【総括】と【統括】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「総括」(読み方:そうかつ)と「統括」(読み方:とうかつ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「総括」と「統括」という言葉は、どちらも一つにまとめることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




総括と統括の違い

総括と統括の意味の違い

総括と統括の違いを分かりやすく言うと、総括は意見や会議をとりまとめることを意味し、統括は組織や人をとりまとめることを意味するという違いです。

総括と統括の使い方の違い

一つ目の総括を使った分かりやすい例としては、「個々の意見を総括する」「会議を総括するコメントをお願いします」「総括的な評価をしていく」「総括安全衛生管理者を置く」「それでは今期の総括をしよう」「総括した結果を報告する」などがあります。

二つ目の統括を使った分かりやすい例としては、「イベント運営員を統括する」「統括指導主事がいらっしゃる」「統括防火管理者の役割や権限を明確にする」「この地域の統括マネージャーになる」「来年から運営統括本部に配属になる」などがあります。

総括と統括という言葉は、ビジネスシーンでよく使われる言葉です。どちらも一つにまとめることを意味するのですが、総括は意見や会議をとりまとめることを意味し、統括は組織や人をとりまとめることを意味します。まとめる対象が異なることが、総括と統括の違いになります。

総括と統括の英語表記の違い

総括を英語にすると「summary」となり、例えば上記の「意見を総括する」を英語にする「summarize your opinion」となります。一方、統括を英語にすると「integration」となり、例えば上記の「運営を統括する」を英語にすると「integrate administration」となります。

総括の意味

総括とは

総括とは、個々のものを一つにまとめることを意味しています。

表現方法は「総括する」「総括として」「総括して」

「総括する」「総括として」「総括して」などが、総括を使った一般的な表現方法です。

総括の使い方

総括を使った分かりやすい例としては、「総括的評価を心がけてください」「一ヶ月の総括としてまとめる」「総括基準に関する決定がなされた」「最後に総括コメントを書く」「テーマの総括を行いましょう」「集会を総括するとこのような感じでした」「深夜まで総括表を作成する」などがあります。

その他にも、「試算負債総括表を作成する必要がある」「総括のお言葉をいただく」「支配に関する総括表を作成する」「気持ちに整理がついておらず敗戦を総括できない」「作品づくり全般を総括するプロデューサー」などがあります。

総括という言葉は個々のものを一つにまとめることを意味しており、主に意見や会議をとりまとめることに使われます。

「総括的評価」の意味

総括という言葉を使った日本語には「総括的評価」があり、指導の最後に学習の成果を総合的に把握するために行う評価のことを意味します。具体的には、学校の期末や年度末に行う成績評価のことを表します。

総括の対義語

総括の対義語・反対語としては、構成しているものを切り離した一つ一つを意味する「個別」などがあります。

総括の類語

総括の類語・類義語としては、内容のあらましをまとめることを意味する「概括」、最終的な判断をまとめることを意味する「結論」、文章などの要点をとりまとめることを意味する「要約」などがあります。

総の字を使った別の言葉としては、別々のものを一つに合わせてまとめることを意味する「総合」、全員の一致した意見を意味する「総意」、家の相続人を意味する「総領」などがあります。

統括の意味

統括とは

統括とは、ばらばらのものを一つにまとめることを意味しています。

表現方法は「統括する」「統括部長」「統括責任者」

「統括する」「統括部長」「統括責任者」などが、統括を使った一般的な表現方法です。

統括の使い方

統括を使った分かりやすい例としては、「本部の統括マネージャーになる」「販売促進の事業を統括する部署に配属された」「地域住民を統括する地方公共団体」「チェーン店の統括システム」「彼は選手やコーチを統括する監督だ」などがあります。

その他にも、「販売員を統括する役職」「情報統括システムの開発をしている」「統括事業をすすめる人材が必要だ」「彼女は全体を統括するポジションにある」「各部署を統括する役員が足りない」「チームを統括するリーダーを生み出す」などがあります。

統括という言葉はばらばらのものを一つにまとめることを意味しており、主に組織や人をとりまとめることに使われます。また、部署名や役職名に使われることも多く、統制して取りまとめる役割を表すことがあります。

統括の対義語

統括の対義語・反対語としては、まとまったものの一部分を意味する「断片」などがあります。

統括の類語

統括の類語・類義語としては、多くの物事を一つにまとめておさめることを意味する「統制」、全体をひっくるめてまとめることを意味する「包括」、物事を整理して一つにまとめることを意味する「集約」などがあります。

統の字を使った別の言葉としては、二つ以上のものを合わせて一つにすることを意味する「統合」、多くの人々をまとめてひきいることを意味する「統率」、多くの人や機関を一つにまとめて管轄することを意味する「統轄」などがあります。

総括の例文

1.午前中の会議の内容を総括した資料を作成し、上司に報告するつもりだ。
2.この会社では半期ごとに何らかの結果が出るように各部署で総括している。
3.新人研修の締めくくりとして、研修期間の総括と配属先でのビジョンをレポートしなければならない。
4.発表の最後の締めくくりとして話を総括すると、聞き手によく伝わるものだ。
5.ダイエット法を自分なりに総括すると、食べないダイエットは必ずリバウドをすることが分かった。
6.校長先生が1学期を総括し、皆さん不自由ななか元気に登校し行事も開催できて本当に良かったですと挨拶した。
7.それぞれの個々の意見を総括すると、今の方針では会社の経営は立ち行かないというところで一致してはいる。
8.それらの行為が妥当な判断であったかどうか、私自身としては総括の余地があります。
9.総括的評価とは、学習指導の終了時において実施する評価のことで、学校の定期テストがそれにあたります。
10.会議の最後にはいつも会長に総括のお言葉をいただくのだが、会長が不在であったので代理の私がすることになった。

この言葉がよく使われる場面としては、個々のものを一つにまとめることを表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文3のように、総括という言葉はビジネスシーンでよく使われる言葉です。また、例文5のように日常生活においても、振り返ってとりまとめる意味で使われることがあります。

統括の例文

1.私が新人研修を請け負った彼は飛ぶ鳥を落とす勢いで出世して、ついに統括部長に就任した。
2.小学校・中学校と高校の連携を統括する統括コーディネーターの必要性が叫ばれて久しい。
3.政府は統括保健師の配置を求め、多くの自治体でその位置づけが進んでいるがその決定方法や役割などは各自治体により様々である。
4.地域統括支援センターは、地域で暮らす住民を様々な面から総合的に支えるために設けられた。
5.ディレクターは現場を指揮する人であり、プロデューサーはプロジェクトを統括する人である。
6.人手不足で本来ならば全体を統括すべきポジションの課長まで現場に駆り出されている。
7.同僚は仕事でメキメキと成果を上げて、若くして販売促進の事業の統括責任者にまで上り詰めた。
8.本部の統括マネージャーになるには、お店の売上をトップクラスまで上げていかなければなりません。
9.日本では地方政府とは言わず、都道府県や市区町村を統括する行政機関のことは地方自治体といいます。
10.私は県内のディーラーを統括している支店長さんと長年の付き合いなので、新車を安く買うことが出来ます。

この言葉がよく使われる場面としては、ばらばらのものを一つにまとめることを表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文3のように、統括という言葉は役職名に使われることがあります。統括保健師とは、保健師の活動を組織横断的に調整や指導するリーダー的な保健師のことを表します。

総括と統括という言葉はどちらもどちらも一つにまとめることを意味していますが、まとめる対象が異なります。総括は意見や会議に対して使い、統括は組織や人に対して使うことに注意して使い分けましょう。

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