似た意味を持つ「お見えになる」(読み方:おみえになる)と「お越しになる」(読み方:おこしになる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「お見えになる」と「お越しになる」という言葉は、どちらも目上の人がやって来ることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「お見えになる」と「お越しになる」の違い
「お見えになる」と「お越しになる」の意味の違い
「お見えになる」と「お越しになる」の違いを分かりやすく言うと、「お見えになる」よりも「お越しになる」の方が丁寧な表現という違いです。
「お見えになる」と「お越しになる」の使い方の違い
一つ目の「お見えになる」を使った分かりやすい例としては、「明日はお客様がお見えになるので部屋を綺麗にしておいてください」「お客様がお見えになりましたので応接室にお通ししました」「弊社の社長がお見えになりました」などがあります。
二つ目の「お越しになる」を使った分かりやすい例としては、「本日は大切なお客様がお越しになる予定です」「会長がお越しになるまでしっかりと準備しましょう」「社長がお越しになるまでは作業を継続してください」などがあります。
「お見えになる」と「お越しになる」の使い分け方
「お見えになる」と「お越しになる」はどちらも目上の人がやって来ることの意味で使われている言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「お見えになる」は、ただ単純に来ましたを丁寧にした表現で目上の人やお客様に対して使う言葉になります。
一方、「お越しになる」はわざわざこちらに来てくれるというニュアンスになり、とても大切なお客様に対して使うことが多いです。
つまり、「お見えになる」をさらに丁寧に表現したのが「お越しになる」と覚えておきましょう。
「お見えになる」と「お越しになる」の英語表記の違い
英語には敬語表現がないので、「お見えになる」も「お越しになる」も直訳した英語表記はありませんが、近い表現として「you are coming」「will be with us」などがあります。
「お見えになる」の意味
「お見えになる」とは
「お見えになる」とは、目上の人がやって来ることを意味しています。
「お見えになる」の使い方
「お見えになる」を使った分かりやすい例としては、「本日は大切なお客様がお見えになる予定です」「お客様がお見えになりましたのでご連絡差し上げました」「面会予定のお客様がお見えになる」「取引先の方がお見えになるのは恐らく午後2時頃だと思います」などがあります。
「お見えになる」は目上の人がやって来る場合に使う尊敬語表現です。尊敬語とは話し手が聞き手や話題の主のその動作や状態などを高めて待遇することを意味しています。
「お見えになる」はビジネスシーンで使う
「お見えになる」は基本的にビジネスシーンで使う言葉で、上司やお客様などの目上の人がやって来ることを表現したい場合に使うのが一般的です。また、メールなどの文章よりも電話などの会話で使う表現と覚えておきましょう。
「お見えになる」の注意点
「お見えになる」を使う上で注意しなければならないのは、より丁寧に表現しようとして、「お見えになられる」としてしまうことです。
ただし、「お見えになられる」としてしまうと「お見え」+「なられる」の二重敬語になってしまうので、使わないように気をつけましょう。
二重敬語とはより丁寧に表現しようとして、「尊敬語+尊敬語」「謙譲語+謙譲語」「丁寧語+丁寧語」のように同じ種類の敬語を重複させることを表しています。
「お見えになる」の類語
「お見えになる」の類語・類義語としては、来ることを丁寧に表現した言葉である「来られる」、人が尋ねて来ることを意味する「ご来訪」などがあります。
「お越しになる」の意味
「お越しになる」とは
「お越しになる」とは、目上の人がやって来ることを意味しています。
「お越しになる」の使い方
「お越しになる」を使った分かりやすい例としては、「もしこちらへお越しになるようでしたら部下に案内させます」「本日の14時にA社の社長がお越しになる予定です」「近々こちらへお越しになる予定はありますか」などがあります。
「お越しになる」は目上の人がやって来る場合に使う尊敬語表現です。
「お越しになる」はビジネスシーンで使う
「お越しになる」は基本的にビジネスシーンで使う言葉で、上司やお客様などの目上の人がやって来ることを表現したい場合に使うのが一般的です。また、メールなどの文章よりも電話などの会話で使う表現と覚えておきましょう。
「お越しになる」の特徴
「お越しになる」はわざわざ来てくれるというニュアンスを持っているので、より大切なお客様に対して使うことができるというのが特徴です。
「お越しになる」の注意点
「お越しになる」を使う上で注意しなければならないのは、より丁寧に表現しようとして、「お越しになられる」としてしまうことです。
ただし、「お越しになられる」としてしまうと「お越し」+「なられる」の二重敬語になってしまうので、使わないように気をつけましょう。
「お越しになる」の類語
「お越しになる」の類語・類義語としては、来ることを丁寧に表現した言葉である「おいでになる」、来るの尊敬語である「いらっしゃる」などがあります。
「お見えになる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、目上の人がやって来ることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「お見えになる」はビジネスシーンにおいて使う言葉です。
「お越しになる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、目上の人がやって来ることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「お越しになる」はビジネスシーンにおいて使う言葉です。
「お見えになる」と「お越しになる」はどちらも目上の人がやって来ることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「お見えになる」よりも「お越しになる」の方が丁寧な表現と覚えておきましょう。