似た意味を持つ「ロックアウト」と「ストライキ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ロックアウト」と「ストライキ」という言葉は、「雇用者と労働者の争議行為」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ロックアウトとストライキの違い
ロックアウトとストライキの意味の違い
ロックアウトとストライキの違いを分かりやすく言うと、ロックアウトは雇用者が労働者を拒否することを表現する時に使い、ストライキは労働者が労務を拒否することを表現する時に使うという違いです。
ロックアウトとストライキの使い方の違い
一つ目のロックアウトを使った分かりやすい例としては、「ロックアウトポリシーを変更しても一度パスコード入力を間違うとロックされてしまう」「ロックアウト解雇に関する判例がある」「ロックアウト機能が作動した場合どうするべきか」などがあります。
二つ目のストライキを使った分かりやすい例としては、「ストライキを行うなど歴史上の出来事しか知らなかった」「旅行中交通ストライキに遭遇しないか若干不安だ」「学生ストライキに関する歴史を学ぶ機会があった」などがあります。
ロックアウトとストライキの使い分け方
ロックアウトとストライキはどちらも、労働現場における争議行為を表す言葉ですが、意味合いが若干異なります。
ロックアウトは、雇用者が作業場を一時閉鎖して労働者の就業を拒否することを意味します。その他にも、システム側が鍵を掛けて締め出すことを意味する言葉としても使われています。
一方のストライキは、労働者が一定期間労働力の提供を停止することを意味する言葉です。
つまり、ロックアウトは雇用者が労働者を作業場や店舗から締め出して就労を拒否することを意味し、ストライキは労働者が労働を行わないことによって雇用者に対して抗議を行うことを意味するという違いがあり、これらは対義語の関係にあると言えます。
ロックアウトとストライキの英語表記の違い
ロックアウトを英語にすると「lockout」となり、例えば上記の「ロックアウトポリシー」を英語にすると「lockout policy」となります。
一方、ストライキを英語にすると「strike」となり、例えば上記の「ストライキを行う」を英語にすると「go on strike」となります。
ロックアウトの意味
ロックアウトとは
ロックアウトとは、雇用者が作業場を一時閉鎖して労働者の就業を拒否することを意味しています。
その他にも、コンピュータのパスワード入力において一定回数以上誤って入力した場合、入力を受け付けなくなることを意味する言葉として使われています。
ロックアウトの使い方
「ロックアウトは基本的にストライキに対して行われる」「ロックアウト型の解雇は違法なのだろうか」「正当なロックアウトであれば賃金支払い義務は発生しない」などの文中で使われているロックアウトは、「作業所閉鎖や就労拒否」の意味で使われています。
一方、「ロックアウトポリシーを再設定しておきたい」「倉庫に鍵を掛けるためにロックアウトキーを購入した」「ロックアウトが時間で解除されるサービスもある」などの文中で使われているロックアウトは、「鍵を掛けて締め出すこと」の意味で使われています。
ロックアウトは英語で「lockout」と表記され、「締め出し」「労働者を工場や現場に立ち入らせないこと」を意味する言葉です。日本語でも同じように、施設や設備へのアクセスを制限して交渉手段を指す言葉として使われています。
また、「締め出し」の意味が転じて、機械などを稼働させないようにする機能を意味する言葉としても使われています。コンピュータのパスワード入力を一定回数以上誤って入力した場合、入力を受け付けなくなることを意味するIT用語として使われています。
「ロックアウトポリシー」の意味
上記例文の「ロックアウトポリシー」とは、システムの認証を行う際に誤った情報が入力された場合のシステムの動作に関する定義を指す言葉です。入力を許される回数や、ロックアウトされる時間などが該当します。
ロックアウトの類語
ロックアウトの類語・類義語としては、閉め出すことを意味する「シャットアウト」、結びつきや関係が切れることを意味する「断絶」、追放や追放することを意味する「パージ」などがあります。
ストライキの意味
ストライキとは
ストライキとは、労働者が一定期間労働力の提供を停止することを意味しています。
その他にも、学生らが一定の要求を主張するために授業や試験を放棄することを意味する言葉として使われています。
ストライキの使い方
「ゼネラル・ストライキは過去日本でも行われてきた」「交通ストライキはヨーロッパで起きているイメージがある」「大規模なストライキは社会に大きな影響を与えた」などの文中で使われているストライキは、「労働者による争議行為」の意味で使われています。
一方、「ストライキにより多くの大学が閉鎖された」「学校ストライキでは地球温暖化にへの対策を訴えていた」「ストライキ中の過激な言動によって逮捕された人もいる」などの文中で使われているストライキは、「学生による争議行為」の意味で使われています。
ストライキは英語で「strike」と表記され、「攻撃する」「飛びかかる」「動き出す」「同盟罷業」といった意味を持つ言葉です。英語表現ほど攻撃的ではないものの、日本語でも相手に対して不満であることを主張するための行動を指す言葉として使われています。
省略して「スト」と呼ばれることも多く、企業や組織レベルではなく、全国レベルで労働者が団結して行われるストライキを意味する「ゼネラル・ストライキ」は「ゼネスト」と呼ばれています。
表現方法は「ストライキ破り」「スト破り」
ストライキを含む言葉として「ストライキ破り」「スト破り」があります。これは、ストライキをせずに雇用者に労働力を提供し続けることを意味する言葉です。労働組合の団体行動を乱す行為として罰金や除名などの処分対象となる場合があります。
ストライキの類語
ストライキの類語・類義語としては、組織的に商品を買わずに取引を拒絶することや、会合や運動に参加しないことを意味する「ボイコット」、集会やデモなどにて参加者が一斉にスローガンを唱えることを意味する「シュプレヒコール」などがあります。
ロックアウトの例文
この言葉がよく使われる場面としては、雇用者が作業場を一時閉鎖して労働者の就業を拒否することを意味する時などが挙げられます。
例文1の「ロックアウト解雇」とは、企業が労働者に対して正当な理由もないままに解雇、そして職場から締め出すことを意味する言葉です。
また、例文4や5のように、コンピュータのパスワード入力において一定回数以上誤って入力した場合、入力を受け付けなくなることを意味する言葉としても使われています。
ストライキの例文
この言葉がよく使われる場面としては、労働者が一定期間労働力の提供を停止することを意味する時などが挙げられます。
例文1の「ゼネラル・ストライキ」とは、企業や組織によるストライキではなく、地域や都市、もしくは全国的な規模で行われるストライキを指す言葉で、「総同盟罷業」とも呼ばれています。
ロックアウトとストライキは、どちらも「雇用者と労働者の争議行為」を表します。
どちらを使うか迷った場合は、雇用者が労働者を拒否することを表す場合は「ロックアウト」を、労働者が労務を拒否することを表す場合は「ストライキ」を使うと覚えておけば間違いありません。