【知遇を得る】と【知己を得る】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「知遇を得る」(読み方:ちぐうをえる)と「知己を得る」(読み方:ちきをえる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「知遇を得る」と「知己を得る」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




「知遇を得る」と「知己を得る」の違い

「知遇を得る」と「知己を得る」の意味の違い

「知遇を得る」と「知己を得る」の違いを分かりやすく言うと、「知遇を得る」とは人柄や能力を評価されて手厚い待遇を受けること、「知己を得る」とは自分をよく理解してくれる人ができることという違いです。

「知遇を得る」と「知己を得る」の使い方の違い

一つ目の「知遇を得る」を使った分かりやすい例としては、「彼女は生徒会長になることで教師たちから知遇を得ることができました」「彼女の作品は独特なので世間の知遇を得るにはもう少し時間がかかるだろう」「この業界で知遇を得るのはそう簡単ではありません」などがあります。

二つ目の「知己を得る」を使った分かりやすい例としては、「懇親会に参加したことでたくさんの知己を得ることができました」「この世に二人とない知己を得る」「知己を得るには自分から心を開く必要があるだろう」などがあります。

「知遇を得る」と「知己を得る」の使い分け方

「知遇を得る」と「知己を得る」は似た言葉ですが、意味は全く異なっているので間違えないように注意しましょう。

「知遇を得る」は、人柄や能力を評価されて手厚い待遇を受けることを意味しており、「彼は中途採用であったが能力が高かったため知遇を得ることになりました」「世間の知遇を得るのはそう簡単ではありません」などのように使います。

一方、「知己を得る」は自分をよく理解してくれる親人ができることを意味しており、「充実した高校生活で知己を得ることができました」「社内研修で知己を得る人と出会えて良かったです」などのように使います。

「知遇を得る」と「知己を得る」の英語表記の違い

「知遇を得る」を英語にすると「enjoy somebody’s favor」「come to be recognize and favor」となります。一方、「知己を得る」を英語にすると「get acquainted」となります。

「知遇を得る」の意味

「知遇を得る」とは

「知遇を得る」とは、人柄や能力を評価されて手厚い待遇を受けることを意味しています。

「知遇を得る」の使い方

「知遇を得る」を使った分かりやすい例としては、「長年の努力が報われて知遇を得ることができました」「大企業で知遇を得るのはそう簡単ではないと思いますよ」「友人を通して有名人からの知遇を得ることができました」などがあります。

「知遇を得る」は人格や能力などを認められて厚く待遇されることを意味する「知遇」に、手に入れることを意味する「得る」が合わさり、人柄や能力を評価されて手厚い待遇を受けることの意味で使われている言葉です。

「知遇を得る」はプラスのイメージで使う

「知遇を得る」は才能や能力に見合わない待遇はせず、しっかりと見極めた上で手厚い待遇をするという場合に使います。そのため、能力が高い人はきちんと評価されるので、プラスのイメージで使う言葉です。

「知遇を得る」はビジネスシーンでも使える

「知遇を得る」は会社での人事異動などでも使用されている言葉なので、ビジネスシーンにおいても使えると覚えておきましょう。

「知遇を得る」の類語

「知遇を得る」の類語・類義語としては、地位や給料などで十分な待遇をしてもらうことを意味する「厚遇を得る」、優れていることを認め一歩を譲られることを意味する「一目置かれる」などがあります。

「知己を得る」の意味

「知己を得る」とは

「知己を得る」とは、自分をよく理解してくれる人ができることを意味しています。

「知己を得る」の読み方

「知己を得る」の読み方は「ちきをえる」です。誤って「ちこをえる」などと読まないようにしましょう。

「知己を得る」の使い方

「知己を得る」を使った分かりやすい例としては、「オーストラリア留学中に多くの知己を得ることができました」「知己を得ることができたのでこの高校に通って本当に良かったです」「知己を得る人と出会うのはそう簡単ではありません」などがあります。

