【来られる】と【来れる】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「来られる」(読み方:こられる)と「来れる」(読み方:これる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「来られる」と「来れる」という言葉は、どちらも来ることができることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「来られる」と「来れる」の違い

「来られる」と「来れる」の意味の違い

「来られる」と「来れる」の違いを分かりやすく言うと、「来られる」とはビジネスシーンなどのかしこまった場面でも使える、「来れる」とはビジネスシーンなどのかしこまった場面では使えないという違いです。

「来られる」と「来れる」の使い方の違い

一つ目の「来られる」を使った分かりやすい例としては、「お客様は14時に来られる予定です」「明日の誕生日パーティーには来られますか」「フランスに来られるようであれば私を頼ってください」などがあります。

二つ目の「来れる」を使った分かりやすい例としては、「来週の飲み会だけど来れる?」「急だけどこの場所まで来れる?」「あなたが来れる時間まで待ってますよ」「何時に来れるか連絡ください」「明後日は少し早めに来れる?」などがあります。

「来られる」と「来れる」の使い分け方

「来られる」と「来れる」はどちらも来ることができることを表す言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「来られる」は「来る」という動詞に、尊敬の助動詞の「られる」が合わさった尊敬語で、来ることができることを意味しています。また、敬語表現なのでビジネスシーンなどのかしこまった場面でも使うことが可能です。

一方、「来れる」は「来られる」から「ら」を抜いた、ら抜き言葉です。ら抜き言葉は主に話し言葉として使われており、現代でも多くの人が使用していますが、誤った日本語の使い方とされています。

そのため、「来れる」はビジネスシーンなどのかしこまった場面では使うことはできません。親しい間柄のみで使用する言葉と覚えておきましょう。

「来られる」と「来れる」の英語表記の違い

「来られる」と「来れる」は日本語特有の表現なので直訳した英語はありませんが、近い表現として「来る」を英語にした「come」「visit」「arrive」などがあります。上記の「明後日は少し早めに来れる?」を英語にすると「Can you come a bit earlier day after tomorrow」となります。

「来られる」の意味

「来られる」とは

「来られる」とは、来ることができることを意味しています。

「来られる」の使い方

「来られる」を使った分かりやすい例としては、「申請に来られる方はご本人が確認できるものをお持ちください」「部長は少し遅れて来られるそうです」「弊社へ来られる際は地下鉄を利用すると便利です」「明後日専務が視察へ来られる」などがあります。

「来られる」は自分のいる方近づくことを意味する「来る」という動詞に、尊敬の助動詞の「られる」が合わさり、来ることができることの意味で使われている尊敬語です。また敬語表現なので、ビジネスシーンなどのかしこまった場面でも使うことができます。

ただし、「来られる」は敬語表現であっても敬意があまり高いわけではないため、使う相手によっては別の言葉に置き換えた方がいいでしょう。

「来られる」よりもさらに丁寧な表現を挙げると、「おい出になる」「お見えになる」「お越しになる」「いらっしゃる」などがあります。

「来られる」の類語

「来られる」の類語・類義語としては、来るの尊敬語を意味する「いらっしゃる」、来るの尊敬語を意味する「おいでになる」などがあります。

「来れる」の意味

「来れる」とは

「来れる」とは、来ることができることを意味しています。

「来れる」の使い方

「来れる」を使った分かりやすい例としては、「こっちに来れる日を教えてください」「直接取りに来れる方のみお譲りします」「東京に来れる日を楽しみにしてます」「朝練をしたいので明日早めに来れる?」「迎えに来れるのであれば連絡ください」などがあります。

「来れる」は「来られる」の、ら抜き言葉です。ら抜き言葉とは、可能の助動詞「られる」がついた言葉から「ら」を抜いた言い方のことを意味しています。例を挙げると、「見られる」「決められる」「起きられる」の「ら」を抜いた「見れる」「決めれる」「起きれる」などがあります。

「ら抜き言葉」は主に話言葉として使われていますが、現時点では誤った日本語の使い方とされているので、ビジネスシーンなどのかしこまった場面では使うのは適していません。基本的に親しい間柄で使う言葉と覚えておきましょう。

ただし、平成27年度に行われた文化庁の国語に関する世論調査では、「ら抜き言葉」を使う人の方が本来の正しい日本語を使う人を上回っています。そのため、「ら抜き言葉」が正しい日本語として認められる日も近いかもしれません。

「来れる」の類語

「来れる」の類語・類義語としては、来るの尊敬語を意味する「お越しになる」、空間的に離れているものが自分のいる方へ向かって動くことを意味する「来る」などがあります。

「来られる」の例文

1.代理人の方が来られる場合は、 委任状及び代理人の身分を確認できるものをお持ちください。
2.来週は国税局が査察に来られるので、提出する資料をまとめました。
3.明日は社長が視察に来られるので、失礼のないようにお願いいたします。
4.午後3時に担当の方が来られるそうなので、急いで準備しなければなりません。
5.明日のクリスマスパーティーに来られる方は、プレゼントを一つご準備ください。
6.先方は10:00に当社に来られる予定ですので、皆さんは10分前には集合していただくようお願いいいたします。
7.いろいろお世話になり、本当にありがとうございました。もし日本に来られるようであればぜひ私を頼ってください。
8.今日のお客様は14時に来られる予定ですから、今のうちに他の仕事を片付けてしまいましょう。
9.あなたはいったいどういう経緯でここに来られたのか、よかったらぜひ聞かせてもらえないだろうか。
10.弊社へ来られる際は近くに駐車場がありませんので、地下鉄などの公共交通機関を利用すると便利です。

この言葉がよく使われる場面としては、来ることができることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「来られる」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「来れる」の例文

1.今年は1回戦で負けてしまったが、来年もこの場所へ来れるといいな。
2.あなたが日本に来れる日を楽しみにしてますと、SNSで知り合った海外の人にメッセージを送りました。
3.体調が回復して修学旅行に来れるといいのですが、日程的には相当厳しいだろう。
4.まさか決勝戦に来れるとは思いませんでした。ここまで来たからには全力で頑張ろう。
5.もし来週のパーティーに来れるのであれば、この電話番号に連絡ください。
6.引っ越しにつきテレビを処分することになりましたが、欲しい方は直接取りに来れる方のみお譲りします。
7.彼らはこの辺の道に不慣れだったので、ちゃんと無事に来れるかどうか心配していましたが、どうやら杞憂に終わりました。
8.明日は台風で天気が心配だけど、来れる方はぜひ現地に応援来てくれるととても励みになります!
9.もし明日オフ会を開くぞと言っても、学生じゃないので、みんながみんな来れるとは限らないのだ。
10.あの爆発の中じゃ絶対助からないと思ってたけど、君はよくあの火の中を無事で逃げて来れたね。

この言葉がよく使われる場面としては、来ることができることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「来れる」は親しい間柄のみで使う言葉です。

「来られる」と「来れる」はどちらも来ることができることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、ビジネスシーンなどのかしこまった場面でも使えるのが「来られる」、ビジネスシーンなどのかしこまった場面では使えないのが「来れる」と覚えておきましょう。

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