【関係上】と【都合上】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「関係上」(読み方:かんけいじょう)と「都合上」(読み方:つごうじょう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「関係上」と「都合上」という言葉は、どちらも「影響を及ぼすさま」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




関係上と都合上の違い

関係上と都合上の意味の違い

関係上と都合上の違いを分かりやすく言うと、関係上とは単純に影響を及ぼすさまを表し、都合上とは事情があって影響を及ぼすさまを表すという違いです。

関係上と都合上の使い方の違い

一つ目の関係上を使った分かりやすい例としては、「スペースの関係上、持ち込める手荷物には制限があります」「著作権の関係上この部分につきましては公開いたしません」「私たちの関係上踏み込んた話をすべきではありません」などがあります。

二つ目の都合上を使った分かりやすい例としては、「システムの都合上、若干の誤差が生じます」「仕入れの都合上メニューが変更になる場合がございます」「倉庫の都合上、お届け日時のご指定は受けられません」などがあります。

関係上と都合上の使い分け方

関係上と都合上という言葉は、どちらも何らかの事柄が他の事柄に影響を及ぼすさまを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

関係上とは、ある物事が他の物事に関係し、影響を及ぼすさまを意味します。例えば「スペースの関係上」とは、単純にスペースに限りがあったり問題があったりして、他の物事に制約があることを表現しています。

都合上とは、何らかの事情があって影響を及ぼすさまを意味します。例えば「スペースの都合上」とは、スペースをやりくりするよう場面で使用されたり、いくつか込み入った事情が絡んでいる場合に使用される表現です。

つまり、関係上とは物事が単純に影響を及ぼす時に使用され、都合上とは込み入った事情があって影響を及ぼす時に用いられる言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

関係上と都合上の英語表記の違い

関係上も都合上も英語にすると「due to」「because of」となり、例えば上記の「スペースの関係上」を英語にすると「due to limitations of space」となります。

関係上の意味

関係上とは

関係上とは、ある事と他の事が関係するさまを意味しています。

関係上の使い方

関係上を使った分かりやすい例としては、「入荷の関係上、来週の日替わりメニューの内容は未定です」「お客様との関係上に亀裂が生じてしまいました」「仕事の関係上、英語を話す機会が多くあります」などがあります。

その他にも、「著作権の関係上、英語版の原本は掲載できません」「彼女とは仕事関係上の付き合いです」「契約の関係上、法的拘束力はございません」「紙面の関係上、敬称の記載を省略いたします」などがあります。

関係上の「関係」は二つ以上の物事が互いにかかわり合うこと、あるものが他に対して影響力をもっていることを表します。「上」は名詞に付いて、「…に関して」「…の面で」をいった意味を持つ接尾語です。関係上とは、ある事柄が別の事柄に関係があり、影響を及ぼすことを意味する言葉です。

表現方法は「著作権の関係上」

上記の例文にある「著作権の関係上」とは、著作権に関わりがあること、著作権に抵触することを表現しています。また、「紙面の関係上」とは、紙面のスペースに影響を及ぼすことを表しています。

関係上の類語

関係上の類語・類義語としては、二つのものが密接にかかわり合うような関係を意味する「相関関係」、ある事柄と他の事柄との間につながりがあることを意味する「関連」、他と密接な関連をもつことを意味する「連係」などがあります。

都合上の意味

都合上とは

都合上とは、何らかの事情によるさまを意味しています。

都合上の読み方

都合上の読み方は「つごうじょう」です。誤って「つごうしょう」「つごううえ」などと読まないようにしましょう。

都合上の使い方

都合上を使った分かりやすい例としては、「著作権の都合上、配信できないニュースがあります」「詳しく解説するのは紙面の都合上難しいです」「仕事の都合上、ビジネス英語を身に付ける必要があります」などがあります。

その他にも、「スケジュール調整の都合上、明日までにご返信願います」「番組の都合上、放送内容が変更になる可能性もございます」「システムの都合上、数日間はメール配信されることがございます」などがあります。

都合上の「都合」は何かをするときに他の物事に影響を及ぼす事情、やりくりをすることを表します。関連することを表す「上」と結び付き、都合上とは、物事をするにあたって何らかの事情があるさまを意味します。

都合上は敬語表現ではない

都合上という言葉は、ビジネスシーンで使用されることが多くありますが、敬語表現ではありません。もし上司や目上の人に対してより敬った表現したい場合は、「都合上」の前後に丁寧語や謙譲語を使用するとよいでしょう。

都合上の類語

都合上の類語・類義語としては、はっきりと内容を明かさずに事情があることを意味する「都合により」、特定の目的のために適したやり方するさまを意味する「便宜上」、あれこれの事情や理由のあるこを意味する「諸事情」などがあります。

関係上の例文

1.仕事の関係上、残念ながら来月の同窓会には出席できそうにありません。
2.セキュリティーの関係上、関係者以外の方は入室することができません。
3.海外の取引先との関係上、社員の英語力を上げていく必要があります。
4.今後の関係上、新規のお客様に送るビジネスメールには細心の注意を払うべきです。
5.本日は時間の関係上、個々の祝電のご紹介は割愛させていただきます。

この言葉がよく使われる場面としては、他の物事や周りの状況が影響していることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、関係上という言葉は、ビジネスシーンで使用されることが多くあります。

都合上の例文

1.妻の仕事の都合上、娘の保育園の送り迎えは私が担当しています。
2.詳細なデータ分析の結果については、時間の都合上省略します。
3.業務の都合上、苦手な英語を何とかしてスキルアップさせなければいけません。
4.会場を押さえる都合上、希望日時の返信メールは今週中にお願いいたします。
5.当ビジネスホテルでは、清掃時間の都合上レイトチェックアウトは承っておりません。

この言葉がよく使われる場面としては、その方が都合がいいこと、諸般の事情により影響があることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、都合上という言葉は、ビジネスシーンで使用されることが多くあります。

関係上と都合上という言葉は、どちらも「影響を及ぼすさま」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、単純に影響を及ぼすさまを表現したい時は「関係上」を、事情があって影響を及ぼすさまを表現したい時は「都合上」を使うようにしましょう。

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