似た意味を持つ「ご回答いたします」(読み方:ごかいとういたします)と「ご回答させていただきます」(読み方:ごかいとうさせていただきます)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ご回答いたします」と「ご回答させていただきます」という言葉は、どちらも回答することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「ご回答いたします」と「ご回答させていただきます」の違い
「ご回答いたします」と「ご回答させていただきます」の意味の違い
「ご回答いたします」と「ご回答させていただきます」の違いを分かりやすく言うと、「ご回答いたします」は正しい敬語表現、「ご回答させていただきます」は日本語として相応しくない表現という違いです。
「ご回答いたします」と「ご回答させていただきます」の使い方の違い
一つ目の「ご回答いたします」を使った分かりやすい例としては、「審査結果につきましては3日以内に書面にてご回答いたします」「ご質問いただいた件についてご回答いたします」「その文書についてご回答いたします」などがあります。
二つ目の「ご回答させていただきます」を使った分かりやすい例としては、「先日お問合せいただいた件についてご回答させていただきます」「今回の値上げの理由についてご回答させていただきます」などがあります。
「ご回答いたします」と「ご回答させていただきます」の使い分け方
「ご回答いたします」と「ご回答させていただきます」はどちらも回答することを意味している言葉ですが、少し違いがあるので注意が必要です。
「ご回答いたします」は質問や要求などに答えることを意味する「回答」にするの謙譲語である「いたす」が合わさった正しい敬語表現になります。
一方、「ご回答させていただきます」は正しい表現ではあるものの、「させてもらう」は相手方の許しを求めて行動することを意味しており、許しが必要な時に使う言葉です。
そのため、回答する側なのに許しをもらうという日本語としてやや相応しくないニュアンスとなっているため、あまり使わない方がいい表現と言われているのが現状になります。
「ご回答いたします」と「ご回答させていただきます」の英語表記の違い
「ご回答いたします」も「ご回答させていただきます」も英語にすると「reply」「response」「answer」となり、例えば上記の「その文書についてご回答いたします」を英語にすると「I respond about that document」となります。
「ご回答いたします」の意味
「ご回答いたします」とは
「ご回答いたします」とは、回答することを意味しています。
「ご回答致します」は誤用
「ご回答いたします」を「ご回答致します」とするのは誤用です。
ではなぜ誤用かと言うと、「ご回答いたします」の「いたします」は補助動詞であり、日本語には動詞は漢字表記し、補助動詞はひらがなで表記するという決まりがあるのが理由になります。
表現方法は「ご質問にご回答いたします」「以下の通りご回答いたします」
「ご質問にご回答いたします」「以下の通りご回答いたします」などが、「ご回答いたします」を使った一般的な言い回しになります。
「ご回答いたします」の使い方
「ご回答いたします」を使った分かりやすい例としては、「大変遅くなり申し訳ございませんがご回答いたします」「部下に代わって上司である私がご回答いたします」「お問合せいただいた件についてご回答いたします」などがあります。
「ご回答いたします」は質問や要求などに答えることを意味する「回答」に、接頭語の「ご」、するの謙譲語「いたす」、丁寧語の「ます」が合わさり、回答することの意味で使われている敬語表現です。
「ご回答いたします」は目上の人に使える
「ご回答いたします」は正しい敬語表現なので、ビジネスシーンにおいて上司や取引先などの目上の人に対して使うことができます。
「ご回答いたします」の特徴
「ご回答いたします」は手紙やメールなどの書き言葉だけではなく、電話や口頭などの話し言葉としても使うことができるのが特徴です。
「ご回答いたします」の類語
「ご回答いたします」の類語・類義語としては、答えることを意味する「お答えいたします」、相手の問いや呼びかけに対して答えることを意味する「ご返答いたします」などがあります。
「ご回答させていただきます」の意味
「ご回答させていただきます」とは
「ご回答させていただきます」とは、回答することを意味しています。
「ご回答させて頂きます」は誤用
「ご回答させていただきます」を「ご回答させて頂きます」とするのは誤用です。
ではなぜ誤用かと言うと、「ご回答させていただきます」の「いただきます」は補助動詞であり、日本語には動詞は漢字表記し、補助動詞はひらがなで表記するという決まりがあるのが理由になります。
表現方法は「下記にご回答させていただきます」「ご質問の件についてご回答させていただきます」
「下記にご回答させていただきます」「ご質問の件についてご回答させていただきます」などが「ご回答させていただきます」を使った一般的な言い回しになります。
「ご回答させていただきます」の使い方
「ご回答させていただきます」を使った分かりやすい例としては、「ご不明点についてご回答させていただきます」「大変申し訳ございませんが後日ご回答させていただきます」「担当者に代わり私がご回答させていただきます」などがあります。
「ご回答させていただきます」は質問や要求などに答えることを意味する「回答」に、接頭語の「ご」、自身の何らかの動作を遠慮しながら行うことを意味する謙譲語の「させていただく」、丁寧語の「ます」が合わさり、回答することの意味で使われている言葉です。
「ご回答させていただきます」は二重敬語ではない
「ご回答させていただきます」を二重敬語という方もいると思いますが、結論から言うと二重敬語ではなく正しい敬語表現になります。
二重敬語とは「尊敬語+尊敬語」「謙譲語+謙譲語」「丁寧語+丁寧語」のように同じ種類の敬語を重複させることです。
これを「ご回答させていただきます」に当てはまめると、「させてもらう」の謙譲語である「させていただく」に丁寧語の「ます」が合わさった言葉なので、二重敬語の例には当てはまっていません。
しかし、「ご回答させていただきます」は日本語としてやや相応しくないニュアンスとなっているため、あまり好ましくない言葉とも言われています。
なぜなら、「させてもらう」は相手方の許しを求めて行動することを意味しており、許しが必要な時に使う言葉なのですが、回答する側なのに許しをもらうという少し変わったニュアンスになっているのが原因です。
したががって、相手に不快感を与えたくないのであれば、広く一般的に使われている「ご回答いたします」の方を使うのがいいでしょう。
「ご回答させていただきます」の類語
「ご回答させていただきます」の類語・類義語としては、答えることを意味する「お答えさせていただきます」、相手の問いや呼びかけに対して答えることを意味する「ご返答させていただきます」などがあります。
「ご回答いたします」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、回答することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ご回答いたします」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。
「ご回答させていただきます」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、回答することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ご回答させていただきます」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。
「ご回答いたします」と「ご回答させていただきます」はどちらも回答することを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、正しい敬語表現なのが「ご回答いたします」、日本語として相応しくない表現なのが「ご回答させていただきます」と覚えておきましょう。