【ベター】と【ベスト】と【マスト】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ベター」と「ベスト」と「マスト」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ベター」と「ベスト」と「マスト」という言葉は、本来の意味は大きく異なりますが混同して使われる傾向があります。




ベターとベストとマストの違い

ベターとベストとマストの意味の違い

ベターとベストとマストの違いを分かりやすく言うと、ベターは比較的良い状態を表現する時に使い、ベストは最も良い状態を表現する時に使い、マストは絶対に必要なものを表現する時に使うという違いです。

ベターとベストとマストの使い方の違い

ベターという言葉は、「ベターな選択は現状維持となることも多い」「今後の相談をしたらベターだと言われて背中を押された気分だった」などの使い方で、他より良い様子や比較的良い様子を意味します。

ベストという言葉は、「ベストを尽くすことができたため望んだ結果を残すことができた」「常にベストな状態を維持することに注力している」などの使い方で、最も優れた状態や最善や全力であることを意味します。

マストという言葉は、「この食材を使った料理はマストだと同僚に推された」「この作業を行うに当たってパソコンの知識はマストである」などの使い方で、絶対に必要であることや欠かせないことを意味します。

ベターとベストとマストの使い分け方

ベターとベストは、良好な状態を意味する言葉ですが、前者よりも後者の方がより良い状態を意味します。また、前者は別のものと比べて良いものに、後者は数ある中でも最も良いものに対して使います。

一方のマストは、しなければならないことや欠かせないものに対して使う言葉です。そのため、ベターやベストとは意味合いが異なります。

これが、ベター、ベスト、マストの明確な違いです。

ベターの意味

ベターとは

ベターとは、他より良い様子を意味しています。また、比較的良い様子も意味します。

ベターの英語表記

英語の「better」をそのままカタカナ語として使っている言葉で、意味合いも英語で使われているものと同じです。

表現方法は「ベターな選択」「ベストではないがベター」

「ベターな選択」「ベストではないがベター」などが、ベターを使った一般的な言い回しです。

「ベターハーフ」の意味

ベターを使った言葉として、「ベターハーフ」があります。これは、よき恋人やよき配偶者を意味する言葉で、特に妻のことを指します。もとは「自分にとって良き半身」として使われる言葉で、相棒を表す言葉としても使われます。

古代ギリシア神話では、最初にうまれた人間は現在の人間2人が背中合わせでくっついた形をしており、男性と女性がくっついていた人間が二つに切り離されて、現在の男性女性が生まれたとされています。

これが、片割れを意味する「ベターハーフ」の由来であると考えられています。

ベターの類語

ベターの類語・類義語としては、非常に良いことを意味する「上々」、物事の調子がよいことを意味する「好調」、すばらしく物事の調子がよいことを意味する「快調」、好ましい状態であることを意味する「良好」などがあります。

ベストの意味

ベストとは

ベストとは、最も優れた状態を意味しています。その他にも、最善や全力であることも意味します。

ベストの英語表記

英語の「best」をそのままカタカナ語として使っている言葉で、意味も英語で使われているものと同じです。衣服の一種として存在するベストは「vest」という英語表記であり、意味合いも由来も大きく異なります。

表現方法は「ベストを尽くす」「ベストを尽くせ」「ベストな選択」

「ベストを尽くす」「ベストを尽くせ」「ベストな選択」などが、ベストを使った一般的な言い回しです。

ベストを使った言葉として、「ベストテン」「ベストセラー」があります。

「ベストテン」の意味

一つ目の「ベストテン」とは、ある部門で優れている順に見て10位までに入る人物や物を意味する言葉です。十傑や、トップテンなどの言葉に言い換えられることもあります。

その他、8位までの範囲を「ベストエイト」、4位までの範囲を「ベストフォー」など、ベストに続く数値を変えることで範囲を変える表現をすることもできますが、和製英語であるため通常の英語として使っても海外では通じません。

「ベストセラー」の意味

二つ目の「ベストセラー」とは、定められた期間で最もよく売れた商品を指す言葉ですが、とりわけ書籍に対して使われます。

ベストの対義語

ベストの対義語・反対語としては、最低であることや最悪な状態を意味する「ワースト」があります。

ベストの類語

ベストの類語・類義語としては、極めて上等なことを意味する「極上」、この上なく優れていることを意味する「無上」、物事が最も望ましい状態にあることを意味する「最高」、真剣な様子を意味する「本気」などがあります。

マストの意味

マストとは

マストとは、絶対に必要であることを意味しています。また、欠かせないことも意味します。

マストの英語表記

英語の「must」をそのままカタカナ語として使っている言葉で、意味も英語で使われているものと同じです。ただし、本来の「must」は助動詞であるため他の動詞と一緒に使われます。その点はカタカナ語として使われているマストとは異なります。

マストを使った言葉として、「マストアイテム」「マストバイ」があります。

「マストアイテム」の意味

一つ目の「マストアイテム」とは、欠かせないものや絶対に必要な物を意味する言葉で、必需品や必携品とも言い換えられます。和製英語であるため、海外ではこの表現方法は通じません。

