【テンパる】と【焦る】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「テンパる」(読み方:てんぱる)と「焦る」(読み方:あせる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「テンパる」と「焦る」という言葉は、類語ではあるものの意味は少し異なっています。




「テンパる」と「焦る」の違い

「テンパる」と「焦る」の意味の違い

「テンパる」と「焦る」の違いを分かりやすく言うと、「テンパる」とは余裕がなくて切羽詰まっていること、「焦る」とは早くしなければならないと思って苛立つことという違いです。

「テンパる」と「焦る」の使い方の違い

一つ目の「テンパる」を使った分かりやすい例としては、「彼氏の前だとテンパることが多いです」「本番になるといつもテンパる」「予想外の出来事が起きてテンパる」「私は今テンパっている」などがあります。

二つ目の「焦る」を使った分かりやすい例としては、「予想外の質問をされて焦る」「終了時間が迫ってきて気が焦る」「締め切りは来週なのでそう焦る必要はないだろう」「彼はすぐ出発したくて焦っているようでした」などがあります。

「テンパる」と「焦る」の使い分け方

「テンパる」と「焦る」は類語ではあるものの意味は少し異なっているので間違えないように注意しましょう。

「テンパる」は余裕がなくて切羽詰まっていることを意味しているのに対して、「焦る」は早くしなければならないと思って苛立つことや不意のことで動揺して慌てることの意味で使うというのが違いです。

「テンパる」と「焦る」の英語表記の違い

「テンパる」を英語にすると「panic」「freaking out」「nervous」となり、例えば上記の「私は今テンパっている」を英語にすると「I’m in panic」となります。

一方、「焦る」を英語にすると「in a hurry」「hasty」「impatient」「anxious」となり、例えば上記の「彼はすぐ出発したくて焦っているようでした」を英語にすると「He seemed impatient to start at once」となります。

「テンパる」の意味

「テンパる」とは

「テンパる」とは、余裕がなくて切羽詰まっていることを意味しています。

表現方法は「テンパる人」「すぐテンパる」

「テンパる人」「すぐテンパる」などが、「テンパる」を使った一般的な言い回しになります。

「テンパる」の使い方

「テンパる」を使った分かりやすい例としては、「私は柔軟性がないのでテンパることが多いです」「テンパる原因の一つとしてキャパオーバーがあります」「私はテンパることが多いので自分ペースで出来る仕事に就いています」などがあります。

「テンパる」は余裕がなくて切羽詰まっていることを意味する動詞です。日常生活など様々な場面で使うことができる言葉になります。また、基本的にマイナスなイメージで使うのが一般的です。

「テンパる」の由来

「テンパる」の由来は麻雀です。麻雀用語で聴牌(読み方:てんぱい)という言葉があり、あと1個必要な牌が入れば上がれる状態になることを意味しています。この「聴牌」に「る」を加えて動詞化したのが「テンパる」です。

したがって、元々は物事の成就直前であるというプラスのイメージで使われている言葉でした。

しかし、時代が経つにつれて意味が変化していき、あと一歩であがれるのに他の人に割り込まれたらどうしようや、あがれるか不安になるなどのというネガティブな心理状態として使われるようになったのです。

そのため、現代の「テンパる」は、余裕がなくて切羽詰まっていることというマイナスのイメージの意味で使うと覚えておきましょう。

「テンパる」の類語

「テンパる」の類語・類義語としては、不意を打たれ驚いたり慌てたりして取り乱すことを意味する「狼狽える」、方法や手段が尽きてどうしてよいか分からなくなることを意味する「途方に暮れる」などがあります。

「焦る」の意味

「焦る」とは

「焦る」とは、早くしなければならないと思って苛立つことを意味しています。その他にも、不意のことで動揺して慌てることを表現したい時にも使います。

表現方法は「焦る人」「焦るな」「焦ると失敗する」

「焦る人」「焦るな」「焦ると失敗する」などが、「焦る」を使った一般的な言い回しになります。

「焦る」の使い方

「勝負を焦るのは良くないと思う」「時間はたっぷりあるので焦る必要はないだろう」などの文中で使われている「焦る」は、「早くしなければならないと思って苛立つこと」の意味で使われています。

