同じ「りちぎ」という読み方の「律儀」と「律義」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「律儀」と「律義」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
律儀と律義の違い
律儀と律義の意味の違い
律儀と律義の違いを分かりやすく言うと、律義よりも律儀の方が一般的な表現という違いです。
律儀と律義の使い方の違い
一つ目の律儀を使った分かりやすい例としては、「彼は律儀な人なので周囲からの信頼が厚い」「誠実で律儀な男性はモテます」「律儀な女性と結婚したいです」「律儀者の子沢山で大家族になりました」などがあります。
二つ目の律義を使った分かりやすい例としては、「律義な人は決して約束を破りません」「彼の律義さには好感が持てます」「私の長所は律義なところです」「戦国武将の律義者といえば徳川家康でしょう」などがあります。
律儀と律義の使い分け方
律儀と律義という言葉は、どちらも「りちぎ」と読み、「義理堅いこと、実直であること」を意味します。二つの言葉は同音同義語であるため、律儀と律義は互いに置き換えて使うことができます。
あえて違いを挙げるならば、一般的には律儀の方が多く使われていることでしょう。律儀と律義の意味や使い方に違いはありませんが、世間一般で多用されている律儀を用いる方が違和感がない表現になります。
なお、律儀と律義は仏教用語で「りつぎ」と読みます。この場合、サンスクリット語の禁戒を表す仏教用語になり、「善行を行うよう仏が定めた戒」を意味します。読み方により意味が大きく異なるので、注意しましょう。
律儀と律義の英語表記の違い
律儀も律義も英語にすると「faithful」「honest」「uprightness」となり、例えば上記の「彼は律儀な人です」を英語にすると「He is faithful」となります。
律儀の意味
律儀とは
律儀とは、きわめて義理堅いこと、実直なことを意味しています。
その他にも、「健康なこと」の意味も持っています。
律儀の読み方
律儀の読み方には二通りあり、「りちぎ」の他に「りつぎ」とも読みます。「りつぎ」と読む場合、悪行に陥ることを未然にふせぐ戒律を意味する仏教用語となり、「りちぎ」と読む場合と意味が大きく異なります。
表現方法は「律儀な人」「律儀ですね」「律儀にありがとうございます」
「律儀な人」「律儀ですね」「律儀にありがとうございます」などが、律儀を使った一般的な言い回しです。
律儀の使い方
「いつも挨拶を欠かさない律儀者だ」「結婚相手は律儀な人がいいです」「彼は律儀に英語のノートをすぐ返してくれた」「日本人は期日を律儀に守る人が多い」などの文中で使われている律儀は、「きわめて義理堅いこと」の意味で使われています。
一方、「あなたの律儀を願っています」「忙しいビジネスマンこそ律儀に気遣うべきです」「律儀ほど大切なものはないだろう」などの文中で使われている律儀は、「健康なこと」の意味で使われています。
律儀とは、上記の例文にあるように二つの意味がありますが、一般的には「きわめて義理堅いこと」の意味で用いられています。例えば、ちょっとした事にもお礼をきちんとする人を「律儀な人」などと表現します。一方の「健康なこと」の意味では、ほとんど使われていません。
「律儀者」の意味
上記の例文にある「律儀者」とは、生真面目で義理堅い人、実直な人を表します。対人関係の義理を大切にして疎かにせず、約束をしっかりと守り、誠実でかげひなたのない人などを指し、誉め言葉として用いられています。
律儀の対義語
律儀の対義語・反対語としては、義理を欠くことを意味する「不義理」、恩を受けてもありがたいと思わずそれに報いる気のないことを意味する「恩知らず」、健康でないことや体の調子がよくないことを意味する「不健康」などがあります。
律儀の類語
律儀の類語・類義語としては、真面目でいかめしいことを意味する「謹厳」、私利私欲をまじえず真心をもって人や物事に対することを意味する「誠実」、からだが丈夫で健康なさまを意味する「達者」、体の調子がよく健康であることを意味する「元気」などがあります。
律義の意味
律義とは
律義とは、きわめて義理堅いこと、実直なことを意味しています。
その他にも、「健康なこと」の意味も持っています。
律義の読み方
律義の読み方には、「りちぎ」と「りつぎ」の二通りあります。「りつぎ」と読む場合は仏教用語となり、悪行や過失に陥ることを未然に防ぐ働きを意味します。読み方によって、意味が大きく異なる言葉です。
律義の使い方
「あの夫婦はそろって律義者との評判です」「あなたは本当に律義な人ですね」「律義者の子だくさんとはよく言ったものだ」「彼は約束を律義に守るはずです」などの文中で使われている律義は、「きわめて義理堅いこと」の意味で使われています。
一方、「年老いても律義でありたいですね」「律義であれば何よりです」「栄養バランスのとれた食事が律義な体を作ります」などの文中で使われている律義は、「健康なこと」の意味で使われています。
律義とは、前述した「律儀」の同音同義語です。「きわめて義理堅いこと」「健康なこと」の二つの意味がありますが、ほとんどの場合「きわめて義理堅いこと」の意味で用いられています。「健康なこと」の意味で使われることは、ほとんどありません。
ことわざ「律義者の子沢山」の意味
律義を用いたことわざには「律義者の子沢山」があります。律義者の子沢山とは、律義者は品行が正しく、家庭が円満なので子どもが多いことを意味します。「江戸いろはかるた」にも採用されていることわざです。「律儀者の子沢山」と書き表すことも出来ます。
律義の対義語
律義の対義語・反対語としては、ずるく悪賢いことを意味する「狡猾」、まじめでないことを意味する「不真面目」、からだが弱く病気がちであることを意味する「病弱」などがあります。
律義の類語
律義の類語・類義語としては、誠実でかげひなたのないことを意味する「実直」、つつしみ深くて正直なことや謹厳実直なさまを意味する「謹直」、健康に恵まれているさまを意味する「丈夫」、健康で元気なことを意味する「壮健」などがあります。
律儀の例文
この言葉がよく使われる場面としては、たいへん義理がたいこと、実直であることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文の「律儀」は「律義」に置き換えることが出来ます。例文1の文中にある「律儀」と「真面目」の違いは、律儀は対人関係における義理堅さや実直さを表し、真面目はその人自身のあり方を表す点にあります。
律義の例文
この言葉がよく使われる場面としては、たいへん義理がたいこと、実直であることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文の「律義」は「律儀」に置き換えても問題ありません。例文3や例文5の「律義な人」は「律儀な人」とも書き表し、挨拶や礼儀を重んじたり、人との約束は必ず果たしたり、誠実で嘘のない人を意味します。
律儀と律義という言葉は、どちらも「極めて義理堅いこと」を意味する同音同義語です。どちらの言葉を使うか迷った場合、一般的に用いられている「律儀」を使えば間違いないでしょう。