【気が引ける】と【気後れする】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「気が引ける」(読み方:きがひける)と「気後れする」(読み方:きおくれする)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「気が引ける」と「気後れする」という言葉は、どちらも次の行動に移れないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「気が引ける」と「気後れする」の違い

「気が引ける」と「気後れする」の意味の違い

「気が引ける」と「気後れする」の違いを分かりやすく言うと、「気が引ける」とは次の行動ができない主な要因が自分自身、「気後れする」とは次の行動ができない主な要因が周囲の人という違いです。

「気が引ける」と「気後れする」の使い方の違い

一つ目の「気が引ける」を使った分かりやすい例としては、「高級イタリアンでの食事は気が引ける」「先輩に仕事をお願いするのは気が引ける」「この格好で人前に出るのは気が引ける」などがあります。

二つ目の「気後れする」を使った分かりやすい例としては、「人前だと気後れして話ができません」「最近は高級店でも気後れすることなく注文できるようになった」「聴衆を前にして気後れがした」などがあります。

「気が引ける」と「気後れする」の使い分け方

「気が引ける」と「気後れする」はどちらも次の行動に移れないことを表しますが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「気が引ける」は引け目を感じることを意味しており、あれこれ自分の中で思い悩んで次の行動ができない場合に使う言葉になります。つまり、次の行動ができない主な要因は自分自身です。

一方、「気後れする」は相手の勢いやその場の雰囲気などに押されて心が怯むことを意味しており、次の行動ができない主な要因が周囲の人やその場の雰囲気です。

「気が引ける」と「気後れする」の英語表記の違い

「気が引ける」を英語にすると「feel diffident」「feel ashamed」となり、例えば上記の「この格好で人前に出るのは気が引ける」を英語にすると「 I am ashamed to go out dressed like this」となります。

一方、「気後れする」を英語にすると「lose one’s nerve」「become diffident」となり、例えば上記の「聴衆を前にして気後れがした」を英語にすると「In front of the audience I lost my nerve 」となります。

「気が引ける」の意味

「気が引ける」とは

「気が引ける」とは、引け目を感じることを意味しています。

「気が引ける」の使い方

「気が引ける」を使った分かりやすい例としては、「自分からディナーに誘うのは気が引ける」「私がキャプテンに選らばれるなんて気が引ける」「彼との打ち合わせはいつも気が引ける」「友人の結婚式に遅刻してしまうなんて気が引ける」などがあります。

「気が引ける」はやましいことがあっておどおどする、自信がなくて怯む、コンプレックスから劣等感を覚えたりなど、様々な理由で引け目を感じた場合に使う慣用句です。慣用句とは二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表す言葉のことを指しています。

「気が引ける」は様々な場面で使うことができるため、日常生活とビジネスシーンどちらでも使用することができます。また、基本的に次の行動ができない主な要因が自分自身になっている場合に使うと覚えておきましょう。

例えば、「人前で歌うのは未だに気が引ける」とすると、自分の歌に自信がないので中々歌うことができないというニュアンスになります。

その他にも、ためらいや遠慮を表現したい時にも使うことができます。分かりやすい例を挙げると、「高級焼き肉店で食事をするのは少し気が引ける」「偉大な先人たちと名前が並ぶのは気が引ける」などがあります。

また、「取引先の部長は世間話が長いので打ち合わせ少し気が引ける」のように、気乗りがしないことを表現したい場合にも使うことができます。

「気が引ける」の類語

「気が引ける」の類語・類義語としては、あれこれ迷って決心できないことを意味する「躊躇する」、人に対して言葉や行動を慎み控えることを意味する「遠慮する」、自分が他人より劣っていると感じることを意味する「引け目を感じる」などがあります。

