似た意味を持つ「無視」(読み方:むし)と「シカト」(読み方:しかと)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「無視」と「シカト」という言葉は、どちらも存在価値を認めないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「無視」と「シカト」の違い
「無視」と「シカト」の意味の違い
「無視」と「シカト」の違いを分かりやすく言うと、「無視」は人と物どちらにも使える、「シカト」は人にしか使えないという違いです。
「無視」と「シカト」の使い方の違い
一つ目の「無視」を使った分かりやすい例としては、「信号を無視すると捕まりますよ」「人の気持ちを無視するのは良くないです」「彼のことが嫌いなので無視する」「彼は規則を無視する」などがあります。
二つ目の「シカト」を使った分かりやすい例としては、「彼女のことが嫌いなのでシカトすることにしました」「みんなからシカトされているので不登校になってしまいました」「夫婦喧嘩をしたので妻からシカトされている」などがあります。
「無視」と「シカト」の使い分け方
「無視」と「シカト」はどちらも存在価値を認めないことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「無視」は「彼女のことが嫌いなので無視する」のように人に使う場合もあれば、「信号無視をして警察に捕まった」のように物に対しても使うことができます。
一方、「シカト」は「彼女のことが嫌いなのでシカトする」のように人に対してのみ使うというのが違いです。
したがって、「シカト」は物に対しては使うことができないので、「信号をシカトして警察に捕まった」のような使い方をすることはできません。
「無視」と「シカト」の英語表記の違い
「無視」も「シカト」も英語にすると「ignore」「disregard」「pay no attention to」となり、例えば上記の「彼は規則を無視する」を英語にすると「He disregard the rules」となります。
「無視」の意味
「無視」とは
「無視」とは、存在価値を認めないことを意味しています。
表現方法は「無視する」「無視される」
「無視する」「無視される」などが、「無視」を使った一般的な言い回しになります。
「無視」の使い方
「無視」を使った分かりやすい例としては、「彼女はなぜ私を無視するのだろうか」「LINEを返信する気分ではなかったので未読無視することにしました」「請求書を無視し続けていたら訴えられました」「彼は私の忠告を無視したので痛い目にあいました」などがあります。
「無視」は存在価値を認めないことを意味する名詞です。名詞とは自立語で活用がなく文の主語となることができるもののことを意味しています。
「無視」は挨拶をしてもスルーされたり、話しかけても答えてくれないなどの存在を認めてもらえない場合に使う言葉なので、基本的にマイナスのイメージを伴っています。
「無視」の特徴
「無視」は人だけではなく、物に対しても使うことができるというのが特徴です。例えば人に対して使う場合は「彼女と喧嘩したので無視することにしました」「忙しくて返信できたのでメッセージを未読無視することにしました」などのように使うことができます。
また、物に対して使う場合は「信号無視をすると事故の危険があるので絶対にしてはいけません」「規則を無視するのは社会人として問題だ」などのように使うことができます。
「無視」の対義語
「無視」の対義語・反対語としては、価値あるもの尊いものとして大切に扱うことを意味する「尊重」があります。
「無視」の類語
「無視」の類語・類義語としては、無視して取り合わないことを意味する「黙殺」、問題にしないことを意味する「度外視」、軽く考えてその価値や影響力を認めないことを意味する「軽視」などがあります。
「シカト」の意味
「シカト」とは
「シカト」とは、存在価値を認めないことを意味しています。
表現方法は「シカトする」「シカトされる」
「シカトする」「シカトされる」などが、「シカト」を使った一般的な言い回しになります。
「シカト」の使い方
「シカト」を使った分かりやすい例としては、「友人からシカトされているが何も心当たりがないので困っている」「なんでみんな私のことをシカトするのだろう」「上司からシカトされているので退職を考えています」などがあります。
「シカト」は存在価値を認めないことを意味する言葉です。基本的に挨拶をしてもスルーされたり、話しかけても答えてくれないなどの存在を認めてもらえない場合に使用する言葉なので、マイナスのイメージを伴っています。
「シカト」の由来
「シカト」の由来は花札になります。花札とは、花合わせに用いるカルタのことを意味する言葉です。この花札の10月の絵柄である鹿がそっぽを向いており、「鹿」+「10」を組み合わせた「しかとう」が賭博師の間で無視をするという隠語で使われるようになりました。
この「しかとう」が転じて「シカト」となり、現代では様々な人が使う言葉となっています。
「シカト」の特徴
「シカト」は人に対してのみ使う言葉なので、物に対しては使うことができないというのが特徴です。また、基本体には口語として使われることが多く、どちらかというと喧嘩口調になる際に使われています。
「シカト」の類語
「シカト」の類語・類義語としては、相手にしないことを意味する「取り合わない」、価値や意味があるものとしてみないことを意味する「軽んじる」、知っているのに知らないような素振りをすることを意味する「知らんぷり」などがあります。
「無視」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、存在価値を認めないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「無視」はマイナスなイメージで使われている言葉です。
「シカト」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、存在価値を認めないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「シカト」はマイナスなイメージで使われている言葉です。
「無視」と「シカト」はどちらも存在価値を認めないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、人と物どちらにも使えるのが「無視」、人にしか使えないのが「シカト」と覚えておきましょう。