【指向】と【志向】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「しこう」という読み方の「指向」と「志向」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「指向」と「志向」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。

指向と志向の違い

指向と志向の違いを分かりやすく言うと、指向とは物事が特定の方向に向かう、志向とは心がある目的に向かうという違いです。

一つ目の指向を使った分かりやすい例としては、「指向性マイクは私のお気に入りだ」「オブジェクト指向の学習はとても難しい」「負傷した兵士たちを安全な地域へ指向した」「主戦力を激戦地へ指向させる」などがあります。

二つ目の志向を使った分かりやすい例としては、「上昇志向の強い人は出世しやすいだろう」「我がチームには欧州志向な選手が多い」「男女ともブランド志向の人はダサい傾向がある」などがあります。

指向と志向の明確な違いは、指向は物理的に特定の方向に向かう、志向は心理的に特定の方向に向かうということです。また、志向の方が日常生活やビジネスシーンで使うことが多いので、馴染みのある言葉でしょう。

指向と志向は読み方は同じなのですが、意味が少し違うためお互いに置き換えることができません。上記の「指向性マイク」「上昇志向」を置き換えると、「志向性マイク」「上昇指向」となるのですが、意味が分からない言葉になってしまいます。

指向を英語にすると、「point」となり、例えば上記の「主戦力を激戦地へ指向させる」を英語にすると「Point your main force to the fierce battlefield」となります。

一方、志向を英語にすると「oriented」となり、例えば上記の「欧州志向な選手が多い」を英語にすると「Many European-oriented players」となります。

指向の意味

指向とは、物事が特定の方向に向かうことを意味しています。

指向を使った分かりやすい例としては、「指向性スピーカーは特定の場所に音を発射できるため使いやすい」「オブジェクト指向をやっと理解してきた」「出荷先として指向する市場が決まった」などがあります。

指向は、物事が特定の方向に向かう意味なのですが、あまり使わない言葉なはずです。使ったことがあるとすれば、「指向性マイク」「指向性スピーカー」「指向性アンテナ」「オブジェクト指向」などの言葉でしょう。

「指向性マイク」「指向性スピーカー」「指向性アンテナ」などで使う指向性とは、音、電波、光が空間に出力される時に、その強度が方向によって異なる性質であることを意味しています。

指向の指の字を使った別の言葉としては、全体がまとまって動くように、人の上に立って指示をすることを意味している「指揮」、物事をそれと指し示すことを意味する「指示」、物事を進める上での基本的な方針を意味する「指針」などがあります。

その他にも、指し示すことを意味する「指斥」(読み方:しせき)、人に指示して悪事などを行うように仕向けることを意味する「指嗾」(読み方:しそう)、時間や場所などをそれと指して決めることを意味する「指定」などがあります。

志向の意味

志向とは、心がある目的に向かうことを意味しています。

志向を使った分かりやすい例としては、「上昇志向の強い人と一緒に仕事をすると良い刺激を貰える」「最近の就活生は安定志向な人がとても多い」「ブランド志向でお金がかかる彼女だけど一緒にいてとても楽しい」などがあります。

その他にも、「彼の成功の秘訣は未来志向に徹していたことである」「安定志向すぎる男性は一緒にいて楽しくない」「健康志向の人が年々増えてきている」「独立志向がある人は仕事のパフォーマンスが高いことが多い」などがあります。

志向という言葉は、心がある目的に向かうことなのですが、日常生活とビジネスシーンどちらでもよく目にするはずです。また、「健康志向」「ブランド志向」「安定志向」「上昇志向」などの「〇〇志向」という使い方をするのが一般的です。

上記の「ブランド志向」は有名ブランドを身に着けたり、所有したりすることによって、自己の優越を誇示しようとする風潮のことを意味しています。

志向の類義語としては、何かをしようとすることを意味する「意図」、計画を立てることを意味する「企てる」、心の中に立てた目標に向かって進もうと決心することを意味する「志す」などがあります。

志向の志の字を使った別の言葉としては、学問に志すことを意味する「志学」、自分から進んで願い出ることを意味する「志願」、自分がこうなりたいと望むことを意味する「志望」などがあります。

その他にも、故人が果たすことができない残した志のことを意味する「遺志」、あることを行いたい、または行いたくないとという考えのことを意味する「意志」、初めに思いたった希望のことを意味する「初志」などがあります。

指向の例文と使い方

1.最近プログラミングを勉強しているが、オブジェクト指向を理解するのは難しい。
2.値段はとても高いが、この指向性マイクはとても使いやすい。
3.狙ったところに音を放射できる指向性スピーカーは、とても重宝している。
4.輸出先として指向する国が先程決まったので、準備に取り掛かろう。
5.この戦いに勝利するために、主力部隊を激戦地に指向することにした。

この言葉がよく使われる場面としては、物事が特定の方向に向かうことを表現したい時などが挙げられます。

指向は物事がある特定の方向に向かう時に使う言葉なのですが、使う機会が少ないため馴染みがないはずです。聞いたことがあるとすれば、指向性マイク、指向性スピーカー、オブジェクト指向という言葉くらいでしょう。

志向の例文と使い方

1.リアル志向なゲームはとても楽しいので、プレイしてると何時間も過ぎてしまう。
2.上昇志向の強い人と仕事していると、息苦しくなることが多く、少し疲れてしまう。
3.日本サッカーを進化させるために、若手の海外志向は本当に必要なのだろうか。
4.ブランド志向な女性はとてもお金がかかるので結婚しないように注意しよう。
5.志向性が高い人はビジネスシーンで活躍することが多いのも事実だ。

この言葉がよく使われる場面としては、心がある目的に向かうことを表現したい時などが挙げられます。

志向は心がある目的に向かう時に使う言葉で、日常生活でもビジネスシーンでも見かける機会があるはずです。例1から例文4のような「〇〇志向」という使い方が一般的になっています。

指向と志向どちらを使うか迷った時は、物事が特定の方向に向かう時は指向、心が特定の方向に向かう時は志向と覚えておけば間違いないでしょう。