似た意味を持つ「寝落ち」(読み方:ねおち)と「気絶」(読み方:きぜつ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「寝落ち」と「気絶」という言葉は、どちらも意識を失うことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
寝落ちと気絶の違い
寝落ちと気絶の意味の違い
寝落ちと気絶の違いを分かりやすく言うと、寝落ちとは外的要因がなく意識を失うこと、気絶とは外的要因によって意識を失うことという違いです。
寝落ちと気絶の使い方の違い
一つ目の寝落ちを使った分かりやすい例としては、「途中で寝落ちしてしまった」「寝落ち通話をしたい」「寝落ちしそうな猫を観ると癒される」「音楽を聴きながら布団に入ると寝落ちしやすい」などがあります。
二つ目の気絶を使った分かりやすい例としては、「このお店のハンバーガーは気絶するほど美味しい」「気絶している人に水を掛ける行為をしてはいけない」「彼氏が突然目の前で気絶してしまった」などがあります。
寝落ちと気絶の使い分け方
寝落ちと気絶は意識を失っているという共通する意味を持っているのですが、寝落ちは生理的休息作用であり、外的要因はなく自然と意識を失うことです。それに対して気絶は何らかの外的要因によって一時的に意識を失うことを意味しています。
寝落ちは睡眠のことであり危険な要素は全くありません。しかし、気絶は外的要因によって意識を失うので危険を伴う場合があります。また、気絶した際が一番危ないとも言われています。突然意識を失ってしまうので頭から落ちたりなど外傷を生む可能性があるのが理由です。
ネット上やテレビなどで布団に入ってすぐ寝ることを気絶という言い方も流行ってきているのも事実です。その場合は寝落ちとほぼ同じ意味で使われています。
寝落ちと気絶の英語表記の違い
寝落ちを英語にすると「Falling asleep」となり、例えば上記の「寝落ち通話をしたい」を英語にすると「I want to make a call after falling asleep」となります。
一方、気絶を英語にすると「Faint」となり、例えば上記の「突然目の前で気絶してしまった」を英語にすると「Suddenly fainted in front of me」となります。
寝落ちの意味
寝落ちとは
寝落ちとは、何かをしている最中に眠ってしまうことを意味しています。
表現方法は「寝落ちする」「寝落ちした」「寝落ち通話」
「寝落ちする」「寝落ちした」「寝落ち通話」などが、寝落ちを使った一般的な言い回しです。
寝落ちの使い方
寝落ちを使った分かりやすい例としては、「ゲームをプレイ中に寝落ちしてしまった」「通話中に寝落ちする彼女は可愛い」「若者の間では寝落ちもしもしが流行っている」「疲れが溜まっているので電車の座席に座ると寝落ちしてしまう」などがあります。
その他にも、「気が付いたら寝落ちしていた」「寝落ち通話したがる男はモテない」「今年の目標はソファで寝落ちしないことだ」「寝落ちは健康に良くないのできちんと布団に入って寝よう」などがあります。
寝落ちの由来
寝落ちの由来は1990年代のオンラインゲームにおいて、ゲームをプレイ中に寝てしまって一定時間操作していないプレイヤーをサーバー側から落とされることからきました。ゲームからログアウトすることを落ちると言っていたので、寝てしまってログアウトするから寝落ちとなります。
寝落ちという言葉が出来た当初はオンラインゲームをプレイしてる人達が使っていたのですが、現在は勉強や本を読んでいる時など、何かしている最中眠ってしまった際に使うのが一般的になっています。
「寝落ち通話」「寝落ちもしもし」の意味
若者の間では、電話やボイスチャットをしながら寝ることを意味する「寝落ち通話」や「寝落ちもしもし」などが流行っています。どちらかが通話中に寝てしまうので会話が途切れるのですが、安心感が生まれるという理由で人気です。
寝落ちの類語
寝落ちの寝の字を使った別の言葉としては、寝ることと食べることを意味する「寝食」、朝遅くまで寝ていることを意味する「朝寝」、眠るるつもりないままうとうとと眠ることを意味する「転寝」(読み方:うたたね)などがあります。
その他にも、仮にしばらく寝ることを意味する「仮寝」、眠りにつくことを意味する「就寝」、寄り添って寝ることを意味する「添い寝」、不貞腐れて寝てしまうことを意味する「不貞寝」(読み方:ふてね)、昼間に眠ることを意味する「昼寝」などがあります。
気絶の意味
気絶とは
気絶とは、一時的に意識を失うことを意味しています。
表現方法は「気絶する」「気絶させる」「気絶した」
「気絶する」「気絶させる」「気絶した」などが、気絶を使った一般的な言い回しです。
気絶の使い方
気絶を使った分かりやすい例としては、「スタンガンは本当に気絶するのか試してみました」「気絶したように倒れ込んでしまった」「目の前で気絶した人がいたので救助を試みた」「気絶状態を起こすに有効なのはレバガチャと相場が決まっている」などがあります。
気絶という言葉は痛みやショックなどの外的要因によって脳への血流が一時的に遮断され、意識を失った時に使われています。外的要因によって起こるため、いつ気絶するか分からないのが怖いところです。
気絶は一時的に意識を失っているだけなので命には別条がないのですが、気絶した際に頭をぶつけるなど外傷に繋がる可能性があるのが怖いところです。もし、階段を上っている最中に気絶してしまうと命の危険性もあるくらいです。
気絶という言葉は俗語としていつの間にか寝てしまったの意味でも使われるようになりました。例としては、「布団に入ってすぐ気絶した」「こたつに入ってたら気絶していた」などがあります。
上記の例のように意図的ではなく、いつの間にか寝てしまったことを表現したい時に気絶を使うことが多いです。
気絶の類語
気絶の類語・類義語としては、意識を失うことを意味する「失神」、貧血などにより突然意識を失って倒れることを意味する「卒倒」(読み方:そっとう)、昏睡状態になり意識を失うことを意味する人事不省(読み方:じんじふせい)などがあります。
気絶の絶の字を使った別の言葉としては、目がくらみ一時的に意識を失うことを意味する「昏絶」、続いてきたものが絶えることを意味する「断絶」、廃れてなくなることを意味する「廃絶」、苦しみ悶えて気絶することを意味する「悶絶」などがあります。
寝落ちの例文
この言葉がよく使われる場面としては、何かをしている最中に眠ってしまったことを表現したい時などが挙げられます。
例文1のようにゲームをプレイしてる最中に寝てしまった時にが使うのが最も一般的な表現方法です。また、例文3のように寝落ち通話という行動が若者の間で人気になっています。寝落ちは比較的新しく生まれた言葉なため馴染みのある人とない人では差があるはずです。
気絶の例文
この言葉がよく使われる場面としては、一時的に意識を失ったことを表現したい時などが挙げられます。
例文2や例文3のようにストレスや痛みから一時的に意識を失った際に使うのが一番馴染みがあるはずです。また、例文4のように俗語として、いつの間にか寝てしまった意味で使われる機会も増えてきました。
何かをしている最中に眠ってしまった場合に寝落ちか気絶どちらを使うか迷った場合は、俗語ではなく辞書にきちんと意味が載っている寝落ちを使うと間違いないでしょう。