答を続ける」を英語にすると「continue a silly dialogue」となります。
愚問の意味
愚問とは
愚問とは、愚かな質問、自分の質問をへりくだっていう語を意味しています。
愚問の使い方
愚問を使った分かりやすい例としては、「どちらの仕事が尊いかという問いは愚問です」「あまりの愚問に失笑してしまった」「愚問で申し訳ありませんが教えてください」「好きか嫌いかなんて愚問と言われた」などがあります。
その他にも、「愚問で失礼しますが、その話は本当なのですか」「愚問ではあるのですが確認させて下さい」「愚問とは言わないが当たり前のことだろう」「そんな質問はまったくの愚問だな」「なぜ英語が必要かなんて愚問ですね」などがあります。
愚問の「愚」は訓読みで「おろか」と読み、馬鹿げているさまを表し、「問」は人に問いただすこと、尋ねることを表します。愚問とは、つまらない質問やくだらない質問、的外れな問いなどを意味する言葉です。
「愚問ですが」の使い方
また、「愚問ですが」などの言い回しで、自分の質問をへりくだっていう時にも用いられています。「愚」という漢字は、自分に関する物事に添えて謙遜を表し、他にも、自分の意見をへりくだっていう「愚見」、自分の息子をへりくだっていう「愚息」などがあります。
表現方法は「愚問だね」「愚問かもしれませんが」「愚問ですね」
上記以外では「愚問だね」「愚問かもしれませんが」「愚問ですね」などが、愚問を使った一般的な言い回しです。
愚問の対義語
愚問の対義語・反対語としては、愚かな答えを意味する「愚答」、見当違いのおかしな答えを意味する「珍答」、質問や要求などに答えることを意味する「回答」、問いかけや呼びかけに答えることを意味する「応答」などがあります。
愚問の類語
愚問の類語・類義語としては、とるに足らない論議や愚かな議論を意味する「愚論」、奇抜な質問や変な出問を意味する「奇問」、的外れの珍妙な質問を意味する「珍問」などがあります。
愚問愚答の意味
愚問愚答とは
愚問愚答とは、愚かな問答、無意味な問答を意味しています。
愚問愚答の使い方
愚問愚答を使った分かりやすい例としては、「バラエティ番組で司会者とゲストが愚問愚答を繰り返している」「英語を話す練習の例文には愚問愚答が多いと思う」「不倫の記者会見は愚問愚答の応酬となっていた」などがあります。
その他にも、「国会の質疑応答は愚問愚答が多いと思う」「愚問愚答を続けていては解決しないだろう」「愚問愚答のくり返しとならないように気を付けよう」「感情的になった保護者と担任の教師が愚問愚答になってしまった」などがあります。
愚問愚答とは、つまらない質問と馬鹿げた回答を意味し、聞く方も答える方もくだらないことのたとえに用いられる四字熟語です。「愚問」はくだらない問い、「愚答」はつまらない答えのことで、二つを組み合わせることにより、非常に馬鹿馬鹿しいやり取りを表します。
愚問愚答の類語
愚問愚答の類語・類義語としては、会議などの場で質問とそれに対する答えを意味する「質疑応答」、互いに自分の見解を主張してあとにひかず言い争うことを意味する「押し問答」、両者が互いに自説にこだわっていつまでも争うことを意味する「水掛け論」などがあります。
愚問の例文
この言葉がよく使われる場面としては、つまらない質問、自分の質問のことをへりくだっていう語を表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4の文中にある愚問は、つまらない質問や、焦点のはずれた問いを意味しています。例文5の愚問は、自分の質問を謙遜する意味合いがあります。
愚問愚答の例文
この言葉がよく使われる場面としては、愚かしい内容の問答を表現したい時などが挙げられます。
愚問愚答という言葉は、上記の例文にあるように、意味のない無益な問答というマイナスイメージを伴います。
愚問と愚問愚答という言葉は、どちらも「つまらない質問」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、つまらない質問を表現したい時は「愚問」を、つまらない質問と馬鹿げた回答を表現したい時は「愚問愚答」を使うようにしましょう。