似た意味を持つ「破竹の勢い」(読み方:はちくのいきおい)と「飛ぶ鳥を落とす勢い」(読み方:とぶとりをおとすいきおい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「破竹の勢い」と「飛ぶ鳥を落とす勢い」という言葉は、どちらも勢いが盛んなことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「破竹の勢い」と「飛ぶ鳥を落とす勢い」の違い
「破竹の勢い」と「飛ぶ鳥を落とす勢い」の意味の違い
「破竹の勢い」と「飛ぶ鳥を落とす勢い」の違いを分かりやすく言うと、「破竹の勢い」とは競争相手がいる場合に使われることが多い、「飛ぶ鳥を落とす勢い」とは競争相手がいなくても使えるという違いです。
「破竹の勢い」と「飛ぶ鳥を落とす勢い」の使い方の違い
一つ目の「破竹の勢い」を使った分かりやすい例としては、「彼は破竹の勢いでトーナメントを勝ち上がる」「彼女は破竹の勢いで人気が出ている女優さんです」「日本は破竹の勢いで勝ち進んだ」などがあります。
二つ目の「飛ぶ鳥を落とす勢い」を使った分かりやすい例としては、「彼は飛ぶ鳥を落とす勢いで出世しました」「当事の彼女は演技派女優として飛ぶ鳥を落とす勢いでした」などがあります。
「破竹の勢い」と「飛ぶ鳥を落とす勢い」の使い分け方
「破竹の勢い」と「飛ぶ鳥を落とす勢い」はどちらも勢いが盛んなことを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「破竹の勢い」は競争相手がいる場合に使われることが多く、「飛ぶ鳥を落とす勢い」は競争相手がいなくても使えるという点です。
ただし、あくまで傾向なので競争相手がいなくても「破竹の勢い」を使うことはできますし、競争相手がいても「飛ぶ鳥を落とす勢い」を使うことができると覚えておきましょう。
「破竹の勢い」と「飛ぶ鳥を落とす勢い」の英語表記の違い
「破竹の勢い」を英語にすると「irresistible force」「with great vigour」となり、例えば上記の「日本は破竹の勢いで勝ち進んだ」を英語にすると「Japan went on winning with irresistible force」となります。
一方、「飛ぶ鳥を落とす勢い」を英語にすると「be flying high」「unstoppable」「at the height of his popularity」となり、例えば上記の「彼は飛ぶ鳥を落とす勢い」を英語にすると「he is at the height of his popularity」となります。
「破竹の勢い」の意味
「破竹の勢い」とは
「破竹の勢い」とは、勢いが激しくて止め難いことを意味しています。
「破竹の勢い」の読み方
「破竹の勢い」の読み方は「はちくのいきおい」です。誤って「はたけのいきおい」などと読まないようにしましょう。
「破竹の勢い」の使い方
「破竹の勢い」を使った分かりやすい例としては、「破竹の勢いでリーグ戦を連勝する」「我が校は破竹の勢いで連勝しているので、このまま優勝もあるかもしれない」「彼はコミュニケーション能力が高かったので、破竹の勢いで出世していきました」などがあります。
「破竹の勢い」は勢いが激しくて止め難いことを意味しており、ビジネスシーンだけでなく、スポーツや戦争などの競争があるものに対してよく使われている言葉です。
「破竹の勢い」の由来
「破竹の勢い」の由来は三国志にも登場する晋の武将である杜預(読み方:とよ)の逸話『杜預伝』です。
中国の北部を支配していた西晋王朝の軍は、南部の呉王朝に攻め入り、都の近くにまで迫りました。しかし、蒸し暑い雨季になる頃に、指揮官たちの多くは病気が発生しやすい時期なので、涼しくなるのを待ってもう一度攻め込もうという提案をしました。
そんな中、杜預という将軍だけは、このまま攻め進むことを主張します。今の我が軍の勢いならば、残りの戦いは竹を割るようなもので、刃を差し入れて、数節だけ裂け目を入れれば、あとは一挙に割れてしまうでしょうと言いました。
その後の戦いは彼の言うとおりに進み、晋は呉を滅ぼすことに成功したのです。この杜預が言った言葉が転じて、勢いが激しくて止め難いことを「破竹の勢い」と言うようになりました。
「破竹の勢い」の類語
「破竹の勢い」の類語・類義語としては、河川の水があふれ堤防を切るような猛烈な勢いのことを意味する「決河の勢い」(読み方:けっかのいきおい)、天にのぼる朝日のように勢いが盛んなこと「旭日昇天の勢い」(読み方:きょくじつしょうてんのいきおい)などがあります。
「飛ぶ鳥を落とす勢い」の意味
「飛ぶ鳥を落とす勢い」とは
「飛ぶ鳥を落とす勢い」とは、権力や威勢が盛んなことを意味しています。
表現方法は「飛ぶ鳥を落とす勢いで人気」「飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍」
「飛ぶ鳥を落とす勢いで人気」「飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍」などが、「飛ぶ鳥を落とす勢い」を使った一般的な言い回しになります。
「飛ぶ鳥を落とす勢い」の使い方
「飛ぶ鳥を落とす勢い」を使った分かりやすい例としては、「彼は持ち前の才覚で、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの実業家として成功しました」「彼は去年の成績はあまり良くなかったが、今年は飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍しています」などがあります。
「飛ぶ鳥を落とす勢い」は空を飛んでいる鳥でさえも地に落ちてしまうほどの凄まじい勢いことを例えて、権力や威勢が盛んなことの意味で使われている慣用句です。
基本的に空を飛んでいる鳥を落とすの不可能に近いので、不可能なことを可能にするほどの力や権力があるというニュアンスで使います。
また、「飛ぶ鳥を落とす勢い」は競争相手がいなくても権力や威勢が盛んな場合に使うことができるというのが特徴です。
「飛ぶ鳥を落とす勢い」の類語
「飛ぶ鳥を落とす勢い」の類語・類義語としては、非常に強くてどんな相手にも負けないことを意味する「向かう所敵なし」、盛んな威勢に全てのものが靡き従うことを意味する「草木も靡く」(読み方:くさきもなびく)などがあります。
「破竹の勢い」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、勢いが激しくて止め難いことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「破竹の勢い」はビジネスシーンだけではなくスポーツシーンでも使うことができる言葉です。
「飛ぶ鳥を落とす勢い」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、権力や威勢が盛んなことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「飛ぶ鳥を落とす勢い」はビジネスシーンだけではなくスポーツシーンでも使うことができる言葉です。
「破竹の勢い」と「飛ぶ鳥を落とす勢い」はどちらも勢いが盛んなことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、競争相手がいる場合に使われることが多いのが「破竹の勢い」、競争相手がいなくても使えるのが「飛ぶ鳥を落とす勢い」と覚えておきましょう。