今日の買取件数:20件/今月の買取件数:600件/累計買取件数:27,646件

【入稿】と【脱稿】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「入稿」(読み方:にゅうこう)と「脱稿」(読み方:だっこう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「入稿」と「脱稿」という言葉は、どちらも原稿に関する作業を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




入稿と脱稿の違い

入稿と脱稿の意味の違い

入稿と脱稿の違いを分かりやすく言うと、入稿とは原稿を印刷所などに渡すことを表し、脱稿とは原稿を書き終えることを表すという違いです。

入稿と脱稿の使い方の違い

一つ目の入稿を使った分かりやすい例としては、「明日必ず入稿いたします」「大判印刷データの入稿方法を説明いたします」「入稿データの作り方を教えてください」「データは入稿待ちの状態です」などがあります。

二つ目の脱稿を使った分かりやすい例としては、「今日中に脱稿する予定です」「優秀なアシスタントのおかげで脱稿できました」「脱稿ハイで支離滅裂なことを言っている」「脱稿おめでとう、お疲れ様でした」などがあります。

入稿と脱稿の使い分け方

入稿と脱稿という言葉は、どちらも原稿に関する作業を表しますが、意味や使い方には大きな違いがあります。

入稿とは、印刷するための原稿を印刷所へ渡すことを意味します。「入稿データ」とは、印刷所へ渡す形式が紙媒体ではなく、コンピューターで処理されるデジタル情報であることを指します。

脱稿とは、原稿を書き終えることを意味します。小説家が原稿を仕上げたり、漫画家が作品を描き上げたりする時に用いられる言葉です。

つまり、脱稿と入稿は、それぞれ原稿を完成させるためのプロセスの一つです。順序としては脱稿後に入稿するという運びで、小説やマンガなど作品の完成に近づくことになります。

入稿と脱稿の英語表記の違い

入稿を英語にすると「submission of a manuscript」となり、例えば上記の「入稿する」を英語にすると「submit a manuscript」となります。

一方、脱稿を英語にすると「completion of writing」「finishing writing」となり、例えば上記の「脱稿する」を英語にすると「finish writing」となります。

入稿の意味

入稿とは

入稿とは、印刷するための原稿を印刷所に渡すことを意味しています。

その他にも、「原稿を著者から入手すること」の意味も持っています。

表現方法は「入稿する」「入稿いたします」「入稿データ」

「入稿する」「入稿いたします」「入稿データ」などが、入稿を使った一般的な言い回しです。

入稿の使い方

「英語表記の名刺デザインを入稿する」「重い入稿データを軽くする」「英語で書いた原稿を入稿する」「本日脱稿したので明日にでも入稿します」などの文中で使われている入稿は、「原稿を印刷所に渡すこと」の意味で使われています。

一方、「入稿待ちの担当者がいらだっている」「入稿された原稿をチェックする」「先生から書き下ろした本文の入稿がありました」などの文中で使われている入稿は、「原稿を著者から入手すること」の意味で使われています。

入稿とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で使われているので、文脈により捉える必要があります。入稿の「入」は中におさめること、「稿」は文章の下書きや詩の原案を表す漢字です。

入稿と入校の違い

入稿とは、出版業界や印刷業界で用いられる言葉です。同音の言葉に「入校」がありますが、この入校は、ある学校の生徒になることや学校の敷地に入ることを意味します。入稿と入校は意味や使い方が異なる同音異義語ですので、書き間違えないようにしましょう。

入稿の類語

入稿の類語・類義語としては、原稿を印刷所などに出すことを意味する「出稿」、原稿を送ることを意味する「送稿」、依頼されて新聞や雑誌などに原稿を書いて送ることを意味する「寄稿」、雑誌や新聞などに公表してもらうために原稿を送ることを意味する「投稿」などがあります。

脱稿の意味

脱稿とは

脱稿とは、原稿を書き終えることを意味しています。

表現方法は「脱稿おめでとう」「脱稿する」「脱稿しました」

「脱稿おめでとう」「脱稿する」「脱稿しました」などが、脱稿を使った一般的な言い回しです。

脱稿の使い方

脱稿を使った分かりやすい例としては、「小説を脱稿したので、これから入稿します」「時間がかかりましたが英語の論文を脱稿しました」「2日遅れでようやく脱稿です」「大幅前倒しで脱稿することができました」などがあります。

その他にも、「脱稿おめでとうございます」「先生が脱稿ハイでおかしくなっている」「脱稿鬱の状態で何も手に付きません」「卒論を無事に脱稿することができました」「明日締め切りの原稿を脱稿しました」などがあります。