「知己を得る」は 自分のことをよく理解してくれている人のことを意味する「知己」に、手に入れることを意味する「得る」が合わさり、自分をよく理解してくれる親友ができることの意味で使われている言葉です。

「知己を得る」は一般的には使われていない

「知己を得る」は日常生活においてはほとんど使われていない言葉になります。なぜなら、親友や仲の良い友人などのシンプルな言葉に置き換えて使われることが多いからです。

ではなぜ、シンプルな表現である親友や仲の良い友人がありながら、あまり使われていない「知己を得る」に置き換えるのかというと、相手のへの敬意が含まれる表現になるからと覚えておきましょう。

また、「知己を得る」は中々出会うことができない自分をよく理解してくれる人ができることなので、プラスのイメージを伴って使われている言葉です。

「知己を得る」の類語

「知己を得る」の類語・類義語としては、互いに心を許し合っている友を得ることを意味する「親友を得る」、相手と仲良くすることを意味する「親交を結ぶ」などがあります。

「知遇を得る」の例文

1.とあるプレゼンで社長を知遇を得ることができたので、出世レースに勝利しました。
2.彼女は学級委員長としてクラスに貢献することで、担任の先生から知遇を得ることができました。
3.いかに優れた漫画家であっても、売り込みが上手くなければ知遇を得ることはできません。
4.彼女の演技力には一部の人が注目しているが、まだまだ出演作品が少ないため、世間の知遇を得ることはできていません。
5.彼のプレーには目を見張るものがあったので、オーナーから知遇を得ることができました。
6.彼は高卒で中途入社だったが取引先からの評判がよく社長の知遇を得ることができ今では会社の幹部となっている。
7.小さな町で生まれ育った彼女は、上京して人脈を広げ、地方出身者としての特徴を生かすことで、徐々に業界の中心人物から知遇を得ていった。
8.新人プログラマーだった彼は、上司の指導の下で着実に実力をつけ、会社の重要なプロジェクトを任されるようになり、同僚からの知遇を勝ち取った。
9.小さな会社を経営していた男は、地域に密着した経営と従業員への配慮が評価され、地元経済界から尊敬と知遇を得るようになった。
10.彼女がSNSで上げた料理が大きな反響を呼び、メディアからの取材要請が相次ぐようになり、業界内で知遇を得ることができた。

この言葉がよく使われる場面としては、人柄や能力を評価されて手厚い待遇を受けることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「知遇を得る」はプラスのイメージで使われている言葉です。

「知己を得る」の例文

1.学生時代はサッカー部に入部したことで、かけがえのない知己を得ることができました。
2.入学式で知己を得る人と出会うことができたので、高校生活も楽しめそうです。
3.とあるセミナーに参加したら知己を得ることができたので、参加して本当に良かったと思います。
4.学生自体に知己を得た人達は、社会人になってからも飲みに行っています。
5.大学時代に多くの知己を得ることができたので、人生がとても充実しています。
6.高校の吹奏楽部は練習がハードだったが、そのおかげで多くの知己を得ることができたので素晴らしい3年間だったと思う。
7.新しい会社に入社して、同期の社員たちと打ち解けることができ、知己を得ることができた。
8.趣味のサークルに入ったことで、同じ趣味を持つ人たちと知己を得ることができ、休日の過ごし方が格段に充実してきた。
9.趣味のスポーツを通じて、同じスポーツを愛する知己を得ることができました。彼らと活動することは私のスポーツ能力を高める刺激となっています。
10.留学中には、異なる文化背景を持つ人々と知己を得ることができましたし、今でも連絡を取り合っています。

この言葉がよく使われる場面としては、自分をよく理解してくれる人ができることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「知己を得る」はプラスのイメージで使われている言葉です。

「知遇を得る」と「知己を得る」は似ていますが意味は異なっています。

どちらの言葉を使うか迷った場合、人柄や能力を評価されて手厚い待遇を受けることを表現したい時は「知遇を得る」を、自分をよく理解してくれる人ができることを表現したい時は「知己を得る」を使うと覚えておきましょう。

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