【求道者】と【修行者】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「求道者」(読み方:きゅうどうしゃ)と「修行者」(読み方:しゅぎょうじゃ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「求道者」と「修行者」という言葉は、どちらも「宗教や武芸などを修行する人」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




求道者と修行者の違い

求道者と修行者の意味の違い

求道者と修行者の違いを分かりやすく言うと、修行者よりも求道者の方が、その道を極めようとする度合いが大きいという違いです。

求道者と修行者の使い方の違い

一つ目の求道者を使った分かりやすい例としては、「彼こそ真実の求道者だろう」「私はかつてカトリックキリスト教の求道者でした」「冬季オリンピックの選手は雪の求道者だ」「求道者のように作品作りに打ち込む」などがあります。

二つ目の修行者を使った分かりやすい例としては、「仏道の修行者はひたすら坐禅に励みます」「彼は出家して修行者となっている」「その教えは柔道修行者の間で繰り返し説かれています」「古典芸能の修行者として稽古に励んでいます」などがあります。

求道者と修行者の使い分け方

求道者と修行者とは、宗教や学問、スポーツなどの分野において修行する人を表しますが、意味や使い方には少し違いがあります。

求道者とは、真理や悟りを求めて修行する人のことです。上記の例文にあるように、宗教に限らず、芸術やスポーツあるいは学問など様々な分野で、その道における究極の領域を求める人のことを表します。

修行者とは、仏教用語で仏道の修行をする者や、修験道などの修行をする者を意味します。また、「柔道修行者」「古典芸能の修行者」のように、武道や技芸などを修業する人の意味も持っています。

求道者と修行者を比べると、ある分野の真理を求める求道者の方が、その道を極めるという意味合いが強い言葉だと言えるでしょう。

求道者と修行者の英語表記の違い

求道者を英語にすると「seeker」「one who seeks the way」「investigator」となり、例えば上記の「a seeker after truth」を英語にすると「真実の求道者」となります。

一方、修行者を英語にすると「disciplinant」「practitioner」となり、例えば上記の「仏道の修行者」を英語にすると「practitioner of Buddhism」となります。

求道者の意味

求道者とは

求道者とは、真理や宗教的な悟りを求めて修行する人を意味しています。

求道者の読み方

求道者の読み方は二通りあり、「きゅうどうしゃ」の他に「ぐどうしゃ」があります。「ぐどうしゃ」と読む場合、仏教用語になり、仏道を求める人や、仏道の極致を求めて修行する者の意味になります。読み方によって意味が異なるので注意しましょう。

求道者の使い方

求道者を使った分かりやすい例としては、「キリスト教の求道者は聖書の教えを探求しようとする」「私はカトリックを学び始めたばかりの求道者です」「自分は弓道の求道者だと自負しています」などがあります。

その他にも、「英語の求道者と言われる塾講師がいます」「名人になってもなお将棋を極めようとする求道者ぶりに感動しました」「笑いの求道者と呼ばれる函館出身の有名人がいます」「フランス語の求道者として翻訳活動しています」などがあります。

求道者という言葉の「求道」とは、真理や宗教的な悟りを求めて修行することを表します。求道者とは、真理や悟りを求めて修行する人や精進をする人を意味する言葉です。上記の例文にあるように、宗教の分野だけでなく、スポーツや学問あるいは芸能など多岐にわたり、その道を極める人を表します。

求道者の対義語

求道者の対義語・反対語としては、超え出た先の領域に存在する者を意味する「超越者」、高い学識や深い信仰を持つ理想的な人を意味する「聖人」などがあります。

求道者の類語

求道者の類語・類義語としては、あるものを得ようとしてあちこち探し回る人を意味する「探求者」、常に経典を受持して読誦を行う者を意味する「持経者」などがあります。

修行者の意味

修行者とは

修行者とは、仏道の修行をする人、仏道修行のため托鉢してまわる僧を意味しています。

その他にも、「武芸を修行する人」の意味も持っています。

修行者の読み方

修行者の読み方は、「しゅぎょうじゃ」のほかに「しゅぎょうしゃ」とも読みます。また、古典的な読み方には「すぎょうざ」もあります。

修行者の使い方

「インドの修行者は托鉢によって食べ物を得ていました」「外国人向けの修行者体験は英語で案内します」「山奥には修行者の隠れ家があるらしい」「仏道に専念する修行者の歌が伝えられています」などの文中で使われている修行者は、「仏道の修行をする人」の意味で使われています。

