似た意味を持つ「営利目的」(読み方:えいりもくてき)と「商用利用」(読み方:しょうようりよう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「営利目的」と「商用利用」という言葉は、どちらも「利益を得るために行うこと」を表しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
営利目的と商用利用の違い
営利目的と商用利用の意味の違い
営利目的と商用利用の違いを分かりやすく言うと、営利目的とは利益を得るための活動全般などを表し、商用利用とは利益を得るためにコンテンツなどを利用することを表すという違いです。
営利目的と商用利用の使い方の違い
一つ目の営利目的を使った分かりやすい例としては、「NPOは非営利目的で設立された法人です」「営利目的の転売や譲渡はおやめ下さい」「営利目的のコピーは著作権者への支払いが必要です」「このイラストは営利目的で使用できますか」などがあります。
二つ目の商用利用を使った分かりやすい例としては、「無断で商用利用することを禁じます」「著作権フリーであれば商用利用できますか」「商用利用不可の型紙を使ったハンドメイドは販売できません」などがあります。
営利目的と商用利用の使い分け方
営利目的と商用利用という言葉は、どちらも「利益を得るために行うこと」を表し、おもにビジネスシーンで使用されていますが、意味や使い方には違いがあります。
営利目的とは、利益を得るための営みを意味し、多くの商行為や商取引で行われている活動を指します。利益を得ることを目的とした活動全般を表す言葉であり、基本的に一般企業はみな営利目的です。また、個人がフリマアプリで利益をあげようとする行為も営利目的と言えます。
商用利用とは、利益を得る目的で利用すること意味し、特に素材やコンテンツを営利目的で二次利用することを表します。例えば、音楽配信サイトから曲をダウンロードし、それを利用した自作DVDを営利目的のために販売したとすれば、音楽コンテンツを商用利用したことになります。
つまり、営利目的とは利益を得るための営み全般であり、商用利用とはコンテンツなどを利益を得るために利用することです。二つの言葉を比べると、商用利用よりも営利目的の方が広い意味を持ち汎用性のある言葉だと言えるでしょう。
営利目的と商用利用の英語表記の違い
営利目的を英語にすると「commercial enterprise」「commercial purposes」「purpose of profit」となり、例えば上記の「非営利目的で」を英語にすると「for a non-commercial purpose」となります。
一方、商用利用を英語にすると「commercial use」「commercial purposes」となり、例えば上記の「商用利用する」を英語にすると「use it for commercial purposes」となります。
営利目的の意味
営利目的とは
営利目的とは、利益を得るために事を行うことを意味しています。
表現方法は「営利目的ではない」「営利目的の転売」「営利目的での使用」
「営利目的ではない」「営利目的の転売」「営利目的での使用」などが、営利目的を使った一般的な言い回しです。
営利目的の使い方
営利目的を使った分かりやすい例としては、「公共の施設は営利目的の使用を禁じてます」「営利目的誘拐罪は刑法225条で規定されています」「メルカリは営利目的の転売を禁止しています」「定価以下でも営利目的の転売は禁止です」などがあります。
その他にも、「こちらの英語教材は非営利目的に限り利用できます」「営利目的のチケット転売は禁止されています」「ディズニーリゾートでは営利目的の撮影はできません」「YouTubeで収益を得ることは営利目的になりますか」などがあります。
営利目的とは、利益を得る狙いで活動すること、お金を儲けることを目的とする行為を意味します。一般的な企業は営利目的があり、会社は利益を獲得できるような事業を営みます。それに対して、非営利団体であるNPO法人は、利益を追求しない公共的な団体や慈善活動を行う市民団体を指します。
「営利目的誘拐罪」の意味
営利目的を用いた日本語には「営利目的誘拐罪」があります。営利目的誘拐罪とは、「営利目的等略取及び誘拐罪」の略であり、営利・わいせつ・身体を害する目的で人を誘拐し、自己または第三者の支配下に移す罪のことです。刑法第225条で禁じており、1年以上10年以下の懲役に処せられます。
営利目的の対義語
営利目的の対義語・反対語としては、経済的な利益を目的としないで活動することを意味する「非営利」、利害を離れて国家や社会などのために尽くすことを意味する「奉仕」、無償の奉仕活動をすることを意味する「ボランティア」などがあります。
営利目的の類語
営利目的の類語・類義語としては、商品を売買し利益を得ることを目的とする事業を意味する「商業」、利益をあげる目的で物を売り買いすることを意味する「商売」、利益の追求のみを目的として進める仕事を意味する「ビジネス」などがあります。
商用利用の意味
商用利用とは
商用利用とは、利用者が自分の利益を得る目的で、二次利用することを意味しています。
表現方法は「商用利用可」「商用利用可能」「商用利用禁止」
「商用利用可」「商用利用可能」「商用利用禁止」などが、商用利用を使った一般的な言い回しです。
商用利用の使い方
商用利用を使った分かりやすい例としては、「商用利用可能な無料素材をダウンロードする」「こちらのイラストは全て商用利用可です」「商用利用できる英語のフリーフォントをご紹介します」などがあります。
その他にも、「商用利用可能な画像だけを集めました」「そのイラストをTシャツにして売ることは商用利用です」「社内利用も商用利用になりますか」「どこから商用利用になるのか線引きが知りたい」などがあります。
商用利用の「商用」とは、商売上用いることや商業方面で使うことです。商業利用とは、製品やサービスが商業的な利益のために二次利用されることを指す言葉です。特に、イラストや音楽などの素材やコンテンツの利用方法について言及する際に用いられています。
素材やコンテンツを配布するサイトには、利用規約として商用利用禁止を掲げていることあるので注意が必要です。また、どこからどこまでが商用利用なのか、非商用利用になるのかも確認する必要があります。
商用利用の対義語
商用利用の対義語・反対語としては、個人が楽しむ範囲での使用を意味する「個人利用」、個人的または家庭内など限られた範囲内において使用することを意味する「私的使用」などがあります。
商用利用の類語
商用利用の類語・類義語としては、ある資源を二次利用したり販売チャネルとして用いたりすることで利益を得ることを意味する「商業利用」、利用者が自分の利益を得る目的で利用することを意味する「営利利用」などがあります。
営利目的の例文
この言葉がよく使われる場面としては、利益を得ることを目的にした活動を表現したい時などが挙げられます。
例文4や例文5について、営利目的はどこからどこまでなのかという定義はありません。金銭授受を伴わない講演が営利目的となったり、受講料を徴収しても利益がでないのであれば非営利目的とされることもあります。
商用利用の例文
この言葉がよく使われる場面としては、利用者が自分の利益を得るために二次利用すること、営利目的で著作物を使用することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、商用利用という言葉は、素材やコンテンツなどの利用方法について述べる際に用いることが多くあります。
営利目的と商用利用という言葉は、どちらも「利益を得るために行うこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、利益を得るための活動を表現したい時は「営利目的」を、利益を得るために利用することを表現したい時は「商用利用」を使うようにしましょう。