脱稿とは、原稿を書き終えることや、 草稿が出来あがることを意味します。主に執筆業で用いられる言葉です。脱稿の「脱」はその境遇から抜け出すこと、「稿」は詩や文章などの下書きや原稿を表す漢字です。

「脱稿ハイ」の意味

脱稿という言葉を用いた日本語には「脱稿ハイ」があります。脱稿ハイとは、原稿を書き終えた達成感からハイテンションになっている状態や、脱稿後にも執筆中の緊張感が続いている様子を表します。

「脱稿ハーブ」は誤り

脱稿を用いた誤った言葉には「脱稿ハーブ」があります。正しくは「脱法ハーブ」であり、「合法ハーブ」とも称される危険ドラッグの一種のことです。また、同人誌作家の間では、脱稿後の高揚感を「脱稿ハーブ」とふざけて言うことがあります。

脱稿の対義語

脱稿の対義語・反対語としては、文章を書きはじめることや筆を起こすことを意味する「起筆」、原稿を書き始めることを意味する「起稿」、草稿を書くことや文案を作ることを意味する「起草」などがあります。

脱稿の類語

脱稿の類語・類義語としては、筆を置いて書くことをやめることや文章を書きおえることを意味する「擱筆」(読み方:かくひつ)、書くことをやめることを意味する「絶筆」、校正がすっかり終わることを意味する「校了」などがあります。

入稿の例文

1.ようやく新しい英語の文法書を入稿し、ほっと一息つくことが出来ました。
2.入稿から納品までの流れについて、ご不明な点がございましたらお問い合わせください。
3.先輩社員に、印刷会社に渡す入稿データの作り方を教えてもらいました。
4.リスティング広告は、広告媒体によって入稿の規定が異なるのでご注意ください。
5.時間がなかったので写真原稿を急いで入稿し、広告出稿の手続きをしました。
6.入稿後に要修正箇所が見つかり慌てて印刷所に連絡したら、印刷が始まる直前で、危機一髪だった。
7.入稿前、最後の誤字脱字チェックは、複数人で一緒にやったほうがいいと思うので、一日お時間いただける日があれば教えてください。
8.私が新入社員の頃は手書きの原稿や版下を入稿していたが、今はほぼメールにデータを添付して送るデータ入稿となり、便利になった反面愛着がわかなくなった気もする。
9.編集長はギリギリまで粘り、入稿待ちの担当者は慌てていましたが、何とか朝刊には間に合いそうです。
10.スムーズにデータのご入稿をして頂くために注意点をリスト化してみました。版下データを入稿する前に是非ご参照ください。

この言葉がよく使われる場面としては、原稿を印刷所に渡すこと、原稿を執筆者から入手することを表現したい時などが挙げられます。

例文5の文中にある入稿と出稿は、どちらも原稿を印刷所などに出すことの意味を持っています。入稿と出稿の違いは、入稿には原稿を執筆者から入手することの意味があり、出稿はウェブサイトなどに広告を出すことの意味がある点です。

脱稿の例文

1.先生、脱稿おめでとうございます。改めまして、長期連載お疲れ様でした。
2.入稿直後は脱稿ハイで変なテンションになり、いつも家族に引かれています。
3.コンテストに応募する英語エッセイを脱稿することが出来て、安堵感でいっぱいです。
4.プロの小説家は脱稿した後も、初校や再校を経て校了するまでは安心できません。
5.なんとか締切間際に書籍原稿を脱稿し、急いで編集者に手渡しました。
6.広報誌は校長先生の挨拶部分のみが後送となっていましたが、本日脱稿されてやっと入稿できることになりました。初めて送り出す卒業生ということで熟考されたのでしょう。
7.今回は締め切りよりも早く脱稿したと思ったら、ただの夢で、机を見てみると原稿には何も書かれていない状態だった。
8.脱稿お疲れ様です。コロナ禍もあってなかなか飲みに行けていないのもあったので、久々に羽を伸ばしに行きましょう。
9.第一巻とは違い、第二巻の執筆は度々筆の渋ることがあったので、脱稿まで時間がかかってしまいました。
10.ゼミのメンバー全員が卒論を無事に脱稿することができたので、仲間内でお疲れ様会を行うことになりました。

この言葉がよく使われる場面としては、原稿を書き上げることを表現したい時などが挙げられます。

例文4にあるように、脱稿後は、原稿を印刷会社におさめる「入稿」、最初の校正刷りと校正刷りの「初校」、二回目の校正刷りの「再校」、校正完了の「校了」という流れになります。

入稿と脱稿という言葉は、どちらも原稿に関する作業を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、原稿を印刷所に渡すことを表現したい時は「入稿」を、原稿を書き上げることを表現したい時は「脱稿」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター