似た意味を持つ「誠に勝手ながら」(読み方:まことにかってながら)と「誠に恐れ入りますが」(読み方:まことにおそれいりますが)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「誠に勝手ながら」と「誠に恐れ入りますが」という言葉は、どちらも申し訳なく思うことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「誠に勝手ながら」と「誠に恐れ入りますが」の違い
「誠に勝手ながら」と「誠に恐れ入りますが」の意味の違い
「誠に勝手ながら」と「誠に恐れ入りますが」の違いを分かりやすく言うと、「誠に勝手ながら」とはこちらの都合に関わらずという気持ちを伝えること、「誠に恐れ入りますが」とは相手に迷惑をかけることを申し訳なく思うことです。
「誠に勝手ながら」と「誠に恐れ入りますが」の使い方の違い
一つ目の「誠に勝手ながら」を使った分かりやすい例としては、「誠に勝手ながら来月末をもって退職させていただきます」「誠に勝手ながら本日は休館日とさせていただきます」などがあります。
二つ目の「誠に恐れ入りますが」を使った分かりやすい例としては、「誠に恐れ入りますがご了承のほどお願いいたします」「誠に恐れ入りますがこちらでの飲食は禁止となっております」などがあります。
「誠に勝手ながら」と「誠に恐れ入りますが」の使い分け方
「誠に勝手ながら」と「誠に恐れ入りますが」はどちらも似た意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「誠に勝手ながら」は、こちらの都合で迷惑をかけて申し訳ないという気持ちを伝える場合に使います。一方、「誠に恐れ入りますが」は自分の至らなさのせいで迷惑をかけて申し訳ないという意味で使うというのが違いです。
「誠に勝手ながら」と「誠に恐れ入りますが」の英語表記の違い
「誠に勝手ながら」も「誠に恐れ入りますが」も日本特有の表現方法なので、直訳した英語表現はありません。近い表現を挙げるならば、「I’m afraid that」「I am sorry to trouble you, but」などがあります。
「誠に勝手ながら」の意味
「誠に勝手ながら」とは
「誠に勝手ながら」とは、こちらの都合に関わらずという気持ちを伝えることを意味しています。
「誠に勝手ながら」の使い方
「誠に勝手ながら」を使った分かりやすい例としては、「誠に勝手ながら当店は今月末を閉店いたします」「誠に勝手ながらゴールディンウィークは休業とさせていただきます」「誠に勝手ながら今回のご依頼は辞退させていただきます」などがあります。
「誠に勝手ながら」はこちらの都合に関わらずという気持ちを伝えることを意味しており、自分の都合によって相手に迷惑や手間を取らせてしまう場合に使うクッション言葉として使用します。
クッション言葉とは、「大変恐れ入りますが」「大変申し訳ございませんが」「大変ありがたいお話なのですが」「不本意ではございますが」などのように、伝えたい本題に入る前に一言添えて気遣いを示す言葉のことです。
「誠に勝手ながら」は敬語表現ではないのですが、前後の文章を丁寧な表現にすることによって、ビジネスシーンにおいて目上の人に使うことができます。
「誠に勝手ではございますが」「誠に勝手とは存じますが」でより丁寧な印象に
また、「ながら」という表現に敬意を感じないという人もいるので、「誠に勝手ではございますが」「誠に勝手とは存じますが」などとすることによって、より丁寧な印象を与えることも可能です。
「誠に勝手ながら」の類語
「誠に勝手ながら」の類語・類義語としては、相手に迷惑をかけたり世話になったことに対して申し訳なく思うことを意味する「大変恐縮ですが」、相手に依頼やお願いをすること「お手数ですが」などがあります。
「誠に恐れ入りますが」の意味
「誠に恐れ入りますが」とは
「誠に恐れ入りますが」とは、相手に迷惑をかけることを申し訳なく思うことを意味しています。
表現方法は「誠に恐れ入りますがご了承」「誠に恐れ入りますがご理解」
「誠に恐れ入りますがご了承」「誠に恐れ入りますがご理解」などが、「誠に恐れ入りますが」を使った一般的な言い回しになります。
「誠に恐れ入りますが」の使い方
「誠に恐れ入りますが」を使った分かりやすい例としては、「誠に恐れ入りますが館内での喫煙は禁止となっております」「誠に恐れ入りますがお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」「誠に恐れ入りますがこちらの件をご検討いただけると幸いです」などがあります。
「誠に恐れ入りますが」は自分の至らなさが原因で相手に迷惑をかけることを申し訳なく思うことを伝えるクッション言葉になります。また、ビジネスシーンにおいてよく使われている表現です。
「誠に恐れ入りますが」を使うパターンは2つあります。
一つ目は「誠に恐れ入りますがご参加を願います」「誠に恐れ入りますがこちらの書類に記入をお願いします」などのように、相手に何かをしてもらう場合に使います。
二つ目は「誠に恐れ入りますがお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」「誠に恐れ入りますがお話を伺っても大丈夫でしょうか」などのように、相手に何かを尋ねる場合です。
「誠に恐れ入りますが」の類語
「誠に恐れ入りますが」の類語・類義語としては、相手に迷惑をかけたり相手の厚意を受けたりして申し訳なく思うことを意味する「恐縮ですが」、手間を使わせてしまうことを意味する「ご面倒をおかけしますが」などがあります。
「誠に勝手ながら」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、こちらの都合に関わらずという気持ちを伝えることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「誠に勝手ながら」はビジネスシーンにおいて使われている言葉です。
「誠に恐れ入りますが」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手に迷惑をかけることを申し訳なく思うことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「誠に恐れ入りますが」はビジネスシーンにおいて使われている言葉です。
「誠に勝手ながら」と「誠に恐れりますが」はどちらも申し訳なく思うことを表します。
どちらの言葉を使うか迷った場合、こちらの都合に関わらずという気持ちを伝えることを表現したい時は「誠に勝手ながら」を、相手に迷惑をかけることを申し訳なく思うことを表現したい時は「誠に恐れ入りますが」を使うと覚えておきましょう。