似た意味を持つ「どうも」と「ありがとう」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「どうも」と「ありがとう」という言葉は、どちらも感謝を表す言葉のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「どうも」と「ありがとう」の違い
「どうも」と「ありがとう」の意味の違い
「どうも」と「ありがとう」の違いを分かりやすく言うと、「どうも」よりも「ありがとう」の方が丁寧な表現いう違いです。
「どうも」と「ありがとう」の使い方の違い
一つ目の「どうも」を使った分かりやすい例としては、「どうも彼のことを好きになれない」「彼女が離婚したという噂はどうも本当らしい」「この判定にはどうも納得がいきません」「明日はどうも転校生が来るらしい」「どうもご苦労さまです」などがあります。
二つ目の「ありがとう」を使った分かりやすい例としては、「ありがとうを伝えたいです」「旅行のおみやげありがとうございます」「いつも私のことを応援してくれてありがとう」「ご親切にありがとうございます」などがあります。
「どうも」と「ありがとう」の使い分け方
「どうも」と「ありがとう」はどちらも感謝を表す言葉のことを意味する言葉ですが、「どうも」よりも「ありがとう」の方が丁寧な表現というのが違いです。
感謝の言葉として使う場合は、「どうも<ありがとう<どうもありがとう<ありがとうございます」の順でより丁寧な表現になっています。
また、「どうも」は感謝を表す言葉のことの他に、あれこれ考えたり試したりしてもなかなか満足できない気持ちを表すこと、物事の原因や理由がはっきりわからない気持ちを表すことなどの、複数の意味を持っているのも違いの一つです。
「どうも」と「ありがとう」の英語表記の違い
「どうも」を英語にすると「hello」「hi」「thanks」となり、例えば上記の「どうもご苦労さまです」を英語にすると「Thanks for all your trouble」となります。
一方、「ありがとう」を英語にすると「Thank you」「Thanks a lot」となり、例えば上記の「ご親切にありがとうございます」を英語にすると「Thank you very much for your kindness」となります。
「どうも」の意味
「どうも」とは
「どうも」とは、あれこれ考えたり試したりしてもなかなか満足できない気持ちを表すことを意味しています。
その他にも、 物事の原因や理由がはっきりわからない気持ちを表すこと、根拠や理由がはっきりしないまま漠然と推測する気持ちを表すこと、深く感謝したり謝罪したりする気持ちを表すこと、気楽な挨拶や気楽な謝意を表す時に使う言葉のことの意味を持っています。
表現方法は「どうもです」「どうもこんばんは」「どうもありがとう」
「どうもです」「どうもこんばんは」「どうもありがとう」などが、「どうも」を使った一般的な言い回しになります。
「どうも」の使い方
「何度やってもどうも上手くいきません」「どうも身体の調子がおかしい」などの文中で使われている「どうも」は、「あれこれ考えたり試したりしてもなかなか満足できない気持ちを表すことや物事の原因や理由がはっきりわからない気持ちを表すこと」の意味で使われています。
一方、「明日はどうも雪になりそうだ」「今回はどうもありがとうございました」などの文中で使われている「どうも」は、「根拠や理由がはっきりしないまま漠然と推測する気持ちを表すことや深く感謝したり謝罪したりする気持ちを表す」の意味で使われています。
「どうも」は副詞として使うのが一般的です。副詞とは品詞の一つであり、他の言葉を修飾して説明を加えるという役割を担っています。そのため、「どうも」の後には動詞や形容詞が続かなくてはなりません。
「どうも」以外の副詞は、「ちょっと」「とても」「ひたすら」「だいぶ」「かなり」「しばらく」「すぐに」などがあります。
「どうも」を使う上で注意しなければならないのは、ビジネスシーンで使うのはあまり適していないという点です。
「どうも」は敬語ではない
「どうも」は敬語ではなく、やや軽い印象を与える言葉になります。分かりやすい例を挙げると、謝罪する場面において、「どうも申し訳ありませんでした」のように使うと相手に軽い印象を与えてしまいます。
そのため、謝罪などのかしこまった場面では、「どうも」ではなくより丁寧な表現である「誠に」を使うといいでしょう。
「どうも」の語源
