同じ「かんじ」という読み方の「幹事」と「監事」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「幹事」と「監事」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
幹事と監事の違い
幹事と監事の意味の違い
幹事と監事の違いを分かりやすく言うと、幹事とは中心となって業務を取りまとめる役、監事とは業務を監督する役という違いです。
幹事と監事の使い方の違い
一つ目の幹事を使った分かりやすい例としては、「パーティーの幹事を任されました」「飲み会幹事がやることをリストアップする」「会計は幹事の重要な仕事のひとつです」「自民党幹事長が記者会見を開く」「次の代表幹事に就任することとなりました」などがあります。
二つ目の監事を使った分かりやすい例としては、「監事の権限は多岐に渡ります」「組合には理事と監事を役員として置きます」「監事は議決権を持っていません」「監査報告書のひな形をダウンロードする」などがあります。
幹事と監事の使い分け方
幹事と監事という言葉は、どちらも「かんじ」と読み、法人や団体における役割を表しますが、意味は大きく異なります。
幹事とは、ある団体のおいて中心となり業務の取りまとめを行う役や、その人を指す言葉です。また、飲み会などの会合で世話役を担当する人を意味します。幹事の「幹」は、物事の主要な部分や、中心となって執り行うことを表す漢字です。
監事とは、法人の財産状態や理事の業務執行を監督するために設けられる役を意味します。また、団体における様々な事務を引き受けて行う役や、その人を意味する言葉です。監事の「監」は、取り締まる役目を表します。
つまり、幹事は中心となって取りまとめる役を表しますが、監事は業務を監査する役や庶務をつかさどる役を意味します。幹事と監事という言葉は、意味が全く異なる同音異義語のため、互いに置き換えて使うことは出来ません。
なお、会話のなかで二つの言葉を区別するために、幹事を「みきかんじ」、「監事」を「さらかんじ」と呼ぶ場合があります。
幹事と監事の英語表記の違い
幹事を英語にすると「manager」「secretary」「organizer」となり、例えば上記の「パーティーの幹事」を英語にすると「an organizer of party」となります。
一方、監事を英語にすると「inspector」「supervisor」「auditor」となり、例えば上記の「監事の権限」を英語にすると「authority of the auditors」となります。
幹事の意味
幹事とは
幹事とは、会などの世話役を意味しています。
その他にも、「業務を中心となって担当する役」の意味も持っています。
表現方法は「幹事を務める」「幹事をする」「幹事にお礼」
「幹事を務める」「幹事をする」「幹事にお礼」などが、幹事を使った一般的な言い回しです。
幹事の使い方
「新年会の幹事を引き受ける」「飲み会の幹事を任されてしまった」「宴会の会計報告までが幹事の仕事です」「幹事へのお礼をメールで伝える」「幹事さんに便利な日程調整ツールがあります」などの文中で使われている幹事は、「会などの世話役」の意味で使われています。
一方、「自民党の幹事長はどれぐらい偉いのだろう」「代表幹事からご挨拶をいただく」「英語コミュニケーション学会の幹事に就任しました」「幹事会の役割は施策の立案と推進です」などの文中で使われている幹事は、「業務を中心となって担当する役」の意味で使われています。
幹事の「幹」は訓読みで「みき」と読み、物事の中心となる部分や、中心となって取り仕切ることを表します。務めや行いを表す「事」と結び付き、幹事とは団体の中心となって業務をつかさどる役を意味します。 また、会合や宴会などのまとめ役を意味する言葉です。
「幹事長」の意味
幹事を用いた日本語には「幹事長」があります。幹事長とは、幹事役の長のことであり、特に、政党運営の中心となる役を指します。上記の例文にある「自民党幹事長」は、自由民主党総裁を補佐し、党務を執行する役職のことです。
幹事の類語
幹事の類語・類義語としては、会合などの中心となって事務上の処理をする人を意味する「世話役」、商取引や縁談などの仲介をする人を意味する「世話人」、ある事務や業務に参与する職を意味する「参事」などがあります。
監事の意味
監事とは
監事とは、団体の庶務をつかさどる役を意味しています。
その他にも、「法人の財産や理事の業務執行の状況を監査する機関、株式会社の監査役にあたる機関」の意味も持っています。
監事の使い方
「監事の仕事は几帳面な私に向いていると思います」「英語や中国語が堪能な人に監事をお願いしたい」「資料作成も監事の役割の一つです」などの文中で使われている監事は、「団体の庶務をつかさどる役」の意味で使われています。
一方、「監事の役割は会計と業務に関する監査です」「監事は役員ですが理事ではありません」「監事の仕事内容を確認する」「監事監査マニュアルを改訂しました」などの文中で使われている監事は、「法人の財産を監査する機関」の意味で使われています。
監事の「監」は、訓読みで「みる」「しらべる」と読み、見張ることや取り締まることを表す漢字です。務めや仕事を表す「事」と結び付き、監事とは、法人の内部にあって理事の事務の執行を監督する機関を意味します。また、団体の一般事務をつかさどる役を意味する言葉です。
「外部監事」の意味
監事を用いた日本語には「外部監事」があります。外部監事とは、一般社団法人の監事で、過去にその法人または子法人の理事や使用人になったことのない人のことです。
監事の対義語
監事の対義語・反対語としては、法人の業務を執行し法人を代表して権利を行使する機関を意味する「理事」、会社の業務執行に関する意思決定に参加する者を意味する「取締役」などがあります。
監事の類語
監事の類語・類義語としては、会計参与の職務の執行を監査する株式会社の機関を意味する「監査役」、ある事柄の検査をすることを職務とする公務員を意味する「検査官」、検査や監督をする者を意味する「インスペクター」などがあります。
幹事の例文
この言葉がよく使われる場面としては、会合や集合などのまとめ役、会や団体の中心となって業務をつかさどることを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文3の幹事は、会合や集合などのまとめ役の意味で用いられています。例文4や例文5の幹事は、会や団体の中心となって業務をつかさどる役を意味します。
監事の例文
この言葉がよく使われる場面としては、団体の一般事務をつかさどる役、法人の財産や業務を監査する役を表現したい時などが挙げられます。
例文1の監事は、団体の一般事務をつかさどる役の意味で用いられています。例文2から例文5の監事は、法人の財産や業務を監査する役の意味で使用されています。
幹事と監事という言葉は、どちらも「かんじ」と読む同音異義語です。どちらの言葉を使うか迷った場合、中心となって取りまとめる役を表現したい時は「幹事」を、業務を監査する役や庶務を取り扱う役を表現したい時は「監事」を使うようにしましょう。