「マストバイ」の意味

二つ目の「マストバイ」とは、必ず買うことを勧めるような商品に使う言葉で、英語の「You must buy」という表現の一部を使った表現です。

マストアイテムとマストバイを組み合わせて、「マストバイアイテム」という言い方がされるようにもなっています。「must buy item」であれば英語として使えるようにもなっています。

表現方法は「マストアイテム」「マストでお願いします」

「マストアイテム」「マストでお願いします」などが、マストを使った一般的な言い回しです。

マストの類語

マストの類語・類義語としては、どうしてもなくてはならないことを意味する「必要」必要な条件を意味する「要件」、必ず用いるべきことを意味する「必須」、ぜひ必要なことを意味する「不可欠」などがあります。

ベターの例文

1.興味のある分野を学ぶのにベターな志望校を希望したが、受験勉強に追われている今泣きそうな気持ちだ。
2.提案された中でもベターな計画を選んで実行に移すことを決めたが、自分には荷が重かったかもしれない。
3.ベストな選択をするよりもベターな選択ができるよう心掛けて過ごしてきたため、もっと欲張ればいいのにと言われることも時々ある。
4.多機能で高価なエアコンに買い換えようと思ったが、今は平均的な製品でもかなり高性能とのこと。無理のない金額のものを買ったが自分としては十分満足でき、ベターな選択だったと思う。
5.多機能で高価なエアコンに買い換えようと思ったが、今は平均的な製品でもかなり高性能とのこと。無理のない金額のものを買ったが自分としては十分満足でき、ベターな選択だったと思う。
6.君はいろいろ批判ばかりしているが、これよりベターな方法があるなら教えてほしいものだ。
7.巣ごもり生活では、夫婦の互いが互いにとってベターハーフな存在だと気づくことができました。
8.今のチームにとって強豪校を相手にするのと、同レベルの高校を相手にするのどちらがベターか考えている。

この言葉がよく使われる場面としては、他より良い様子や比較的良い様子を意味する時などが挙げられます。

例文1と例文2のベターという言葉は、ベストに置き換えて使うことができますが、程度がより良いではなく、もっとも良い状態を表すこととなるため意味合いが異なります。

ベストの例文

1.限られた期間でベストを尽くすために、常に予習復習を欠かさないようにしてきた。
2.オーディションを経てベストメンバーが選出されるため、部員全員努力を重ねて当日に臨んだ。
3.昨年の大会ではベストフォーに入ることができたが、今年こそは優勝を狙っていくとメンバー一同やる気満々だ。
4.試合ではベストを尽くしたつもりだったが、残念ながら結果には結びつかなかった。
5.上京して歌手を目指すと言う息子に、まずは大学に進学するのがベストな選択だと説得した。
6.わたしの大好物のアイスのフレーバーが売り上げベストテンのなかにも入ってなかったので驚いた。
7.わたしたちはあのアーティストのベストアルバムの発売には反対していたが、上のゴリ押しで結局発売することになった。
8.一流のスポーツ選手となると常にベストな状態でいられるように、体調管理や食生活に気を配っていなければならない。

この言葉がよく使われる場面としては、最も優れた状態や全力を意味する時などが挙げられます。

例文3の「ベストフォー」はベストエイトやベストスリーなど、数字を変えて表現されることもあります。

マストの例文

1.自分の中の旅行の際のマストアイテムはいくつかあるが、本当に必要なものはホテルに置いてあることが多い。
2.マストバイキャンペーンで当たる商品がほしいがためにポイントシールが付いている飲み物をたくさん買い込んでしまった。
3.その観光地に行くのであればこの料理はマストだと教わったものをまとめておいたため、後々何を食べるか困らずに済んだ。
4.これだけのグローバル企業であれば、社員は多国籍、社内共通語の英語以外にもう一言語スペイン語かフランス語がマストです。
5.iPhoneが発売されて10年以上がたつが、すでにマストバイアイテムになりつつあることを実感した。
6.せっかく韓国に行くのだから明洞にはマストで行きたいのに、友人はあまり興味がないらしい。
7.次に総理大臣になりたいのなら、特別定額給付金をすみやかに配布してくれることがマスト事項になるだろう。
8.昨今の懸賞はマストバイキャンペーンよりも、インスタグラムをフォローしていいねするだけでプレゼントが当たるキャンペーンが人気だ。

この言葉がよく使われる場面としては、絶対に必要であることや欠かせないことを意味する時などが挙げられます。

例文2の「マストバイキャンペーン」とは、商品についているシールやレシートなどを使って別の商品などが当たるキャンペーンを指す言葉です。

ベターとベストとマストどれを使うか迷った場合は、比較的良い状態を表す場合は「ベター」を、最も良い状態を表す場合は「ベスト」を、絶対に必要なものを表す場合は「マスト」を使うと覚えておけば間違いありません。

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