【リストアップ】と【ピックアップ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「リストアップ」と「ピックアップ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「リストアップ」と「ピックアップ」という言葉は、「数ある中から選び出すこと」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




リストアップとピックアップの違い

リストアップとピックアップの意味の違い

リストアップとピックアップの違いを分かりやすく言うと、リストアップは複数のものを選び出すことを表現する時に使い、ピックアップは一つ以上のものを選び出すことを表現する時に使うという違いです。

リストアップとピックアップの使い方の違い

一つ目のリストアップを使った分かりやすい例としては、「タスクをリストアップすることから始めた」「母親がリストアップした物件はどれも実家から近かった」「買い物に行く前に贖罪のリストアップを始める」などがあります。

二つ目のピックアップを使った分かりやすい例としては、「今回のピックアップ商品は買いだった」「弟をピックアップしに行かなければならない」「ピックアップされた項目を重視して業務に当たる」などがあります。

リストアップとピックアップの使い分け方

リストアップとピックアップはどちらも、複数あるものの中からいくつかを選び出すことを意味する言葉ですが、選び出すものの数が異なります。

リストアップは、一覧表を作ることを意味することから、複数のものの中から条件などに合うものをいくつか選び出し、並べていく場合に使われています。

一方のピックアップは、拾い上げることを意味することから、複数のものの中から一つを選ぶことや、複数のものを選ぶ場合に使われています。

つまり、リストアップは複数あるうちから複数を選び出し、ピックアップは複数あるうちから複数もしくは一つ選び出すことを意味します。そのため、リストアップという言葉は一つを選び出す場合には使うことができません。

リストアップとピックアップの英語表記の違い

リストアップを英語にすると「list」となり、例えば上記の「リストアップする」を英語にすると「make a list」となります。

一方、ピックアップを英語にすると「pick out」となり、例えば上記の「良いものをピックアップする」を英語にすると「pick out the best」となります。

リストアップの意味

リストアップとは

リストアップとは、基準や条件を設けて多数の中から選び出すことを意味しています。

その他にも、選び出したものを表などにしてまとめ上げることも意味します。

リストアップの使い方

「未読メールの中から優先して読むものをリストアップする」「落ち着いて今後の行動をリストアップするべきだ」「問題点をいくつかリストアップする」などの文中で使われているリストアップは、「いくつかを選び出すこと」の意味で使われています。

一方、「先輩にタスクをリストアップするようにと言われた」「有事の際の行動がリストアップされている資料を参考にする」などの文中で使われているリストアップは、「選び出したものを一覧表にすること」の意味で使われています。

リストアップは英語で「list up」と表記されますが、カタカナ語として使われるリストアップは「list」のみで表現されています。一覧表を作ることを意味するリストアップは和製英語です。

上記例文の「いくつかリストアップする」などのように複数のものを選び出すことを表す時に使われるため、「タスクをリストアップする」など数の指定がない場合でも単数のものが選び出されていることはほとんどありません。

リストアップの類語

リストアップの類語・類義語としては、一つ一つ数え立てることを意味する「枚挙」、並べて書き記すことを意味する「列記」、並べ挙げることを意味する「列挙」、多くの中から特定のものを抜き出すことを意味する「抽出」などがあります。

ピックアップの意味

ピックアップとは

ピックアップとは、いくつか数ある中から選び出すことを意味しています。

その他にも、車に人を乗せることや車で迎えに行くことも意味します。

ピックアップの使い方

「ピックアップされた楽曲は人気アーティストの新曲だ」「次回のイベントでは好きなキャラがピックアップされる」「ユーザーのピックアップリストが作成されている」などの文中で使われているピックアップは、「選び出すこと」の意味で使われています。

一方、「ゲートを出る前に荷物をピックアップする」「母は駅までピックアップしに来てくれた」「ラグビーのピックアップは正式には定義されていない」などの文中で使われているピックアップは、「拾い上げることや車に人を載せること」の意味で使われています。

