同じ「ください」という読み方の「ください」と「下さい」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ください」と「下さい」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの言葉によって使い方には少し違いがあります。
「ください」と「下さい」の違い
「ください」と「下さい」の意味の違い
「ください」と「下さい」の違いを分かりやすく言うと、「ください」とは補助動詞、「下さい」とは動詞という違いです。
「ください」と「下さい」の使い方の違い
一つ目の「ください」を使った分かりやすい例としては、「お困りのことがありましたら近くのスタッフにお申し付けください」「何か不具合が起きた場合はすぐにご報告ください」「ドアを閉めてください」などがあります。
二つ目の「下さい」を使った分かりやすい例としては、「納品までもう少し時間を下さい」「どうしたら上達するかアドバイスを下さい」「喉が渇いたので何かお飲み物を下さい」「牛肉を2キログラム下さい」などがあります。
「ください」と「下さい」の使い分け方
「ください」と「下さい」は同音の言葉ですが、意味は異なっているので間違えないように注意しましょう。
「ください」は相手に何かをお願いすることを意味しており、「お申し付けください」「お越しください」「お気をつけください」などのように補助動詞として使うのが一般的です。
一方、「下さい」は相手に物や何かを請求することを意味しており、「お菓子を一つ下さい」「もう少し時間を下さい」「何か飲み物を下さい」などのように、動詞として使う言葉になります。
つまり、「ください」は補助動詞として使うのに対して、「下さい」は動詞として使うのというのが違いです。
「ください」と「下さい」の英語表記の違い
「ください」を英語にすると「please」となり、例えば上記の「ドアを閉めてください」を英語にすると「Would you please shut the door」となります。
一方、「下さい」を英語にすると「give」となり、例えば上記の「牛肉を2キログラム下さい」を英語にすると「Give me two kilogram of beef」となります。
「ください」の意味
「ください」とは
「ください」とは、相手に何かをお願いすることを意味しています。
「ください」の使い方
「ください」を使った分かりやすい例としては、「それではお手元の資料をご覧ください」「問題点があれば私に話してください」「追加料金は発生しませんのでご安心ください」「どうぞお気をつけてお越しください」などがあります。
「ください」は敬意などを示す場合に使うので、ビジネスシーンにおいてもよく使われている表現です。
「ください」は補助動詞
「ください」は相手に何かをお願いすることを意味しており、補助動詞として使う言葉です。また、相手に敬意を示しているというニュアンスがあります。
補助動詞とは、動詞が本来の意味と独立性を失って、付属的な意味を添えるものとして用いられる言葉のことを意味しています。
分かりやすい例を挙げると、「私はアメリカ人である」の「ある」、「雨が降っている」の「いる」、「テレビを見ていらっしゃる」の「いらっしゃる」、「送ってください」の「ください」など、断定や動作の様態や敬意などを示すものとして使います。
そのため、「お気をつけてお越しください」「お申し付けください」などを、「お気をつけてお越し下さい」「お申し付け下さい」とするのは間違った使い方になります。
「ください」の類語
「ください」の類語・類義語としては、願うことを意味する「お願い」、相手にこちらが希望するようにしてくれることを伝えて願うことを意味する「頼む」などがあります。
「下さい」の意味
「下さい」とは
「下さい」とは、相手に物や何かを請求することを意味しています。
「下さい」の使い方
「下さい」を使った分かりやすい例としては、「チーズバーガーを二つ下さい」「もう少し考える時間を下さい」「コーヒーをお一つ下さい」「もう使ってないようでしたら私に下さい」「食べきれないのでしたら私に下さい」などがあります。
「下さい」は相手に物や何かを請求することを意味しており、動詞として使う言葉です。つまり、「食べ物を下さい」「時間を下さい」「アドバイスを下さい」などのように、何かをもらうというニュアンスで使うのが一般的になっています。
動詞とは物事の動作、作用、存在などを表わす言葉を指しています。「下さい」以外の他の動詞を挙げると、「行く」「泣く」「笑う」「走る」「捨てる」「拾う」「歩く」「起きる」「泳ぐ」「遊ぶ」「生きる」「挟む」「入れる」「動く」などがあります。
「下さい」の類語
「下さい」の類語・類義語としては、物を与えてくれと親しみの気持ちをこめて促すことを意味する「頂戴」、贈られたり頼んだりして受け取り自分のものとすることを意味する「貰う」などがあります。
「ください」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手に何かをお願いすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「ください」は補助動詞として使う言葉になります。
「下さい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手に物や何かを請求することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「下さい」は動詞として使う言葉になります。
「ください」と「下さい」は同音の言葉ですが意味が異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、相手に何かをお願いすることの意味で補助動詞として使うのが「ください」、相手に物や何かを請求するこの意味で動詞として使うのが「下さい」と覚えておきましょう。