似た意味を持つ「韻を踏む」(読み方:いんをふむ)と「韻を押す」(読み方:いんをおす)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「韻を踏む」と「韻を押す」という言葉は、どちらも同韻の字を詩句の特定の場所に用いることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「韻を踏む」と「韻を押す」の違い
「韻を踏む」と「韻を押す」の意味の違い
「韻を踏む」と「韻を押す」の違いを分かりやすく言うと、「韻を踏む」の方が「韻を押す」よりもやや一般的に使われているという違いです。
「韻を踏む」と「韻を押す」の使い方の違い
一つ目の「韻を踏む」を使った分かりやすい例としては、「韻を踏む時は子音を忘れていいことを知りました」「彼はたくさん韻を踏めるので頭の回転が速いと思う」「この曲は韻の踏み方が素敵です」「りんごと韻を踏む言葉が思いつきません」などがあります。
二つ目の「韻を押す」を使った分かりやすい例としては、「彼女は韻を押す歌詞を作るのが上手です」「韻を押すコツがあれば教えてください」「韻を押した文章は記憶に残りやすいです」「グリーンと韻を押す言葉が思いつきません」などがあります。
「韻を踏む」と「韻を押す」の使い分け方
「韻を踏む」と「韻を押す」はどちらも努力や苦労が無駄になることを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「韻を踏む」の方が「韻を押す」よりもやや一般的に使われているという点です。
ただし、どちらも正しい日本語であり、お互いに置き換えても問題ない言葉なので、基本的には好きな方を使って問題ないと覚えておきましょう。
「韻を踏む」と「韻を押す」の英語表記の違い
「韻を踏む」も「韻を押す」も英語にすると「rhyme」となり、例えば上記の「りんごと韻を踏む言葉が思いつきません」を英語にすると「I can’t think of a rhyme for “apple”.」となります。
「韻を踏む」の意味
「韻を踏む」とは
「韻を踏む」とは、同韻の字を詩句の特定の場所に用いることを意味しています。
表現方法は「韻を踏むコツ」「韻を踏む初心者」「韻を踏む歌詞」
「韻を踏むコツ」「韻を踏む初心者」「韻を踏む歌詞」「韻を踏む曲」などが、「韻を踏む」を使った一般的な言い回しになります。
「韻を踏む」の使い方
「韻を踏む」を使った分かりやすい例としては、「韻が踏まれている歌は口ずさみやすいです」「彼は韻を踏むのがとても上手です」「ラップが好きになり、韻を踏む練習をしている」「韻を踏んだ文章は耳に残りやすいです」などがあります。
「韻を踏む」は同韻の字を詩句の特定の場所に用いることを意味しており、「韻を踏む」表現を使うのは主に、歌詞、小説、詩などになります。また、ラップやヒップホップなどで使われている印象が強い人も多いでしょう。
「韻を踏む」の「韻」には、脚韻、頭韻、母韻、子韻の4つの種類があります。
脚韻とは同じ音で終わる単語を繰り返すことで、分かりやすい例を挙げると、コンビニエンスストアのセブンイレブンのキャッチコピーである「セブンイレブンいい気分」があります。
頭韻とは同じ音で始まる単語を繰り返すことで、分かりやすい例を挙げると、「為せば成る為さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり」があります。
母韻とは「a i u e o」の発音になる母韻で韻を踏むことで「韻を踏む」というと母音を思い浮かべる人も多いでしょう。分かりやすい例を挙げると、「嘘を信じていく全てはフェイク」があります。
子韻とは「a i u e o」ではない音で韻を踏むことで、日本語ではあまり使いませんが英語ではよく使われています。分かりやすい例を挙げると、「Coca-Cola」があります。
「韻を踏む」の由来
「韻を踏む」の由来は中国の歌の形式である絶句です。絶句とは漢詩の詩体の一つになります。起、承、転、結の4句から成り立っており、1句が5字の五言絶句と7字の七言絶句とがあります。そして、絶句では2行目と4行目で「韻を踏むこと」が必要となっています。
この絶句が日本に流入し、「韻を踏む」となりました。
「韻を踏む」の類語
「韻を踏む」の類語・類義語としては、詩歌などで同一または類似の音韻をもった語を一定の箇所に用いることを意味する「押韻」(読み方:おういん)、くだらない洒落のことを意味する「駄洒落」などがあります。
「韻を押す」の意味
「韻を押す」とは
「韻を押す」とは、同韻の字を詩句の特定の場所に用いることを意味しています。
表現方法は「韻を押すコツ」「韻を押す歌詞」「韻を押す曲」
「韻を押すコツ」「韻を押す歌詞」「韻を押す曲」などが、「韻を押す」を使った一般的な言い回しになります。
「韻を押す」の使い方
「韻を押す」を使った分かりやすい例としては、「韻を押した言葉は耳に残りやすいです」「韻を押すのはとても難しいです」「この部分が韻を押していると気づきました」「彼女は韻を押すのがとても上手です」などがあります。
「韻を押す」は同韻の字を詩句の特定の場所に用いることを意味しており、「韻を押す」表現を使うのは主に、歌詞、小説、詩などになります。また、ラップやヒップホップなどで使われている印象が強い人も多いでしょう。
また、「韻を押す」は「韻を踏む」と同じ意味を持つ言葉で、ラップやヒップホップなどでは「韻を踏む」の方が一般的に使われることが多いです。そのため、馴染みが無い人も多いでしょう。
「韻を押す」の類語
「韻を押す」の類語・類義語としては、詩歌で句末や行末に同音の語をおくことを意味する「脚韻」、詩歌などの句頭や語頭に同一の音をもった語を繰り返して用いることを意味する「頭韻」などがあります。
「韻を踏む」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、同韻の字を詩句の特定の場所に用いることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「韻を踏んだ」文章は記憶に残りやすく印象的であることが多いです。
「韻を押す」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、同韻の字を詩句の特定の場所に用いることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「韻を押した」文章は記憶に残りやすく印象的であることが多いです。
「韻を踏む」と「韻を押す」はどちらも同韻の字を詩句の特定の場所に用いることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「韻を踏む」の方が「韻を押す」よりもやや一般的に使われていると覚えておきましょう。