【委細承知】と【仔細承知】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「委細承知」(読み方:いさいしょうち)と「仔細承知」(読み方:しさいしょうち)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「委細承知」と「仔細承知」という言葉は、どちらも「詳しく理解するさま」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




委細承知と仔細承知の違い

委細承知と仔細承知の意味の違い

委細承知と仔細承知の違いを分かりやすく言うと、委細承知と仔細承知は意味や使い方の違いはなく、どちらを使っても同じです。

委細承知と仔細承知の使い方の違い

一つ目の委細承知を使った分かりやすい例としては、「内容について委細承知しました」「もろもろ委細承知いたしました」「メールの件は委細承知しました」「なるほど、委細承知いたしました」などがあります。

二つ目の仔細承知を使った分かりやすい例としては、「審議の結果について仔細承知しました」「ご意見につきましては仔細承知いたしました」「ご要望について仔細承知いたしました」「仔細承知したことをメールする」などがあります。

委細承知と仔細承知の使い分け方

委細承知と仔細承知という言葉は、どちらも細かい内容も含めて十分理解していることを意味し、ビジネスシーンで使用されます。詳細まで把握していることを表し、取引先や上司など目上の人に対しても使用できる便利な表現です。

二つの言葉の意味や使い方には違いがないため、どちらを使っても問題ありません。そのため、上記の例文にある「委細承知」と「仔細承知」は、互いに置き換えて使うことができます。

日本語としての「委細」と「仔細」にニュアンスの違いはありますが、一般的な使い方として「委細承知」と「仔細承知」は区別されないことを覚えておきましょう。

委細承知と仔細承知の英語表記の違い

委細承知も仔細承知も英語にすると「fully understand」「total situation」となり、例えば上記の「委細承知しました」を英語にすると「fully understood」となります。

委細承知の意味

委細承知とは

委細承知とは、詳しい内容を理解したことを意味しています。

表現方法は「委細承知しました」「委細承知いたしました」

「委細承知しました」「委細承知いたしました」などが、委細承知を使った一般的な言い回しです。

委細承知の使い方

委細承知を使った分かりやすい例としては、「委細承知のうえご購入ください」「アニメ化までの流れは委細承知しています」「英語の先生は委細承知しているようでした」「委細承知できないので保留にしています」などがあります。

その他にも、「委細承知の旨をメールで報告しました」「あの人は委細承知之助だからイマイチ信用できない」「英語スキルの必要性について委細承知いたしました」「返信ありがとうございます、委細承知しました」などがあります。

委細承知の「委細」は細かいことまで全て、あらゆることを表し、「承知」は事情などを知ること、わかっていることを表します。委細承知とは、詳しい事情も含めて全部わかっている、すべてを承知していることを意味する四字熟語です。

「委細承知之助」の意味

委細承知を用いた日本語には「委細承知之助」(読み方:いさいしょうちのすけ)があります。委細承知之助とは、すべて承知したことを意味する「委細承知」を人名に擬していう言葉です。転じて、早合点する人、何事も知ったふりをする人も意味します。

委細承知の対義語

委細承知の対義語・反対語としては、承知しないことや承知できないことを意味する「不承知」などがあります。

委細承知の類語

委細承知の類語・類義語としては、物事の内容や事情を理解して承認することを意味する「了解」、事情をくんで納得することを意味する「了承」、言われるまでもなく十分わかっていることを意味する「百も承知」などがあります。

仔細承知の意味

仔細承知とは

仔細承知とは、事細かく理解したことを意味しています。

仔細承知は子細承知とも書く

仔細承知は「子細承知」とも書きます。「仔」は常用外漢字、「子」は常用漢字ですが、一般的には「仔細承知」と表記されています。

表現方法は「仔細承知しました」「仔細承知いたしました」

仔細承知という言葉は、主に「仔細承知しました」「仔細承知いたしました」の言い回しで、ビジネスシーンで使われています。「仔細承知しました」は目上の人に対して使用しても失礼にはなりませんが、より丁寧に表現したい時には「仔細承知いたしました」と言うとよいでしょう。

