似た意味を持つ「スマート」と「クレバー」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「スマート」と「クレバー」という言葉は、「賢い様子」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
スマートとクレバーの違い
スマートとクレバーの意味の違い
スマートとクレバーの違いを分かりやすく言うと、スマートは賢さを表現する時に使い、クレバーはずる賢さを表現する時に使うという違いです。
スマートとクレバーの使い方の違い
一つ目のスマートを使った分かりやすい例としては、「スマートな女性に憧れており常日頃所作には気を付けている」「スマート技術は様々な分野で用いられている」「製造におけるスマート化は今日では当たり前となってきた」などがあります。
二つ目のクレバーを使った分かりやすい例としては、「取引先の社長はクレバーな経営者として有名らしい」「クレバーさを持ち合わせた女性の隣に立てる気がしない」「クレバーな思考ができるようになれたらとは思う」などがあります。
スマートとクレバーの使い分け方
スマートとクレバーはどちらも、賢い様子を意味しますが性質が若干異なります。
スマートは、動作や行動などの手際が良い様子を意味します。その他にも、見目がすらりとしている様子を表す場合にも使われています。
一方のクレバーは、頭の良い様子や賢い様子を意味します。純粋な賢さだけではなく、ずる賢い様子を表す言葉として使われることもあります。
つまり、スマートは知性のある賢さを表し、クレバーは機転の利く賢さやずる賢さを表すという違いがあります。また、前者は洗練されている様子も表し、人だけでなく物に対しても使われるという違いもあります。
スマートとクレバーの英語表記の違い
スマートを英語にすると「smart」となり、例えば上記の「スマートな女性」を英語にすると「a smart woman」となります。一方、クレバーを英語にすると「clever」となり、例えば上記の「クレバーな経営者」を英語にすると「a clever owner」となります。
スマートの意味
スマートとは
スマートとは、動作や行動などの手際が良く賢い様子を意味しています。
その他にも、姿や形がすらりとしており格好が良い様子を意味します。
表現方法は「スマートな人」「スマートな服装」
「スマートな人」「スマートな服装」などが、スマートを使った一般的な言い回しです。
スマートの使い方
「スマートフォンだけでなくスマートウォッチも普及し始めた」「スマート農業には初期費用が掛かる」「スマートに作業をこなしていく」などの文中で使われているスマートは、「手際が良く賢い様子」の意味で使われています。
一方、「スマートな彼女は誰からも慕われている」「細いというより格好良いという意味でスマートを使っている」「スマートな人になれればと常日頃思っている」などの文中で使われているスマートは、「見目が格好良い様子」の意味で使われています。
スマートは英語で「smart」と表記され、「活発な」「機敏で」「気の利いた」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われていますが、物に対しても使われる場合には洗練された様子を表します。
「スマートフォン」「スマートウォッチ」の意味
上記例文の「スマートフォン」「スマートウォッチ」のスマートは、賢い様子や高性能である様子を表す言葉として使われています。また、「スマート農業」は高度な技術を活用することで生産の質を上げる農業を指す言葉です。
スマートの対義語
スマートの対義語・反対語としては、みっともないことを意味する「不格好」、役に立たない様子を意味する「無駄」があります。
スマートの類語
スマートの類語・類義語としては、その時代に流行した考え方である様子を意味する「当世風」、あか抜けていて上品で落ち着いている様子を意味する「シック」、少し洒落た様子を意味する「小粋」などがあります。
クレバーの意味
クレバーとは
クレバーとは、賢い様子や利口である様子を意味しています。
表現方法は「クレバーな人」「クレバーな選手」「クレバーに徹する」
「クレバーな人」「クレバーな選手」「クレバーに徹する」などが、クレバーを使った一般的な言い回しです。
クレバーの使い方
クレバーを使った分かりやすい例としては、「クレバーだけどワイズではないため彼の言動には気を付けている」「クレバーな男と言われても皮肉と感じる」「クレバーさがより際立った試合展開だったと思う」などがあります。
その他にも、「クレバーさも合わせ持つような人間になりたい」「クレバーな人と言われるのは悪口なのだろうか」「英語圏ではクレバーを褒め言葉として使わない方がいいだろう」「クレバーを銘打った商品は大人気だった」などがあります。
クレバーは英語で「clever」と表記され、「利口な」「器用な」「賢い」といった意味を持つ言葉です。他にも、英語圏ではずる賢いという意味で皮肉として使われることもありますが、ポジティブな意味で使われる日本でも皮肉と勘違いされることもあります。
賢い様子を表す言葉には、思慮深く判断力がある様子を表す「ワイズ」などもありますが、特に頭の回転が速いことを表すため区別して使われています。
また、商品名にクレバーを含むものも多く、多機能であったり高性能を売りとしているものに対して使われていることがほとんどです。
クレバーの対義語
クレバーの対義語・反対語としては、知能が劣り愚かなことを意味する「バカ」、考えが足りない様子を意味する「愚か」があります。
クレバーの類語
クレバーの類語・類義語としては、賢いことを意味する「利口」、非常に巧みであることを意味する「巧妙」、上手く立ち回って抜け目のない様子を意味する「達者」、要領よく色々な物事を処理することを意味する「器用」などがあります。
スマートの例文
この言葉がよく使われる場面としては、動作や行動などの手際が良い様子を意味する時などが挙げられます。
例文5のスマートのように、細い状態や痩せている様子を表す言葉としても使われていますが、日本独特の使い方であり、英語圏でこのような使い方はされません。
クレバーの例文
この言葉がよく使われる場面としては、賢い様子や利口である様子を意味する時などが挙げられます。
例文5の「クレバーに抱きしめる」とは、『MEN’S KNUCKLE』という雑誌に掲載されたフレーズで、「ずる賢く抱く」といった意味になりますが、意味を重視して使われることはあまりありません。
スマートとクレバーは、どちらも「賢い様子」を表します。どちらを使うか迷った場合は、純粋な賢さを表す場合は「スマート」を、ずる賢さを表す場合は「クレバー」を使うと覚えておけば間違いありません。