一方、「彼は少林寺拳法の修行者です」「ヨガ修行者の覚書に多くのポーズが書かれていた」「伝統工芸の修行者に対する給付金があります」などの文中で使われている修行者は、「武芸を修行する人」の意味で使われています。

修行者という言葉の「修行」とは、仏道に努めること、学問や技芸を磨くために努力して学ぶことを意味します。もともとは仏教語でしたが、現在は幅広く使われています。修行者とは、 仏道の修行をする人や諸国を托鉢遊行して修行をする者、 武道技芸などを修業する人のことです。

修行者を用いた有名な古典文学

修行者を用いた有名な古典文学「伊勢物語」の一文には、「すずろなるめを見ることと思ふに、修行者あひたり」があります。「修行者あひたり」は、現代仮名遣いにすると「すぎょうざあいたり」となり、「修行者が出会った」という意味になります。

修行者の対義語

修行者の対義語・反対語としては、 仏法に通じた徳の高い僧を意味する「高僧」、知徳のすぐれた僧や名高い僧を意味する「名僧」、徳の高い僧や高僧の尊称を意味する「聖人」などがあります。

修行者の類語

修行者の類語・類義語としては、仏道を修行する人を意味する「行者」、山野に住んで修行する僧を意味する「山伏」、修験道の行者を意味する「修験者」、師について学問や技芸の教えを受ける人を意味する「弟子」などがあります。

求道者の例文

1.私はカトリックキリスト教の求道者として、定期的に教会に通っています。
2.オリンピックは、スポーツの求道者たちが集まる4年に1度の祭典です。
3.尊敬する教授は、専門職を志す者は求道者たれ、と何度もお話しされていました。
4.衣装の求道者と呼ばれるデザイナーのもとに、各界の有名人から注文が殺到しています。
5.占いによると、私の性格は物事をとことん追究する求道者タイプらしい。
6.私が好きなある料理研究家は、いい素材と簡単な調理法で究極にシンプルで極上の味を編み出すまるで料理の求道者のような人だ。
7.高級ブランドメーカーとは商人であると同時に求道者でもある。そのどちらかが欠けていてはいけないのだ。
8.ノーベル物理学賞を受賞してからも、新しい理論を探し求める求道者ぶりにはいたく感動いたしました。
9.わたくしは幼少期から剣道を始めて、すでに50年経ちまして、今では剣道の求道者を自負しております。
10.事件の後は仏門に入り求道者になることも考えましたが、そのまま俗世で生きることを選びました。

この言葉がよく使われる場面としては、真理や悟りなどを求めて修行する人のことを表現したい時などが挙げられます。

求道者という言葉は、真理を求める人を意味し、上記の例文にあるように様々な分野で用いられる言葉です。

例文1の求道者は「きゅうどうしゃ」と読み、キリスト教の用語として、洗礼を受ける前の人や信仰を持ち祈りを捧げる人を意味します。他方、仏教における求道者は「ぐどうしゃ」と読み、読み方が異なります。

修行者の例文

1.大乗仏教には、出家した修行者だけでなく出家していない人々も救済するという考え方があります。
2.僧堂は、修行者が集団生活を行いながら仏道修行に励む場です。
3.柔道における昇段審議は、技の体得だけでなく、修行者の品性や柔道精神の修得も考慮されています。
4.空手の外国人修行者に対し、英語で指導する道場が増えています。
5.私は本場フランスでの下積み時代に、修行者の覚書としてレシピをたくさん書き溜めていました。
6.神々が宿るといわれる山へ籠り厳しい修行をすることで悟りを得る修行者を修験者または山伏とよびます。
7.いくら歳を重ねても人生の修行者であることには変わりない。いつだって初めてのことばかりなのだからね。
8.有名なお寺の修行者体験をしてみたが、とくに滝行では思うように声が出なくなるほど冷たくつらいものであった。
9.仏教の修行者は托鉢によって人々から食べ物や金銭を恵んでもらう。タイばかりでなく日本でも見かけることもあるだろう。
10.この山奥には修行者だけが入れる道場があると聞くが、現地の人々でも詳しいことはほとんど知られていない。

この言葉がよく使われる場面としては、仏道の修行をする人、行者、武道や技芸などを修行する人を表現したい時などが挙げられます。

例文1や例文2の文中にある修行者は、「仏道の修行をする人」の意味で用いられています。例文3から例文5にある修行者は、「武道や技芸などを修行する人」の意味で用いられています。

求道者と修行者という言葉は、どちらも「宗教や武芸などを修行する人」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、真理を追求して、その道を極めようとする人を表現したい時は「求道者」を使うようにしましょう。

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