ピックアップは英語で「pick up」と表記されますが、本来は拾い上げるという意味であるため、選び出すことを意味するピックアップは和製英語です。

上記例文のラグビーのルールでいうピックアップは、ボールを拾い上げることを意味しますが、特定の条件下でボールを手で持ち上げた場合反則になることから、この言葉が使われています。

また、音楽用語としても使われており、レコード盤に刻まれている波形を感知して音を出す装置や、楽器の音を電気信号に変換する装置をピックアップと呼ぶなど、様々なものに使われています。

ピックアップの類語

ピックアップの類語・類義語としては、必要なものを選んで不要なものを捨てることを意味する「取捨」、多くのものから目的や条件などに合うものを選ぶことを意味する「選定」、選び分けることを意味する「選別」などがあります。

リストアップの例文

1.リストアップされた問題点を一人で一つ一つ解決していくには時間が足りないため、協力を依頼するほかなかった。
2.サイトに投稿されたレビューがリストアップされたものを見るまで、消費者に喜んで貰えているのかが分からなかったため、結果を見て安堵した。
3.カレンダーには、自動的に日程の候補をリストアップする機能が搭載されているものもあり、確認の手間が省けるというメリットがある。
4.次期生徒会長の候補としてリストアップされた生徒らは誰が見ても品行方正な生徒ばかりだったらしい。
5.全てをリストアップするのではなく、納期と己の技術などを考慮して効率的に事を運べるようにしなければならない。
6.今年配属された新人が情報感度が高い子で、たとえば歓迎会、女子会、デートで使えるお店ある?と聞くと即座に絶妙なお店をリストアップしてくれる。
7.旅行に必要な物をリストアップする時は、自分の生活を朝から寝るまでシュミレーションしてみると良い。
8.部下は非常に優秀で、こちらが指示しなくとも必要なデータがちゃんとリストアップされた資料を作ってくれます。
9.私は朝起きたら、まず今日の大まかなタスクをリストアップするようにしているので、効率的に業務を行えます。
10.アイデアを考えるにはいきなり取り掛かるのではなく、まず最初に問題点をいくつかリストアップすることから始めるべきです。

この言葉がよく使われる場面としては、基準や条件を設けて多数の中から選び出すことなどが挙げられます。

どの例文のリストアップも、選び出すことに加えて、一覧表のように選び出して並べられることを意味する場合もあります。

ピックアップの例文

1.本日のピックアップ商品と宣伝されている魚が非常に美味しそうで購入を決めたが、家族にも好評だったため良い買い物だった。
2.最近ハマっているゲームのキャラクターピックアップガチャで、ようやく好きなキャラが復刻するらしく今か今かと待ち遠しい。
3.ホームページのトップページにピックアップと書かれているが、新しい情報はSNSの方が多くの人の目に入る。
4.自分で講義をピックアップして受講することができる大学では自主性が求められており、時間割を誰かが管理してくれることはほとんどない。
5.両親はわざわざ空港まで私をピックアップしに来てくれ、道すがら美味しいものまで食べさせてくれた。
6.食べることが大好きな夫は、毎月一つのメニュー、あるいは食材をピックアップして特集する食の雑誌を愛読している。
7.姉は今回のピックアップ商品は買いだったというが、毎回同じことを言っている気がしているのは気のせいだろうか。
8.今日は、会議でピックアップされた項目を確認しつつ業務に当たっていたので、通常の業務がおろそかになってしまった。
9.今日の動画は、前回の配信での推しの電話出演シーンだけがピックアップされていたので、いちいち探す手間が節約できました。
10.私は突然のゲリラ豪雨に見舞われて困っていたが、ちょうど姉が仕事帰りだったので、駅まで車でピックアップしに来てくれました。

この言葉がよく使われる場面としては、いくつか数ある中から選び出すことなどが挙げられます。

例文5のピックアップは、車で迎えに行くことを意味する言葉として使われています。

リストアップとピックアップは、どちらも「数ある中から選ぶこと」を表します。どちらを使うか迷った場合は、複数を選び出すことを表す場合は「リストアップ」を、一つ以上を選び出すことを表す場合は「ピックアップ」を使うと覚えておけば間違いありません。

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