似た意味を持つ「キャッシュアウト」と「資金ショート」(読み方:しきんしょーと)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「キャッシュアウト」と「資金ショート」という言葉は、「現金が流出すること」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
キャッシュアウトと資金ショートの違い
キャッシュアウトと資金ショートの意味の違い
キャッシュアウトと資金ショートの違いを分かりやすく言うと、キャッシュアウトは資金の減少を表現する時に使い、資金ショートは資金の不足を表現する時に使うという違いです。
キャッシュアウトと資金ショートの使い方の違い
一つ目のキャッシュアウトを使った分かりやすい例としては、「キャッシュアウトサービスのおかげで利便性が向上した」「キャッシュアウトが行われた会社の話を耳にした」「近くにATMがない場合キャッシュアウトが便利だ」などがあります。
二つ目の資金ショートを使った分かりやすい例としては、「資金ショートを引き起こした原因は海外金融に大きな損失があったからだ」「昨今の流行り病によって資金ショートの危険性が高まる」「資金ショート対策を講じていく」などがあります。
キャッシュアウトと資金ショートの使い分け方
キャッシュアウトと資金ショートはどちらも、現金の流出による減少を表す言葉ですが、意味が若干異なります。
キャッシュアウトは、商品の仕入れや設備投資などの企業活動によって資金が減少することを指す言葉ですが、現金を対価にした株主の締め出しや現金の引き出しを意味する言葉としても使われています。
一方の資金ショートは、会社の資金が不足することを指す言葉で、サービスの提供に商品を仕入れ、設備を動かし、消費者に提供し、それによる収入で商品を仕入れるという循環があったとして、資金の不足により上手く機能しなくなる状態を表します。
つまり、キャッシュアウトは現金は減少するもののまだ現金が手元に残されている状態に対して使われ、資金ショートは現金が不足して機能しなくなる状態に対して使われるという明確な違いがあります。
キャッシュアウトと資金ショートの英語表記の違い
キャッシュアウトを英語にすると「cash-out」となり、例えば上記の「キャッシュアウトサービス」を英語にすると「cash-out service」となります。
一方、資金ショートを英語にすると「a fund shortage」となり、例えば上記の「資金ショートを引き起こした」を英語にすると「caused a fund shortage」となります。
キャッシュアウトの意味
キャッシュアウトとは
キャッシュアウトとは、企業活動によって資金が減少することを意味しています。
その他にも、買い物を行う際に預金から引き落とした現金で支払いを行うことや、そのサービスを表す言葉としても使われています。
表現方法は「キャッシュアウトする」「キャッシュアウトを抑える」
「キャッシュアウトする」「キャッシュアウトを抑える」などが、キャッシュアウトを使った一般的な言い回しです。
キャッシュアウトの使い方
「警備に対するキャッシュアウトは現状削りようがない」「キャッシュアウトに耐えられなければ黒字倒産もあり得る」などの文中で使われているキャッシュアウトは、「企業の資金減少」の意味で使われています。
一方、「キャッシュアウトサービスは2018年から取り扱われ始めた」「ATMが近くにないためキャッシュアウトのために近くの対応店舗に出向く」などの文中で使われているキャッシュアウトは、「口座から現金を引き出すこと」の意味で使われています。
キャッシュアウトは英語で「cash-out」と表記され、現金引き出しを意味する言葉ですが、英語でも日本語でも日常生活で使う表現ではなく、経済や金融用語として扱われています。
会社から資金が流出する理由は、商品の仕入れや設備に対する投資を行うことはもちろん、借金返済や固定資産の購入、株主への配当を行うことなどが挙げられます。
会社法においては、現金を対価に株主から株を買い上げて強制的に会社の経営から締め出すことを意味する言葉として使われており、この場合のキャッシュアウトは「スクイーズアウト」とも呼ばれています。
また、上記例文の「キャッシュアウトサービス」のように、自分の銀行口座から現金を引き出すことを意味することもあり、商品の購入と同時に引き落とすことや、店舗にて現金を引き落とすことができます。
キャッシュアウトの対義語
キャッシュアウトの対義語・反対語としては、資金が手元へ流入することを意味する「キャッシュイン」があります。
キャッシュアウトの類語
キャッシュアウトの類語・類義語としては、ある目的のために自分の金銭や物品を支払うことを意味する「支出」、費用を出すことを意味する「出費」、物事を行うのに必要な費用を意味する「経費」などがあります。
資金ショートの意味
資金ショートとは
資金ショートとは、手元の資金が不足することを意味しています。
表現方法は「資金ショート寸前」「資金ショートする」「資金ショートしそう」
「資金ショート寸前」「資金ショートする」「資金ショートしそう」などが、資金ショートを使った一般的な言い回しです。
資金ショートの使い方
資金ショートを使った分かりやすい例としては、「資金ショート寸前であれば融資を受けることは難しいだろう」「コスト見直しやリスケジュールをして資金ショートを回避する」「資金ショートの防止策を検討しておく」などがあります。
その他にも、「資金ショートした場合は従業員に給料さえ渡すことができなくなる」「資金ショートに繋がりそうな問題は解消しておきたい」「復活できなくはないとは言え資金ショートに陥れば厳しい戦いとなるだろう」などがあります。
資金ショートのショートは英語で「shortage」と表記され、不足や払底を意味します。そのため、商品の仕入れやその他資金に充てる金銭はもちろん、従業員らに対する給与支払いができないほどの状態を指します。
商品やサービスの売上が黒字だったとしても、入金の時期によっては利益は出しているものの支払いができずに資金ショートを起こして倒産することになるといった場合もあります。
予期せぬ社会的問題や世界的な経済問題によって、発注の停止や取引先の倒産などが相次ぐことでも資金ショートが引き起こされるため、資金繰りやキャッシュフローの分析が必要とされています。
仮に、資金ショート寸前や資金ショートに陥った場合でも、厳しいものの乗り越えることが出来る場合もあるようです。
資金ショートの類語
資金ショートの類語・類義語としては、収入と支出が合っているものの手元の現金が不足していることを意味する「勘定合って銭足らず」、経済状態が極めて苦しいことを意味する「火の車」などがあります。
キャッシュアウトの例文
この言葉がよく使われる場面としては、企業活動によって資金が減少することを意味する時などが挙げられます。
例文3のように、株主の保有する株式を買い取ることでその株主を会社から撤退させることを指すこともあります。
また、例文4や例文5のように、銀行やATMではなくとも口座から現金を引き下ろすことを意味する言葉としても使われています。
資金ショートの例文
この言葉がよく使われる場面としては、手元の資金が不足することを意味する時などが挙げられます。
例文1の通り、借りた金銭の額が積み重なるだけでは資金ショートとは呼べず、返済をすることができなくなるほど資金が不足することを表します。
キャッシュアウトと資金ショートは、どちらも「現金が流出すること」を表します。どちらを使うか迷った場合は、資金の減少を表す場合は「キャッシュアウト」を、資金の不足を表す場合は「資金ショート」を使うと覚えておけば間違いありません。