似た意味を持つ「倦怠期」(読み方:けんたいき)と「安定期」(読み方:あんていき)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「倦怠期」と「安定期」という言葉は、どちらも「ある特定の期間」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
倦怠期と安定期の違い
倦怠期と安定期の意味の違い
倦怠期と安定期の違いを分かりやすく言うと、倦怠期とは飽きて嫌になっている時期、安定期とは落ち着いている時期という違いです。
倦怠期と安定期の使い方の違い
一つ目の倦怠期を使った分かりやすい例としては、「彼氏だけ倦怠期にさしかかっているようだ」「倦怠期の夫婦が大切なことに気づくこともあります」「倦怠期を乗り越えたカップルにアドバイスをもらう」などがあります。
二つ目の安定期を使った分かりやすい例としては、「安定期である今のうちに旅行することをおすすめします」「妊娠三ヶ月ではまだ安定期と言えないでしょう」「安定期は流産のリスクが下がります」などがあります。
倦怠期と安定期の使い分け方
倦怠期と安定期という言葉は、どちらも特定の時期を表しますが、意味や使い方には大きな違いがあります。
倦怠期とは、飽き飽きして嫌になっている時期を意味します。特に、夫婦や恋人の間柄について用いられる言葉であり、パートナーに対する慣れから、飽きてしまったり関心が薄れてしまっている状態の時期を表す言葉です。
安定期とは、物事が落ち着いていて変動がない時期を意味します。主に妊娠中の期間を表現する時に用いられ、妊娠5ヶ月から7ヶ月の母体が最も落ち着いている時期を指す言葉です。この時期には、胎盤が完成して流産のリスクが減ります。
つまり、倦怠期は飽きて嫌になっている時期でありネガティブな意味を伴い、安定期は落ち着いている時期であるポジティブなニュアンスがあります。パートナーとの関係が長続きするなかで、もし居心地の悪さを感じれば倦怠期、居心地の良さがあれば安定期だと考えれば良いでしょう。
倦怠期と安定期の英語表記の違い
倦怠期を英語にすると「period of lassitude」「lethargic period」となり、例えば上記の「倦怠期にさしかかる」を英語にすると「get a period of lassitude」となります。
一方、安定期を英語にすると「plateau」「stabilized period」となり、例えば上記の「安定期である」を英語にすると「be in one’s stable period」となります。
倦怠期の意味
倦怠期とは
倦怠期とは、飽きて嫌になる時期を意味しています。
表現方法は「倦怠期がない」「倦怠期が来ない」「倦怠期を乗り越える」
「倦怠期がない」「倦怠期が来ない」「倦怠期を乗り越える」などが、倦怠期を使った一般的な言い回しです。
倦怠期の使い方
倦怠期を使った分かりやすい例としては、「いわゆる倦怠期はいつ訪れるものですか」「倦怠期の特徴と対処法が知りたいです」「彼氏が倦怠期を迎えているようにみえます」「彼女だけが倦怠期に入ってしまったようだ」などがあります。
その他にも、「倦怠期には愛情表現が乏しくなります」「倦怠期は何ヶ月続くものですか」「倦怠期に別れると後悔するでしょう」「彼女だけが倦怠期を迎えるパターンもあります」「倦怠期診断で二人の状態をチェックしよう」などがあります。
倦怠期の「倦怠」とは、物事に飽きて嫌になること、心身が疲れてだるいことを表します。区切られた一定の時間を表す「期」と組み合わさり、倦怠期とは、うんざりして嫌になっている時期を意味します。
倦怠期は、特に夫婦やカップルの間柄についていう言葉です。結婚当初や付き合いたての頃は、新鮮な気持ちでときめいたりするものですが、いつしか関係がマンネリ化してつまらなく感じることがあります。このような時期を、倦怠期と表現します。
倦怠期の対義語
倦怠期の対義語・反対語としては、結婚して間もないころや親密な関係にあることを意味する「蜜月」、お互いに思いが通じ合っていることや相思相愛を意味する「両思い」などがあります。
倦怠期の類語
倦怠期の類語・類義語としては、心身が疲れてだるい感じや物事に飽きて興味が持てない感じを意味する「倦怠感」、飽き飽きして嫌けがさすことを意味する「退屈」、手法が型にはまり独創性や新鮮味がないことを意味する「マンネリ」などがあります。
安定期の意味
安定期とは
安定期とは、物事が落ち着いた状態にある期間を意味しています。
その他にも、「極相のこと」「妊娠中期に入り、胎盤が完成して母体の状況が落ち着く期間」の意味も持っています。
安定期の使い方
「相対的安定期のドイツ経済を研究する」「歯周病安定期治療を受けることにした」の文中で使われている安定期は「落ち着いた状態の期間」の意味で、「植物群落が安定期に達するまでを観察する」「裸地から安定期へと変化する」の文中で使われている安定期は「極相」の意味で使われています。
一方、「妊娠何週から安定期になりますか」「いつから安定期なのか計算方法を教えてください」「なぜ妊娠の安定期まで言わないことが普通なのだろう」「安定期に入ってもつわりが続くこともあります」などの文中で使われている安定期は「妊娠中期」の意味で使われています。
安定期とは、上記の例文にあるように三つの意味がありますが、一般的には「妊娠中期の母体が落ち着く期間」の意味で使われることが多い言葉です。妊娠の安定期とは、妊娠何か月という定義はありませんが、胎盤が完成し、母子ともに安定した状態を指します。
「相対的安定期」の意味
安定期を用いた日本語には「相対的安定期」があります。相対的安定期とは、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間の、各国経済は合理化をとげて大衆文化が登場した1924年から1929年頃を言います。
安定期の対義語
安定期の対義語・反対語としては、人気や勢力などがもっとも盛んな状態にある時期を意味する「全盛期」、古いものから新しいものへと移り変わっていく途中の時期を意味する「過渡期」、森林などの極相のことを意味する「クライマックス」などがあります。
安定期の類語
安定期の類語・類義語としては、心身ともに成熟して働き盛りの年ごろを意味する「壮年期」、暑さが落ち着く時期を意味する「処暑」などがあります。
倦怠期の例文
この言葉がよく使われる場面としては、飽きて嫌になる時期を表現したい時などが挙げられます。
倦怠期という言葉は、上記の例文にあるように、特に夫婦や恋人の関係性について用いられています。
安定期の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事が落ち着いた状態にある時期、植物群落が環境に終極的に適応した状態、妊娠中期を表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4の文中にある安定期は、母体の状況が落ち着いている妊娠中期の意味で用いられています。例文5の文中にある安定期は、植物群落が環境に終極的に適応した状態である極相の意味で用いられています。
倦怠期と安定期という言葉は、どちらも「ある特定の期間」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、飽きて嫌になっているを表現したい時は「倦怠期」を、物事が落ち着いている時期を表現したい時は「安定期」を使うようにしましょう。