【真を問う】と【信を問う】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「しんをとう」という読み方の「真を問う」と「信を問う」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「真を問う」と「信を問う」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「真を問う」と「信を問う」の違い

「真を問う」は「信を問う」の間違い

「真を問う」と「信を問う」の違いを分かりやすく言うと、「真を問う」とは「信を問う」の間違った使い方、「信を問う」とは信任するかどうかを尋ねることです。

「真を問う」は誤字

一般的には「真を問う」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が同じなことから、「信を問う」のことを間違えて「真を問う」を使っている人がほとんどです。

「信を問う」は正しい日本語

正しい言葉である「信を問う」を使った分かりやすい例としては、「選挙で国民に信を問うことにしました」「信を問うなど言う前にやるべきことをやってほしいものです」「ここで市民に信を問うつもりです」「有権者に信を問う」などがあります。

「信を問う」という言葉はあっても、「真を問う」という言葉は存在しません。同時に「信を問う」という単語の意味について「信任するかどうかを尋ねること」と覚えておきましょう。

「信を問う」の英語表記

「信を問う」を英語にすると「seek the confidence」「appeal to」となり、例えば上記の「有権者に信を問う」を英語にすると「seek the confidence of the constituencies」となります。

「真を問う」の意味

「真を問う」とは

「真を問う」とは、「信を問う」の間違った使われ方です。

「真を問う」が間違っている理由

「真を問う」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が同じなため、「信を問う」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「真を問う」と「信を問う」を間違ってしまう理由としては、「真を問う」と「信を問う」の読み方が同じなので、勘違いして覚えてしまっているのが原因です。正しい日本語は「信を問う」なので間違えないように注意しましょう。

ではなぜ「真を問う」が間違った言葉かというと、「真を問う」の「真」は嘘や偽りでないことや、偽物でないことを意味することを意味しています。しかし、「信を問う」は信任するかどうかを尋ねることを意味する言葉です。

つまり、「信を問う」の「信」は「信任」のことを意味しているので、「信」を使った「信を問う」が正しい日本語になると覚えておきましょう。

また、「真を問う」という言葉はありませんが、嘘か本当かを相手に尋ねる表現として、「真意を問う」という表現はあります。そのため、「信を問う」と混同してしまいっている方も存在するでしょう。

間違った言葉である「真を問う」の「真」を使った例文としては、「真の芸術を追い求めるのに人生の全てを注ぐ」「この難局を乗り切るには真の勇気が必要だろう」「真の友情とはこういうものだと思います」などがあります。

「信を問う」の意味

「信を問う」とは

「信を問う」とは、信任するかどうかを尋ねることを意味しています。

表現方法は「国民に信を問う」「国民の信を問う」

「国民に信を問う」「国民の信を問う」などが、「信を問う」を使った一般的な言い回しになります。

「信を問う」の使い方

「信を問う」を使った分かりやすい例としては、「責任者としてメンバーの信を問う必要があるだろう」「支援者たちに信を問う必要がありそうです」「一人一人に時間をかけて信を問うことにしました」「総選挙を行い国民に信を問う」などがあります。

「信を問う」は信頼や信用して物事を任せることを意味する「信任」を省略した「信」に、多くの人に判断を求めることを意味する「問う」が合わさり、信任するかどうかを尋ねることを意味する慣用句です。

慣用句とは二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表す言葉のことを指しています。

「信を問う」はビジネスシーンや政治シーンなどで、自分のことを信用できるかと周りに尋ねる場合に使う言葉です。

例えば、ビジネスシーンでは「責任者としてメンバーに信を問う」、政治シーンでは「国民に信を問う」のような形で使われていると覚えておきましょう。

「信を問う」の注意点

「信を問う」を使う上で注意しなければならないのは、必ずしも良い返事が返ってくるわけではないという点です。もちろん信用されていればいい返事が返ってくるのですが、信用されていない場合は悪い返事が返ってくるのが一般的になります。

「信を問う」の類語

「信を問う」の類語・類義語としては、本当の気持ち確かめることを意味する「真意を確かめる」があります。

「真を問う」の例文

1.「真を問う」という言葉は存在しないので、おそらく「信を問う」の言い間違いだろう。
2.「信を問う」という言葉は信任するかどうかを尋ねることで、「真を問う」という言葉はない。
3.「真を問う」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.大統領として国民に真を問うことにしましたという言葉を使う人はいるが、正しくは大統領として国民に信を問うことにしましたです。
5.衆議院を解散して国民に信を問うという言葉はあるが、衆議院を解散して国民に真を問うという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「信を問う」という言葉を間違えて「真を問う」と表現している時などが挙げられます。

「真を問う」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「信を問う」を間違えて使っている可能性が高いです。

「真を問う」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「真を問う」ではなく、「信を問う」と表現するのが正しい使い方になります。

「信を問う」の例文

1.このチームを運営していくリーダーとして、メンバーに信を問うことにしました。
2.国民の信を問うために、解散して総選挙を行うことにしました。
3.一人一人に信を問う時間的猶予はないので、代表者に投票をしてもらうことにしました。
4.国民に信を問うと言う前に、最低限の公約だけは守ってほしいものです。
5.我が国の正念場であるので、国民に信を問うことにしました。

この言葉がよく使われる場面としては、信任するかどうかを尋ねることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「信を問う」は政治シーンにおいてよく使われている言葉です。

「真を問う」と「信を問う」どちらを使うか迷った場合は、「真を問う」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「信を問う」を使うようにしましょう。

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