似た意味を持つ「センセーショナル」と「エモーショナル」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「センセーショナル」と「エモーショナル」という言葉は、「人間の感情の動きに関する言葉」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
センセーショナルとエモーショナルの違い
センセーショナルとエモーショナルの意味の違い
センセーショナルとエモーショナルの違いを分かりやすく言うと、センセーショナルは人を惹きつけるものを表現する時に使い、エモーショナルは人が惹きつけられた状態を表現する時に使うという違いです。
センセーショナルとエモーショナルの使い方の違い
一つ目のセンセーショナルを使った分かりやすい例としては、「センセーショナルな宣伝となった映画は多くの人が観に行ったようだ」「電車内広告がセンセーショナルで驚いた」「悪い意味でセンセーショナルな人間にはなりたくない」などがあります。
二つ目のエモーショナルを使った分かりやすい例としては、「エモーショナルな音楽を聞くと穏やかな気持ちになれる」「エモーショナルの意味を知らずにエモいと言っている人もいる」「人のエモーショナルな部分を理解するには時間が掛かる」などがあります。
センセーショナルとエモーショナルの使い分け方
センセーショナルとエモーショナルは、どちらも人間の感情の動きに対して使われている言葉ですが、ニュアンスは若干異なります。
センセーショナルは、人間の感情を突き動かすようなものに対して使われています。興味や関心を持たれるような注目を集めるものを表すこともあれば、あまりに刺激的で悪目立ちするようなものを表すこともあります。
一方のエモーショナルは、人間の感情が大きく動かされた状態を指す言葉として使われています。また、感情的や、言葉で表しにくい切なさや侘しさを表す時にも使われています。
つまり、センセーショナルは人の目を引くようなものを指し、エモーショナルは人が惹きつけられた状態を指すという明確な違いがあります。
センセーショナルとエモーショナルの英語表記の違い
センセーショナルを英語にすると「sensational」となり、例えば上記の「センセーショナルな宣伝」を英語にすると「sensational promotion」となります。
一方、エモーショナルを英語にすると「emotional」となり、例えば上記の「エモーショナルな音楽」を英語にすると「emotional music」となります。
センセーショナルの意味
センセーショナルとは
センセーショナルとは、世間の興味や関心を引くような様子を意味しています。
その他にも、大衆を刺激することや悪目立ちすることを表す言葉としても使われています。
表現方法は「センセーショナルな報道」「センセーショナルな事件」「センセーショナルな話題」
「センセーショナルな報道」「センセーショナルな事件」「センセーショナルな話題」などが、センセーショナルを使った一般的な言い回しです。
センセーショナルの使い方
「新しいアイデアを生み出してセンセーショナルな人になりたいのだそうだ」「当時にしてはセンセーショナルを呼ぶような発案だったと後から知った」などの文中で使われているセンセーショナルは、「興味を引くような様子」の意味で使われています。
一方、「センセーショナルな報道を受けて元気がなくなる人も少なくない」「その話題はセンセーショナルであるため今や誰もが知っているだろう」などの文中で使われているセンセーショナルは、「悪目立ちする様子」の意味で使われています。
「センセーショナルな人」の語源
センセーショナルは英語で「sensational」と表記され、「世間をあっと言わせるような」「人騒がせな」「興味本位の」といった意味を持ち、日本語でも同じように使われています。
「センセーショナルな人」の意味
上記例文の「センセーショナルな人」には意味が二つあり、注目を集める人とプラスのイメージで使われる場合と、問題行動ばかりである人とマイナスのイメージで使われる場合があります。
また、人だけでなく話題などに対してセンセーショナルという言葉を使う場合にも、人目を引くほどの魅力を持つ様子を表すこともあれば、刺激的で驚くようなネガティブなイメージを与えるものを表すこともあります。
センセーショナルの類語
センセーショナルの類語・類義語としては、感情や欲を「扇情的」、物事を実際以上に誇張する様子を意味する「大袈裟」、熱狂的で狂信的な様子を意味する「ファナティック」、小さい事柄を大袈裟に誇張する様子を意味する「針小棒大」などがあります。
エモーショナルの意味
エモーショナルとは
エモーショナルとは、感情が大きく動かされた状態を意味しています。
その他にも、感情的や感情そのものを表す言葉として使われています。
表現方法は「エモーショナルな気持ち」「エモーショナルな気分」「エモーショナルな曲」
「エモーショナルな気持ち」「エモーショナルな気分」「エモーショナルな曲」などが、エモーショナルを使った一般的な言い回しです。
エモーショナルの使い方
「人気ドラマの主題歌がエモーショナルだと話題になった」「エモーショナルな効果に目が離せなかった」「エモいの派生元はエモーショナルだけでないらしい」などの文中で使われているエモーショナルは、「感情が大きく動かされた様子」の意味で使われています。
一方、「友人はエモーショナルイーティングに悩んでいるようだった」「エモーショナルな人は時として手に負えなくなる」「エモーショナルな部分を理解できれば事を進めやすい」などの文中で使われているエモーショナルは、「感情的」の意味で使われています。
エモーショナルの語源
エモーショナルは英語で「emotional」と表記され、「感情に動かされやすい」「感情的」「感情に訴える」を意味する言葉です。日本語でも同じように使われていますが、ノスタルジックな雰囲気に浸った時の感情を表す言葉としても使われています。
「エモーショナルイーティング」の意味
上記例文の「エモーショナルイーティング」とは、感情の赴くままに食事を行うことを表す言葉で、食欲とは異なります。お腹が空いていなくとも食べてしまうため、衝動食いややけ食いとも呼ばれています。
「エモーショナルな人」の意味
また、上記例文の「エモーショナルな人」には意味が二つあり、情熱的な人とポジティブなイメージで使われる場合と、情緒不安定な人とネガティブなイメージで使われる場合があります。
今日では若者言葉として「エモい」というエモーショナルを由来とする言葉も存在しています。感動した瞬間、寂しさ、切なさや言葉にできない感情に対して使われていて、「ヤバい」の代用としても多く使われています。
エモーショナルの対義語
エモーショナルの対義語・反対語としては、理性的で合理的な様子を意味する「ラショナル」があります。
エモーショナルの類語
エモーショナルの類語・類義語としては、情緒的で甘美な様子を意味する「ロマンチック」、感傷的で涙もろい様子を意味する「センチメンタル」、ちょっとしたことにも感情を動かされることを意味する「多感」などがあります。
センセーショナルの例文
この言葉がよく使われる場面としては、世間の興味や関心を引くような様子を意味する時などが挙げられます。
例文1から例文2のようにポジティブな内容に対して使われることもあれば、例文3から例文5のようにネガティブな内容に対して使われることもあります。
エモーショナルの例文
この言葉がよく使われる場面としては、感情が大きく動かされた状態を意味する時などが挙げられます。
例文3の「エモーショナルマーケティング」とは、顧客の感情に訴えかけることで購買意欲をかき立てていく手法を指す言葉で、「共感マーケティング」とも呼ばれています。
センセーショナルとエモーショナルは、どちらも「人間の感情の動きに関する言葉」を表します。
どちらを使うか迷った場合は、人を惹きつけるものを表す場合は「センセーショナル」を、人が惹きつけられた状態を表す場合は「エモーショナル」を使うと覚えておけば間違いありません。