似た意味を持つ「職人気質」(読み方:しょくにんかたぎ)と「職人肌」(読み方:しょくにんはだ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「職人気質」と「職人肌」という言葉は、どちらも「職人としての気概や誇り」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
職人気質と職人肌の違い
職人気質と職人肌の意味の違い
職人気質と職人肌の違いを分かりやすく言うと、職人気質とは職人としての気概を表し、職人肌とは熟練職人としての気概を表すという違いです。
職人気質と職人肌の使い方の違い
一つ目の職人気質を使った分かりやすい例としては、「彼は職人気質で無口な男です」「職人気質な男性は好きですか」「職人気質はめんどくさいと思う女性は多いものです」「職人気質な人に事務職は向いていますか」などがあります。
二つ目の職人肌を使った分かりやすい例としては、「簡単な作業から職人肌の熟練作業までこなします」「職人肌の人には際立った特徴があります」「性格診断テストで職人肌の平和主義者タイプになりました」などがあります。
職人気質と職人肌の使い分け方
職人気質と職人肌という言葉は、どちらも職人としての気概や誇りを表すため、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、職人気質は職人の気質を幅広く表すことに対し、職人肌という言葉は、特に熟練した職人の気性を表すことにあります。
その違いは、二つの言葉の相違点となる「気質」と「肌」にあります。「気質」は心の性質を表しますが、「肌」は人の物腰などから受ける感じを表します。ただの職人からは感じることができない、経験を積んでいて熟練の技を持つ職人から受ける感じが「職人肌」となります。
職人気質のなかでも、特に、熟練した職人の気性を表したい時には、「職人肌」を使うと良いでしょう。
職人気質と職人肌の英語表記の違い
職人気質も職人肌も英語にすると「the spirit of a true workman」「spirit of a true artisan」となり、例えば上記の「彼は職人気質だ」を英語にすると「He has a workman spirit」となります。
職人気質の意味
職人気質とは
職人気質とは、職人に特有の気質、自分の技能を信じて誇りとし納得できるまで念入りに仕事をする実直な性質を意味しています。
職人気質の読み方
職人気質の読み方は「しょくにんかたぎ」です。気質は「きしつ」とも読みますが、職人気質を誤って「しょくにんきしつ」と読まないようにしましょう。
職人気質の使い方
職人気質を使った分かりやすい例としては、「職人気質な人には完璧主義者が多い」「今どき職人気質は時代遅れだと思います」「職人気質の彼が以外にも英語レッスンを始めた」「職人気質の人はうざいので苦手です」などがあります。
その他にも、「職人気質の兄はパンを焼くことにハマっています」「適職診断によると私は頑固で真面目な職人気質らしい」「アスペルガーの方は職人気質で集中力があります」「帯広で職人気質の料理人に出会いました」などがあります。
職人気質の「職人」は、自ら身につけた技術によって物を作り出すことを職業とする人のことです。また、「気質」は、身分や職業環境などを同じくする人たちの間にみられる特有の気風です。職人気質とは、職人社会に特有の、自分の腕に自信を持ち仕事に対して実直に取り組む気質を表す四字熟語です。
職人気質という言葉は、仕事に対して真面目で、高い技術をもってやり遂げるというポジティブな意味から、職人に対する誉め言葉として使われています。また、職人の頑固で厳しいというイメージから、人の性格などをネガティブな意味合いで使われることもあります。
職人気質の対義語
職人気質の対義語・反対語としては、真面目でないことを意味する「不真面目」、軽薄で浮ついて見えるさまを意味する「チャラい」などがあります。
職人気質の類語
職人気質の類語・類義語としては、真面目すぎて融通がきかないことを意味する「生真面目」、思いこんだことはあくまで押し通す人を意味する「一徹者」、古くから伝わるものを頑固に守り通そうとする気風を意味する「昔気質」などがあります。
職人肌の意味
職人肌とは
職人肌とは、職人の社会に特有の気風、熟練を積んだ手仕事の肌合いを意味しています。
職人肌の使い方
職人肌を使った分かりやすい例としては、「私は職人肌な性格だと周りから言われいます」「彼は職人肌の平和主義者なので信用できます」「職人肌の人はかっこいいと思いますか」「職人肌の人の適職は何だろう」などがあります。
その他にも、「職人肌の人に向いてる職業は、一人でこなす仕事です」「職人肌の人の特徴に誠意があることが挙げられます」「先生は職人肌で、英語を熱心に教えてくださいました」「職人肌タイプが多い職場です」などがあります。
職人肌とは、職人が持っている独特の気風のことであり、いかにも自分の技術に自信を持った職人のような気質を意味します。職人肌の「肌」は、強い心の動きである気性や、人の物腰などから受ける感じを表します。
職人肌の人の特徴としては、何事にも手を抜かない完璧主義者であったり、仕事への強い信念やこだわりを持っていることなどの長所が挙げられます。また、こだわりが強いゆえに柔軟性がなかったり、プライドが高すぎるなどのマイナス面も持ちます。
職人肌の対義語
職人肌の対義語・反対語としては、言葉や態度が軽々しくて誠実さが感じられないことを意味する「軽薄」、調子に乗って軽はずみなことをする人を意味する「お調子者」などがあります。
職人肌の類語
職人肌の類語・類義語としては、非常に頑なで一度決めたら自分の考えを変えようとしないさまを意味する「頑固一徹」、頑固で自分を曲げない人を意味する「一刻者」、融通がきかず考え方がかたくなであることを意味する「石頭」などがあります。
職人気質の例文
この言葉がよく使われる場面としては、一見偏屈にみえたりするが、誠実で自分の仕事に誇りをもち、念入りに仕事をする実直な気質を表現したい時などが挙げられます。
例文1や例文2のように、職人気質という言葉はプラスイメージとマイナスイメージを併せ持つので、使い方には注意が必要です。
職人肌の例文
この言葉がよく使われる場面としては、職人の社会に特有の気風、熟練を積んだ手仕事の肌合いを表現したい時などが挙げられます。
例文4にある「職人肌の平和主義者」とは、ISFP型と呼ばれる性格診断で分類される16タイプの一つです。目の前のことに没頭し、手作業で何かを作リ出すのを好む一方、平和主義者で忍耐力があるタイプとされています。
職人気質と職人肌という言葉は、どちらも「職人としての気概や誇り」を表し、ほぼ同義の言葉です。特に、熟練した職人の気性を表したい時には「職人肌」を使うようにしましょう。