一方、「電車に乗り遅れるかと思って焦る」「お会計をする際に財布がないことに気づき焦る」などの文中で使われている「焦る」は、「不意のことで動揺して慌てること」の意味で使われています。

「焦る」は早くしなければならないと思って苛立つことや不意のことで動揺して慌てることの意味を持つ動詞です。

「焦る」の由来

現代ではどちらの意味でも使われている「焦る」ですが、元々は早くしなければならないと思って苛立つことの意味しかありませんでした。そのため、不意のことで動揺して慌てることの意味を俗語と記載している辞書もあれば、全く載せていない辞書もあるなので対応はまちまちです。

では、不意のことで動揺して慌てることの意味はなぜ普及したのか気になる方がいると思いますが、原因ははっきりと分かっていません。いつの間にか普及し、広く一般的に使われるようになった言われています。

「焦る」の類語

「焦る」の類語・類義語としては、早くしなければと慌てることを意味する「急く」、思いどおりにならなかったり不快なことがあったりして神経が高ぶることを意味する「苛々する」、心配してやきもきすることを意味する「気を揉む」などがあります。

「テンパる」の例文

1.好きな人と二人きりになると、テンパって頭が真っ白になってしまう。
2.新人の頃は混雑時にテンパって、よくミスをしていました。
3.テンパるのを防ぐために、発表の前には必ず深呼吸するようにしています。
4.テンパると冷静な判断ができなくり、仕事上で何度もミスをしてしまう。
5.私はすぐテンパるので、接客業には向いていないと思っています。
6.準備不足なままプレゼン当日を迎えてしまい絶対テンパると思っていたが、失敗を覚悟していたせいか意外と落ち着いてできた。
7.入手困難なライブチケットが手に入ったと夫に電話したのだが、嬉しさでテンパる余り、何を言ってるのか全然分からないと言われた。
8.恋人との初デートでは、緊張からテンパって、何を注文したのかも忘れてしまうほどでした。
9.新人の頃はプレゼンテーションの本番でテンパってしまい、終わった後に上司から大目玉を食らったこともありました。
10.インタビューの場面で、その選手はテンパりがちで、質問に対する適切な回答をしていませんでした。

この言葉がよく使われる場面としては、余裕がなくて切羽詰まっていることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「テンパる」はマイナスなイメージで使われることが多い言葉です。

「焦る」の例文

1.試合開始15分で先制点を取られるも、焦ることなくプレーし逆転に成功しました。
2.原稿の締め切りまではまだ3日もあるので、そう焦る必要はないだろう。
3.あなたはまだ若いので、結婚を焦る必要はないと思いますよ。
4.渋滞に巻き込まれて飛行機の搭乗手続きに遅れると思い、とても焦りました。
5.両親に彼氏がいることがバレそうになり、少し焦ってしまいました。
6.約束の時間までまだ余裕があったはずなのに、なぜかいつも遅刻しそうになり焦ることが多い。
7.遅刻間際で走っていると、つまずいてイヤリングは落とすし、髪はボサボサになるし、本当に焦ってるとろくな事がない。
8.大切なプレゼンテーションの準備中、大事な資料が見当たらず、彼は焦って部屋を探しまわった。
9.私達家族は出発ゲートの前で列に並んだものの、搭乗時刻を心配してとても焦りました。
10.すぐに決断する必要はない。締め切りまで時間はたっぷりあるので焦る必要はないだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、早くしなければならないと思って苛立つことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、不意のことで動揺して慌てることを表現したい時にも使います。

例文1から例文3の「焦る」は早くしなければならないと思って苛立つこと、例文4と例文5の「焦る」は不意のことで動揺して慌てることの意味で使っています。

「テンパる」と「焦る」は類語ではあるものの意味は少し異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、余裕がなくて切羽詰まっていることを表現したい時は「テンパる」を、早くしなければならないと思って苛立つことを表現したい時は焦るを使うと覚えておきましょう。

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