似た言葉である「うってかわって」と「とってかわって」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「うってかわって」と「とってかわって」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
「うってかわって」と「とってかわって」の違い
「うってかわって」と「とってかわって」の意味の違い
「うってかわって」と「とってかわって」の違いを分かりやすく言うと、「うってかわって」とは前の状態とは全く変わること、「とってかわって」とは入れ代わることという違いです。
「うってかわって」と「とってかわって」の使い方の違い
一つ目の「うってかわって」を使った分かりやすい例としては、「昨日とはうってかわって大雨が降っている」「今期のアニメは前期までとはうってかわって面白くありません」「今日は昨日とうってかわって寒い」などがあります。
二つ目の「とってかわって」を使った分かりやすい例としては、「豊臣秀吉にとってかわって徳川家康が天下統一する」「退任を表明した社長にとってかわって専務が社長となる」「テレビにとってかわってYouTubeを見る人が増えた」などがあります。
「うってかわって」と「とってかわって」の使い分け方
「うってかわって」と「とってかわって」は発音や表記が似た言葉ですが、意味は全く異なっているので間違えないように注意しましょう。
「うってかわって」は前の状態とは全く変わることを意味しており、「彼は昨日とはうってかわって元気だ」「先週とはうってかわってとても晴れている」などのように、人や物事の状況が変わっっている場合に使います。
一方、「とってかわって」は入れ代わることを意味しており、「織田信長にとってかわって豊臣秀吉が天下統一する」「最近は現金にとってかわって電子マネーを使う人が増えた」などのように、人や物事の状況が入れ代わった場合に使うというのが違いです。
「うってかわって」と「とってかわって」の英語表記の違い
「うってかわって」を英語にすると「complete change」となり、例えば上記の「今日は昨日とうってかわって寒い」を英語にすると「Today is a complete change from yesterday and it is coid」となります。
一方、「とってかわって」を英語にすると「replace」「take the place of」「supplant」となり、例えば上記の「テレビにとってかわってYouTubeを見る人が増えた」を英語にすると「YouTube has replaced TV for a growing number of people」となります。
「うってかわって」の意味
「うってかわって」とは
「うってかわって」とは、前の状態とは全く変わることを意味しています。
表現方法は「○○とはうってかわって」「○○とうってかわって」
「○○とはうってかわって」「○○とうってかわって」などが、「うってかわって」を使った一般的な言い回しなります。
「うってかわって」の使い方
「うってかわって」を使った分かりやすい例としては、「昨日とはうってかわって快晴です」「行きとはうってかわって高速道路が混雑している」「午前中とはうってかわって午後は忙しい」「昨日とはうってかわって今日の彼女は静かです」などがあります。
「うってかわって」は前の状態や態度と全く変わることを意味する「打って変わる」が変形した言葉です。そのため、漢字で表記すると「打って変わって」となります。ただし、漢字で書くことがあまり一般的ではないので、平仮名で表記して問題ありません。
「打って代わって」という漢字は誤り
また、「うってかわって」は人や物事の状態が前と全く変わる場合に使う言葉なので、間違って「代わる」という漢字を使って、「打って代わる」としないように気を付けましょう。
「うってかわって」はビジネシーンで多用しない方が良い
「うってかわって」はビジネシーンにおいて多用できる言葉ではありません。前の状況や状態から全く変わることなので、相手に失礼な印象を与えることが多いからです。ただし、「今までとはうってかわって新商品が売れるようになった」のような場合は使っても問題ないでしょう。
「うってかわって」の類語
「うってかわって」の類語・類義語としては、有り様ががらりと変わることを意味する「一転して」、すっかり変わることを意味する「一変する」、言葉や態度などがそれまでとがらりと変わることを意味する「手の平を返す」などがあります。
「とってかわって」の意味
「とってかわって」とは
「とってかわって」とは、入れ代わることを意味しています。
表現方法は「○○にとってかわって」
「○○にとってかわって」が、「とってかわって」を使った一般的な言い回しになります。
「とってかわって」の使い方
「とってかわって」を使った分かりやすい例としては、「彼は前監督にとってかわって指揮を取ることとなりました」「人間にとってかわってAIが仕事をする時代が来るのだろうか」「古い制度にとってかわって新しい制度になりました」などがあります。
「とってかわって」の漢字表記
「とってかわって」は入れ代わることや交代することを意味する「取って代わる」が変形した言葉です。そのため、漢字で表記すると「取って代わって」となります。そのため、間違って「取って変わって」としないように気を付けましょう。
「とってかわって」はただ単純に入れ代わるのではなく、優位な地位や場所を他のもの代わり占める場合に使います。ただ単純に入れ代わる場合は「代わる」を使うのが適しています。
「とってかわって」の類語
「とってかわって」の類語・類義語としては、前のものに代わって他のものが入ることを意味する「入れ代わる」、前の人が残した仕事などを引き受けて行うことを意味する「受け継ぐ」、役割や位置などを互いに入れかえることを意味する「交代する」などがあります。
「うってかわって」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、前の状態とは全く変わることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「うってかわって」は物事の状況や状態が変わった場合に使われている言葉です。
「とってかわって」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、入れ代わることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「とってかわって」は、物事の状況が入れ代わった場合に使われている言葉です。
「うってかわって」と「とってかわって」は似た日本語ですが意味は異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、前の状態とは全く変わることを表現したい時は「うってかわって」を、入れ代わることを表現したい時は「とってかわって」を使うと覚えておきましょう。