「気後れする」の意味

「気後れする」とは

「気後れする」とは、相手の勢いやその場の雰囲気などに押されて心が怯むことを意味しています。

「気後れする」の読み方

「気後れする」の読み方は「きおくれする」です。誤って「きあとれする」と読まないようにしましょう。

表現方法は「気後れする人」「気後れする女性」「気後れせずに」

「気後れする人」「気後れする女性」「気後れせずに」などが、「気後れする」を使った一般的な言い回しになります。

「気後れする」の使い方

「気後れする」を使った分かりやすい例としては、「大学のサークルで先輩たちと気後れすることなく仲良くすることができました」「あれだけ練習したのだから優勝候補相手でも気後れする必要はないだろう」「人前で気後れする性格を直したいです」などがあります。

「気後れする」は相手の勢いやその場の雰囲気などに押されて心が怯むことを意味する言葉です。また、恐怖を伴っている場合や恥ずかしさで怯んでしまった場合にも使うことができます。

「気後れする」の特徴は、次の行動ができない主な要因が周囲の人やその場の雰囲気という点です。相手の気迫に押されたり、その場の雰囲気に圧倒されてしまった場合に使う言葉と覚えておきましょう。

「気後れする」の類語

「気後れする」の類語・類義語としては、恐れかしこまって小さくなることを意味する「畏縮する」、恐ろしいという気持ちになることを意味する「怖気づく」、気後れしておどおどすることを意味する「臆する」などがあります。

「気が引ける」の例文

1.思い切って婚活パーティーに参加したものの、気が引けて好みの男性とあまり話すことができませんでした。
2.有休を消化したいが、みんな忙しそうにしているので気が引ける。
3.彼にそのことを言うのは気が引けるので、黙っておこうと思います。
4.2回戦の対戦相手は甲子園常連校で気が引けるが、全力で挑もうと思います。
5.まだ下っ端の私にとっては、高級中華料理店での打ち合わせは気が引ける。
6.自分から彼女をディナーに誘うのは気が引けるので、まずはランチから誘ってみようと思った。
7.外国人と英語で話すのに気が引けるのは、自分の話す英語が上手くないと思っているからである。
8.上司はテーブルマナーがわからないから、高級レストランで食事するのが気が引けると言っていた。
9.私は今まで盆踊りくらいしか踊ったことがないので、ディスコで踊るのは気が引けてしまう。
10.高校の同窓会に出席するのは気が引ける。なぜなら学生時代の私は友達が極端に少なかったからだ。

この言葉がよく使われる場面としては、引け目を感じることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「気が引ける」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「気後れする」の例文

1.昨年度の優勝校に気後れすることなく戦えることができたので、とても満足しています。
2.ピアノのコンクールで気後れして、普段通りに演奏することができませんでした。
3.賃金の値上げを要求するつもりだったのに、社長を目の前にしたら気後れしてしまいました。
4.初めて合コンに参加してみたが、気後れして上手く話すことができませんでした。
5.最近は高級寿司屋でも気後れなく注文することができるようになったので、成長したと思います。
6.今の職場は人手不足の時に運よく採用されたが、周囲は高学歴の人ばかりで地方の短大出身の自分はちょっと気後れしてしまう。
7.新しい仕事で上司に話しかけられたら、つい気後れしてしまい、うまく返答できなかった。
8.社交ダンスのパーティーに参加したが、周囲の踊り手たちの踊りに圧倒されて、気後れしてしまい、踊れなかった。
9.大学の勉強会では、先輩たちと気後れすることなく楽しく勉強することが出来ました。
10.スポーツ大会での試合で、相手選手の気迫に圧倒され、気後れしてしまい、うまくプレーできなかった。

この言葉がよく使われる場面としては、相手の勢いやその場の雰囲気などに押されて心が怯むことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「気後れする」は自信がなくて心が怯んでしまう場合に使う言葉です。

「気が引ける」と「気後れする」はどちらも次の行動に移れないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、次の行動ができない主な要因が自分自身なのが「気が引ける」、次の行動ができない主な要因が周囲の人なのが「気後れする」と覚えておきましょう。

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