「どうも」の語源は江戸時代に出来た言葉の「どうも言えぬ」です。「どうも言えぬ」とは言葉では言い表せない感情を表現することで、「どうも言えぬ気持ち」「どうも言えぬ感触」などの形で使われていました。
そして、時代が経つにつれて「どうも」へと省略されていき、「どうも」の後に続く言葉強調するものとして、「どうもありがとう」「どうもこんにちは」「どうもお世話になりました」などの、様々な用途で使われるようになったのです。
「どうも」の類語
「どうも」の類語・類義語としては、どう努力してみても上手くいかないことを意味する「どうしても」、突然または偶然に出会った人に呼びかけるときに発する言葉のことを意味する「やあ」、確実ではないがなんとなくのことを意味する「どうやら」などがあります。
「ありがとう」の意味
「ありがとう」とは
「ありがとう」とは、感謝したり礼を言ったりする時に使う言葉のことを意味しています。
「ありがとう」の漢字表記
「ありがとう」を漢字にすると「有難う」と表記することができます。
表現方法は「ありがとうございます」「ありがとうございました」
「ありがとうございます」「ありがとうございました」などが、「ありがとう」を使った一般的な言い回しになります。
「ありがとう」の使い方
「ありがとう」を使った分かりやすい例としては、「いつも助けてくれてありがとうございます」「旧年中はお世話になり、ありがとうございました」「心のこもったおもてなし、誠にありがとうございました」「ご協力ありがとうございます」などがあります。
「ありがとう」は感謝したり礼を言ったりする時に使う言葉のことで、ビジネスシーンと日常生活どちらでも使うことができます。
ビジネスシーンでは、「ありがとうございます」と敬語表現にすることで、上司や取引先などの目上の人に対しても使うことが可能です。
また、「本当に」や「誠に」を付け加えて「本当にありがとうございました」「誠にありがとうございました」などのようにすることで、より丁寧な表現になります。
「ありがとう」の由来
「ありがとう」の由来は「有り難し」の形容詞の連用形である「有り難く」が変化したことです。「有り難し」は漢字から分かるように、有ることが難しいこと、つまり、めったになく貴重であることを意味しています。
そして、仏教のお釈迦様は、人間に生まれてきたことがどれだけめったになく貴重であることかを弟子に説くお話があります。これが転じて、感謝や喜びの表すことを、「ありがとう」と言うようになりました。
「ありがとう」の対義語
「ありがとう」の対義語・反対語としては、ありきたりであることを意味する「当たり前」があります。
「ありがとう」の類語
「ありがとう」の類語・類義語としては、ありがたいと思う気持ちを表すことを意味する「感謝」、受けた恩をありがたく思うことを意味する「恩に着る」、身に受けた恩恵などに対して感謝の念でいっぱいであることを意味する「かたじけない」などがあります。
「どうも」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、あれこれ考えたり試したりしてもなかなか満足できない気持ちを表すことを表現したい時などが挙げられます。
その他にも、 物事の原因や理由がはっきりわからない気持ちを表すこと、根拠や理由がはっきりしないまま漠然と推測する気持ちを表すこと、深く感謝したり謝罪したりする気持ちを表すこと、気楽な挨拶や気楽な謝意を表す時に使う言葉のことを表現したい時にも使います。
例文1の「どうも」はあれこれ考えたり試したりしてもなかなか満足できない気持ちを表すこと、例文2の「どうも」は物事の原因や理由がはっきりわからない気持ちを表すこと、、例文3の「どうも」は根拠や理由がはっきりしないまま漠然と推測する気持ちを表すことの意味で使っています。
また、例文4の「どうも」は深く感謝したり謝罪したりする気持ちを表すこと、例文5の「どうも」は気楽な挨拶や気楽な謝意を表す時に使う言葉のことの意味で使っています。
「ありがとう」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、感謝したり礼を言ったりする時に使う言葉のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ありがとう」は相手に感謝を伝える場合に使うとても丁寧な言葉です。
「どうも」と「ありがとう」はどちらも感謝を表す言葉です。どちらの言葉を使うか迷った場合、「どうも」よりも「ありがとう」の方が丁寧な表現と覚えておきましょう。