仔細承知の使い方

仔細承知を使った分かりやすい例としては、「ご連絡の内容は仔細承知しました」「ご連絡いただいた件、仔細承知いたしました」「変更点については仔細承知しました」「仔細承知しましたので宜しくお願いします」などがあります。

その他にも、「予定されている事案に関して仔細承知いたしました」「メールの案件について仔細承知しました」「ビジネスプラン策定の依頼について仔細承知いたしました」「英語留学にかかる費用は仔細承知しました」などがあります。

仔細承知の「仔細」は、細部に至るまで詳しいこと、こまごまと詳しいさまを表します。事情などを知っていることを表す「承知」と結び付き、仔細承知とは、詳しい事柄まで十分に理解したことを意味します。

仔細承知の対義語

仔細承知の対義語・反対語としては、よく理解しないでわかったつもりになることを意味する「生合点」などがあります。

仔細承知の類語

仔細承知の類語・類義語としては、相手の意見や要求などを聞いて受け入れることを意味する「承諾」、相手からの提案や申し入れなどを受け入れることを意味する「受諾」、しっかりと理解することを意味する「把握」などがあります。

委細承知の例文

1.新規ビジネスの計画について委細承知しましたが、予算はどのようになっていますか。
2.資料を拝見し、英語教育の実態と課題について委細承知いたしました。
3.アニメ業界に就職を希望していたが難しかったので、委細承知のうえでIT系の仕事に就きました。
4.メリットもデメリットも委細承知したうえで、話を進めなくてはいけません。
5.部下から「委細承知しました」とメールの返信があったが、本当に理解しているのだろうか。
6.前任者から引き継いだ仕事は引き継ぎ資料があったので、委細承知とまではいかなかったがほぼ問題なく引き継ぐことかできた。
7.私はおばさんにことの事情を説明しようとしたが、どうやら委細承知だったようで、お金を出して渡してくれました。
8.営業部の新人教育について、社内研修や外部講師によるセミナーの内容、スケジュール、費用等について委細承知しました。
9.あの人は委細承知之助だから、何度も説明してあげないと、あとでとんでもないトラブルになるよ。
10.海外取引先につきましては、契約内容や納期、支払い条件等について委細承知し、円滑な取引ができるように努めます。

この言葉がよく使われる場面としては、詳しい事情も含めて全部わかっていることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、委細承知という言葉は、主にビジネスシーンで用いられています。

仔細承知の例文

1.介護サービスの新たなビジネスモデルについて、仔細承知いたしました。
2.打ち合わせの目的や日程等、仔細承知したことをメールで伝えました。
3.商品について仔細承知しました。残念ながら購入は見送らせていただきます。
4.契約内容の変更について仔細承知いたしました。宜しくお願いいたします。
5.来年度からスタートする英語のカリキュラムについて、仔細承知しました。
6.プロジェクトに関しては、仔細承知いたしました。計画の詳細については後日報告いたします。
7.今回の案件については、仔細承知いたしました。お客様には最適な施策を提案することをお約束します。
8.デザインの変更点については仔細承知しましたが、この場合は変更料がかかってしまいますがよろしいでしょうか。
9.このプロジェクトについては、仔細承知いたしました。ステークホルダー間の要件調整を綿密に行い、スケジュール内でのプロジェクト完了を目指します。
10.この度のプロジェクトについては、仔細承知いたしました。ただし、スケジュールや予算に限界がある場合には、最適なプロジェクト完了の実現に向けて、調整を行う場合がございます。

この言葉がよく使われる場面としては、詳細までよく理解していることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、委細承知という言葉は、ビジネスシーンで用いられることが多くあります。

委細承知と仔細承知という言葉は、どちらも「詳しい内容を理解したこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、意味や使い方に違いはないので、好みや語呂の良さにより選べばよいでしょう。

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